坊主頭を切りすぎた、と焦る前に。|失敗をプロが修正する方法
まずは、深呼吸を。その失敗は直せます
「やってしまった…」。ご自身でバリカンを手に取り、すっきりとした坊主頭を目指したものの、思ったよりも短く切りすぎてしまったり、部分的に長さが違う、まだらな「虎刈り」の状態になってしまったりして、今、鏡の前で呆然とされてはいませんか。
そのお気持ちは、痛いほどよく分かります。しかし、どうぞご安心ください。その失敗は、決して取り返しのつかないものではありません。私達のような、髪の専門家である理容師の手にかかれば、どのような状態からでも、必ず清潔感のある、格好いい髪型へと美しく修正することが可能です。
なぜ、ご自身で切ると失敗しやすいのか
そもそも、なぜ坊主頭をご自身で切ると、失敗が起こりやすいのでしょうか。それは、決してあなたが不器用だから、というわけではありません。
見えない部分の難しさ
まず、ご自身の後頭部や耳の後ろといった部分は、合わせ鏡を使ったとしても、全ての角度から正確に確認することはできません。この、ご自身の目で直接見ることのできない部分を、他の部分と全く同じ長さに、均一に刈り上げることは、実はプロの私達にとっても、細心の注意を要する作業なのです。
頭の形は平らではない
そして、もう一つの理由が、頭の形そのものにあります。私たちの頭は、完全な球体ではなく、場所によって僅かな凹凸があったり、平らになっていたりします。平らな面を刈るのとは違い、この複雑な丸みに沿って、常にバリカンを均一な力で、そして適切な角度で動かし続けるには、長年の経験によって培われた、熟練した技術が必要となるのです。
プロができる、具体的な修正方法
では、実際に理容室にお越しいただければ、私達はどのような方法で、その失敗を修正するのでしょうか。
方法1:最も短い部分に合わせて、全体を整える
最も確実で、基本的な修正方法が、このやり方です。お客様が誤って最も短く刈ってしまった部分の長さを基準とし、全体の長さを、そのミリ数で完璧に刈りそろえます。それまで不揃いであった髪の長さが、滑らかで均一な長さに整えられることで、清潔感のある、美しい坊主頭へと生まれ変わります。
方法2:デザインカットで、失敗を活かす
お客様の失敗の状態によっては、それを逆手にとって、新しいデザインの髪型をご提案することも可能です。例えば、側頭部(サイド)を短くしすぎてしまったのであれば、その短さを個性として活かし、頭頂部(トップ)との間に長短の差をつけた、「ツーブロック」や「ソフトモヒカン」風のおしゃれな髪型に、デザインし直すこともできます。これにより、思いがけない「失敗」が、新しい自分を発見するきっかけになるかもしれません。
理容室へ駆け込む際の、伝え方
失敗してしまい、少し恥ずかしい、気まずいというお気持ちがあるかもしれませんが、どうぞ、何もご心配なさらないでください。私達は、そのような状況でお困りのお客様を、これまでにも数えきれないほど助けてまいりました。
「自分で切ったら、失敗してしまいました。何とか、格好良くしてください」。何も飾らず、ありのままの状況と、そのお気持ちをお伝えいただくのが、一番です。私達は、決して笑ったり、お客様を責めたりすることはございません。
まとめ:失敗は、プロと出会うきっかけです
坊主頭をご自身で美しく仕上げることの難しさを、身をもって体験された今だからこそ、プロの技術の価値を、きっとご理解いただけることでしょう。今回の「切りすぎた」という少し苦いご経験は、もしかすると、本当に信頼できる、あなたの髪の主治医とも言える理容師と出会うための、素晴らしいきっかけだったのかもしれません。
どんなに絶望的な状態に見えても、私達には、それを必ず美しい髪型へと導く自信と技術があります。そのお悩みを、一人で抱え込まずに、ぜひ一度、私達プロにお預けください。