坊主頭の寝癖の直し方|原因と簡単な対処法を専門家が解説
「寝癖がつかないはず」の坊主頭で、なぜ?
「毎朝の面倒な寝癖直しから解放されたい」。そのような想いから、すっきりとした坊主頭を選ばれた方も少なくないことでしょう。しかし、朝、鏡を見てみると、髪の一部が不自然に浮き上がっていたり、毛の流れが乱れていたりして、「話が違うじゃないか」と、少しがっかりしたご経験はございませんか。
確かに、非常に短い坊主頭では寝癖はほとんどつきません。しかし、ある程度の長さを残した坊主頭の場合、なぜ寝癖がついてしまうのでしょうか。ここでは、その原因と、驚くほど簡単な寝癖の直し方について、髪の専門家である理容師の立場から詳しくご説明いたします。
坊主頭でも寝癖がつく原因
坊主頭に寝癖がつくかどうか、その境界線は主に「髪の長さ」にあります。一般的に、髪の長さが15mm(1.5センチメートル)を超えてくると、髪の毛一本一本に癖がつくための、いわば「のりしろ」が生まれるため、寝癖が発生しやすくなります。
そして、その癖がつく仕組みは、睡眠中に頭が枕などに押し付けられることで、髪の根元が本来の自然な毛流れとは違う方向に倒れたまま、乾いて固定されてしまう、というものです。特に、つむじ周りなどは毛の流れが複雑なため、その流れに逆らう形で部分的に髪が浮き上がって見えるのが、坊主頭の寝癖の主な正体です。
驚くほど簡単な寝癖の直し方
坊主頭についてしまった寝癖は、長い髪の頑固な寝癖とは違い、非常に簡単に、そして短時間で直すことができます。
基本的な直し方:水で根元を濡らす
最も確実で、基本的な直し方は、寝癖がついてしまっている部分の「髪の根元」を、水や寝癖直し用の液体で、しっかりと濡らしてあげることです。指先に水をつけて根元に揉みこむか、霧吹きなどを使うと、より効率的です。髪の表面だけを濡らしても、根元の癖は直らないため、「根元をリセットさせる」という意識が大切です。
根元を濡らした後は、手ぐしや目の粗い櫛を使い、本来の自然な毛流れに沿って髪を整えます。その後は、自然に乾くのを待つか、ドライヤーの弱い風を優しく当てるだけで、ほとんどの寝癖はきれいに解消されているはずです。
時間がない朝の対処法:整髪料で整える
髪を濡らす時間さえない、という忙しい朝には、整髪料を使った応急処置も有効です。ごく少量のジェルやグリース、あるいはワックスなどを手のひらでよく伸ばし、寝癖が気になる部分を上から優しく押さえつけながら、髪全体に薄く馴染ませます。これにより、浮き上がった髪を落ち着かせると同時に、髪に艶が出て、手入れの行き届いた髪型に仕上げることができます。
寝癖を予防するための心がけ
そもそも寝癖をつけないようにするためには、夜、シャンプーをした後のお手入れが最も重要です。寝癖の最大の原因は、髪が濡れたまま、あるいは半乾きの状態で眠ってしまうことです。髪が短く、すぐに乾くように感じる坊主頭であっても、タオルでゴシゴシと擦るだけでなく、ドライヤーを使って、髪の根元から完全に乾かす習慣をつけることが、最も効果的な予防法となります。
「手入れが楽なはずだったのに」と、少しお悩みの方も、どうぞご安心ください。お客様の髪質や生え癖に合わせて、そもそも寝癖がつきにくい坊主頭の長さや形をご提案することこそが、私達理容師の専門技術です。最高の快適さを手に入れるために、ぜひ一度、私達専門家にご相談ください。