メンズパーマの「チリチリ」は失敗?それともお洒落?原因とスタイリングを解説
メンズパーマのスタイルを調べていると、時折「チリチリ」という言葉を目にすることがあります。この「チリチリ」という質感は、実は、全く異なる二つの意味を持っています。一つは、ツイストパーマに代表される、意図的に創り出すお洒落でワイルドなデザイン。そしてもう一つは、薬剤のダメージなどによって意図せず生まれてしまった、パーマの失敗例。この二つの違いを理解することが、理想のパーマスタイルを手に入れるための重要な鍵となります。この記事では、メンズパーマにおける「チリチリ」という質感について、その両面から詳しく解説していきます。
【お洒落なチリチリ】デザインとしてのツイストパーマ
まずご紹介するのは、狙って創り出す、格好良い「チリチリ」の質感です。これは、主に「ツイストパーマ」という特殊な技術によって作られます。
意図的に創り出す、唯一無二の質感
ツイストパーマは、他のパーマとは一線を画す、独特の魅力を持っています。
- 「ツイストパーマ」というパーマ技術
ツイストパーマとは、その名の通り、髪の毛束を「ねじる(ツイスト)」ことで、リッジや束感を創り出すパーマです。この「ねじり」によって、針金のようなシャープで、チリチリとした独特の質感が生まれます。 - 無骨でストリート感溢れる魅力
ツイストパーマが持つ、エッジの効いた質感は、男らしく無骨な印象や、ストリート感のあるワイルドな雰囲気を演出するのに最適です。周りとは一線を画す、圧倒的な個性を求める方に人気の高いスタイルです。
人気のスタイルと、格好良く見せるスタイリング
この独特の質感を、現代的にお洒落に見せるためのポイントです。
- フェードカット × ツイストパーマ
サイドやバックをフェードカットですっきりと刈り上げ、トップのチリチリとした質感を強調するのが、最も人気の高い組み合わせです。清潔感とワイルドさのコントラストが、洗練された印象を与えます。 - スタイリングは「ウェットな質感」が鍵
ツイストパーマをスタイリングする際は、グリースやジェル、オイルといった、ツヤの出るスタイリング剤で、ウェットな質感に仕上げるのが鉄則です。髪のパサつきが抑えられ、チリチリとした質感が、計算されたお洒落なデザインとして際立ちます。
【失敗したチリチリ】ダメージによる髪の広がりとパサつき
次にご紹介するのは、意図せず生まれてしまった、ネガティブな「チリチリ」の質感です。これは、パーマによるダメージが主な原因です。
なぜパーマで髪がチリチリに傷んでしまうのか
美しいカールではなく、チリチリとした手触りになるのには、いくつかの原因が考えられます。
- 原因①
薬剤の過剰な反応(オーバータイム)
髪質に対して、パーマの薬剤が強すぎたり、薬剤を置く時間が長すぎたりすると、髪の内部にあるタンパク質が過剰に破壊され、チリチリとした質感(ビビリ毛)になってしまうことがあります。 - 原因②
髪の体力不足(ハイダメージ毛への施術)
ブリーチや縮毛矯正を繰り返しているなど、既に髪の体力が失われている状態(ハイダメージ毛)にパーマをかけると、髪が薬剤の力に耐えきれず、チリチリに傷んでしまうリスクが高まります。 - 原因③
施術後の不適切なホームケア
パーマ後のデリケートな髪に、洗浄力の強いシャンプーを使ったり、トリートメントを怠ったり、乱暴に乾かしたりすることも、髪の乾燥とパサつきを招き、チリチリとした質感の原因となります。
チリチリになってしまった髪の対処法
一度傷んでしまった髪を、完全に元に戻すことは困難ですが、適切なケアで状態を改善することは可能です。
- 集中トリートメントで、髪の内部を徹底的に補修
まず行うべきは、失われた栄養分と水分を髪の内部に補給するための、集中的なトリートメントです。サロンでのシステムトリートメントや、自宅での保湿効果の高いヘアマスクなどが有効です。 - スタイリングで、一時的に質感を抑える
日々のスタイリングでは、保湿効果の高いヘアクリームや、重めのヘアオイルなどを使い、髪の広がりとパサつきを抑え、まとまりを与えるようにしましょう。 - 信頼できるプロに相談し、カットやかけ直しを検討する
最も確実な解決策は、信頼できるプロの理容師に相談することです。ダメージ部分をカットで取り除いたり、髪の状態が許せば、ストレートパーマなどで質感を整え直したり、といった専門的なアプローチを提案してもらえます。
理想の質感を叶えるためのオーダー方法
「お洒落なチリチリ」を手に入れ、「失敗したチリチリ」を避けるためには、サロンでのオーダーが非常に重要です。
「お洒落なチリチリ」にしたい場合の頼み方
なりたいイメージを、理容師と正確に共有しましょう。
- 「ツイストパーマにしたい」と、具体的なスタイル名を伝える
まずは、チリチリとした質感が特徴の「ツイストパーマ」にしたい、という要望をはっきりと伝えましょう。 - 理想の質感のわかる写真を見せるのが最も確実
同じツイストパーマでも、ねじりの強さによって質感は変わります。自分が理想とする質感のヘアスタイルの写真を見せるのが、イメージ共有への一番の近道です。
「チリチリになるのを避けたい」場合の頼み方
ダメージへの懸念を、正直に伝えることが大切です。
- 「ダメージを最小限に抑えたい」という希望を伝える
カウンセリングの際に、「髪が傷みやすいので、できるだけダメージの少ない方法でお願いします」と、髪への優しさを最優先に考えていることを伝えましょう。 - 信頼できる経験豊富な理容師を選ぶ
パーマによるダメージを最小限に抑えるためには、髪質を正確に診断し、薬剤を的確にコントロールする、理容師の高い技術力と経験が不可欠です。
まとめ
メンズパーマにおける「チリチリ」という質感は、それが意図された「デザイン」なのか、あるいは意図せぬ「ダメージ」なのかによって、その意味が全く異なります。そして、その分かれ道は、施術を行う理容師の技術力と、お客様の髪の状態を深く理解しようとするカウンセリング力にかかっていると言っても過言ではありません。これからお洒落なツイストパーマに挑戦したい方も、現在の髪のダメージに悩んでいる方も、ぜひ一度、髪と技術のプロフェッショナルである、信頼できるメンズヘアサロンにご相談ください。