メンズパーマ後の正しいヘアケア方法|スタイルを長持ちさせるシャンプーや乾かし方
メンズパーマは、ヘアスタイルにお洒落な動きと立体感を与え、日々のスタイリングを格段に楽にしてくれる素晴らしい技術です。しかし、その美しいカールやウェーブを長く楽しむためには、施術後の「ヘアケア」が非常に重要になることをご存知でしょうか。パーマ後の髪は、見た目以上にデリケートな状態になっています。この記事では、メンズパーマの魅力を最大限に引き出し、長持ちさせるための正しいヘアケア方法を、シャンプーの選び方から髪の乾かし方まで、プロの視点から徹底的に解説します。
なぜメンズパーマ後は特別な「ケア」が必要なのか
パーマをかけた後の髪は、普段と同じケアでは不十分です。その理由を理解することが、適切なヘアケアを始める第一歩となります。
パーマ後の髪は非常にデリケートな状態
パーマは、薬剤の力で髪の内部構造を一度切断し、再結合させることでカールを形成します。そのため、施術後の髪は以下のような状態になっています。
- 髪内部の栄養分が流出しやすい
施術によって髪の表面を覆うキューティクルが開くため、髪の内部にあるタンパク質や水分といった、ハリやコシを保つための重要な成分が流出しやすい状態になっています。 - アルカリ性に傾き、ダメージを受けやすい
健康な髪は弱酸性ですが、パーマの薬剤によって一時的にアルカリ性に傾きます。アルカリ性の状態は、キューティクルが開きやすく、外部からの刺激に弱い、いわば「無防備」な状態です。
適切なケアがパーマの持ちと質感を左右する
日々のケアを丁寧に行うことで、パーマの持続性と見た目の美しさに大きな差が生まれます。
- カールやウェーブの持続力が向上する
適切なケアで髪の内部に栄養と潤いを補給し、キューティクルを整えることで、髪が健康な状態に近づきます。健康な髪はカールを保持する力も強いため、パーマが長持ちします。 - パサつきや広がりを防ぎ、美しい質感を保つ
パーマ後のケアを怠ると、髪は乾燥してパサつき、ただのダメージヘアに見えてしまうこともあります。保湿を中心としたケアを行うことで、潤いのある美しいカールを維持できます。
【実践編】メンズパーマの正しいヘアケア手順
ここからは、具体的なヘアケアの手順を「シャンプー」「トリートメント」「ドライ」の3つのステップに分けて解説します。
STEP1:シャンプーの選び方と洗い方
毎日のシャンプーは、ヘアケアの基本であり、最も重要なポイントです。
- 洗浄力の優しいアミノ酸系シャンプーを選ぶ
市販の洗浄力が強いシャンプーは、パーマのカールを緩めたり、必要な油分まで奪って乾燥を促進させたりする可能性があります。髪と同じタンパク質から成る、洗浄成分がマイルドなアミノ酸系シャンプーが最適です。 - 擦らず、揉み込むように優しく洗う
シャンプーは手のひらでよく泡立ててから、指の腹を使って頭皮をマッサージするように洗いましょう。髪の毛同士をゴシゴシと擦り合わせるのは、キューティクルを傷つけ、パーマがダレる原因になるため厳禁です。
STEP2:トリートメントでの保湿と補修
シャンプーで失われた油分と水分を補い、髪の内部を補修します。
- インバスとアウトバス、両方のトリートメントを活用
シャンプー後に洗い流す「インバストリートメント」で髪の内部に栄養を補給し、ドライヤー前に使う洗い流さない「アウトバストリートメント(ヘアオイルやミルク)」で髪の表面をコーティングする、両方の活用が理想的です。 - 毛先を中心にしっかりと馴染ませる
特にダメージを受けやすい毛先を中心に、トリートメントを優しく揉み込むように馴染ませます。数分間時間を置くと、より成分が浸透しやすくなります。
STEP3:パーマを活かす正しい髪の乾かし方
間違った乾かし方は、せっかくのパーマを台無しにしてしまいます。
- タオルドライは優しく叩くように水分を吸い取る
濡れた髪をタオルでゴシゴシと擦るのは絶対にやめましょう。髪をタオルで挟み込み、優しくポンポンと叩くようにして、水分を吸い取らせることが重要です。 - ドライヤーは根元から、毛先は弱風で握るように
まずは、ドライヤーの風を根元に当てて頭皮全体を乾かします。根元が乾いたら、風量を弱風に切り替え、毛先は手のひらでカールを包み込むように握りながら、優しく乾かしましょう。
パーマを長持ちさせるための特別なケア
日々のケアに加えて、いくつかの特別な注意点を守ることで、パーマをより長く楽しむことができます。
施術当日の注意点
パーマが髪に完全に定着するまでには、時間がかかります。
- 施術後24〜48時間はシャンプーを控える
パーマの薬剤が空気と反応し、カールが完全に固定されるまでには、1〜2日かかると言われています。可能な限り、施術当日のシャンプーは避けましょう。 - 髪に跡がつく行動は避ける
施術後すぐに、きつく帽子を被ったり、長時間髪を結んだり、耳にかけたりすると、カールに変な跡がついてしまう可能性があります。当日は自然な状態を保つよう心がけましょう。
日常生活で気をつけたいこと
無意識の習慣が、髪への負担になっているかもしれません。
- 髪が濡れたまま放置しない、寝ない
髪が濡れている状態は、キューティクルが開き、最もダメージを受けやすい状態です。お風呂上がりはできるだけ速やかに髪を乾かし、濡れたまま寝てしまうのは絶対に避けましょう。 - 紫外線によるダメージにも注意する
紫外線は、髪のタンパク質を破壊し、乾燥やパサつきの原因となります。長時間屋外で過ごす際は、髪用のUVカットスプレーなどを活用するのもおすすめです。
まとめ
メンズパーマ後のヘアケアは、少しの手間と知識で、その後のスタイルの持ちと髪の健康状態を大きく向上させることができます。美しいパーマスタイルは、サロンでの高度な技術と、お客様ご自身の丁寧なホームケアの両輪があってこそ完成します。あなたの髪質やパーマの種類に最適なケア方法や、おすすめのケア用品について、分からないことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの魅力を最大限に引き出すお手伝いを、施術後も全力でサポートさせていただきます。