ドライワックスの選び方|つやを抑えた自然な髪型をつくる使い方
整髪料特有の、濡れたようなつやや、べたつき感が少し苦手だ、という方。あるいは、いかにも「整髪料をつけています」という印象ではなく、より自然で、さりげない髪型を好まれる方。近年、そうしたご要望をお持ちの男性が、非常に増えてまいりました。そのお気持ちに応えるための最も優れた選択肢が、「ドライワックス」や「マットワックス」と呼ばれる、つやを抑えた乾いた質感の整髪料です。ここでは、質の良いドライワックスの見分け方と、その能力を最大限に引き出すための使い方について、専門家の視点からご説明いたします。
「ドライな質感」がもたらす魅力
そもそも、なぜ今、この「ドライな質感」が注目されているのでしょうか。それには、いくつかの魅力がございます。まず第一に、髪に余計な光沢を与えないため、まるで何もつけていないかのような、ごく「自然な仕上がり」に見せることができる点です。次に、製品に油分が少ないため、髪が重くならず、ふんわりとした「軽やかさと空気感」のある髪型をつくりやすいという利点もございます。髪を固めすぎることなく、ラフで「無造作感」のある動きを表現するのにも最適で、特に、髪が細く柔らかい方や、髪のべたつきが気になる方にとっては、非常に心強い味方となってくれることでしょう。
優れたドライワックスが備えるべき条件
私ども髪の専門家が、お客様におすすめするドライワックスを選ぶ際には、いくつかの大切な基準がございます。まず、軽い質感でありながら、作り上げた束感や動きを一日を通してしっかりと維持できる、「高い整髪力と持続性」。次に、手のひらでの伸びが良く、髪に均一になじませやすい「優れた操作性」。そして、時間が経った後でも、手ぐしで簡単に形を整え直すことができる「再整髪性の高さ」。最後に、毎日のことだからこそ、シャンプーで髪や頭皮に負担をかけることなく、すっきりと洗い流せる「洗い落としやすさ」です。
私どもが信頼する、質実剛健な一品
私どもが日々の仕事の中でお客様にご提案するドライワックスの中に、プロの道具として非常に信頼性の高い製品がございます。その一つが、専門家向けに開発された「エレベート ドライワックス/8F」です。この製品がなぜ私たちの信頼を得ているのかと申しますと、それは、先ほど挙げた「軽やかな仕上がり」と、製品名にある数字が示す通りの「強力な保持力」という、ともすれば両立が難しい要素を、非常に高い水準で実現しているからに他なりません。さりげなく無造作でありながらも、決して崩れることはない。そうした、洗練された大人の男性の髪型を創るために、私たちが自信をもってお勧めできる、まさに質実剛健な一品です。
ドライな質感を活かすための使い方
ドライワックスの能力を最大限に引き出すためには、その使い方が非常に重要になります。まず、整髪料をお使いになる前に、ドライヤーで髪を完全に乾かし、根元を立ち上げるなどして、髪型の土台をしっかりと作っておくことが大切です。次に、ドライワックスは伸びが硬めのものが多いため、ごく少量、例えば米粒ほどの大きさを指先に取り、手のひらで完全に透明になるまで、摩擦の熱で溶かすようにしっかりと伸ばしてください。このひと手間を惜しまないことが、仕上がりを大きく左右します。そして、髪の内側から指を入れ、髪全体に空気を含ませるように、くしゃっと優しく握るようにもみ込んでいきます。最後に、指先に残ったわずかなワックスで、毛先を少しずつつまんで、束感と動きを整えて仕上げます。
ご自身の髪質に合わせた、最適な「ドライ」を選ぶ
ドライワックスと一口に申しましても、その硬さや保持力は製品によって様々です。そして、ご自身の髪質に合わないものを選んでしまいますと、ただぱさついて見えてしまったり、うまく髪がまとまらなかったりすることもあります。特に、元々髪が乾燥しやすいという方は、保湿成分なども考慮した製品選びが大切になります。お客様の髪質や、目指す髪型の微妙なニュアンスを正確に理解し、数ある製品の中から最適な一品を選び出すことこそが、私ども髪の専門家がお手伝いできる最大の価値です。
さりげない質感で、自分らしさを表現する
ドライワックスは、作り込みすぎない、さりげないおしゃれを好む現代の男性にとって、非常に強力な味方となる整髪料です。ご自身に合った一品を見つけることで、「頑張りすぎていないのに、どこか洗練されている」という、理想の髪型がきっと手に入るはずです。製品の選び方や使い方について、何かご不明な点がございましたら、いつでもお気軽に、私どもにご相談くださいませ。