プールに入る日の整髪料はどうする?髪を守るための注意点とアフターケア
夏の楽しみの代表格である、プールや海での水遊び。そのような特別な日でも、髪型はきちんと整えておきたいとお考えになるのは、ごく自然なことかと存じます。しかしその一方で、整髪料をつけたまま水の中に入っても良いものだろうか、あるいは髪に悪い影響はないだろうかと、疑問に思われたことはございませんでしょうか。実は、プールや海の水は、私たちが想像している以上に髪にとって大きな負担となります。そのため、特別な日の前後には、いつも以上に丁寧な髪のお手入れが必要になります。ここでは、プールでの整髪料との付き合い方と、最も重要な「プール後のヘアケア」についてご説明いたします。
プールに入る前の整髪料使用について
まず、多くの方が疑問に思われる、プールに入る前に整髪料を使っても良いのか、という点についてです。これに関しまして、私ども髪の専門家といたしましては、基本的には「使用を控えることをお勧めいたします」。その理由は二つございます。一つは、公共の場としてのマナーの観点です。整髪料に含まれる油分や樹脂成分が水の中に溶け出し、プールの水を汚してしまう可能性がございます。もう一つは、ご自身の髪への負担の観点です。整髪料の化学成分と、プールの水に含まれる消毒用の塩素が混ざり合うことで、髪に予期せぬ負担をかけてしまう可能性も否定できません。
それでも髪をまとめたい場合の選択肢
そうは申しましても、プールサイドで過ごす時間など、どうしても髪を最低限まとめておきたい、という場合もあることと存じます。そのような際には、髪型を固める目的の整髪料ではなく、髪を保護する目的で、「洗い流さないタイプのトリートメント」や、ごく少量の「ヘアオイル」などを、髪全体に薄くなじませる程度に留めておくのが良いでしょう。これらは髪を固めるものではございませんが、髪の表面を油分で覆うことにより、塩素や海水に含まれる塩分といった、ダメージの原因となるものから髪を多少なりとも守る効果が期待できます。
最も重要な「プール後のヘアケア」
プールや海で過ごした日において、整髪料をつけるかどうか以上に、何よりも大切になるのが「プール後のヘアケア」です。プールの塩素や海の塩分は、髪の表面を覆うキューティクルを傷つけ、内部のたんぱく質を壊してしまう性質があります。これが、髪の深刻なごわつきや乾燥、あるいは髪色の色落ちといった、夏の終わりの髪の不調の大きな原因となるのです。これを防ぐためには、まず、プールから上がったら、できる限り速やかに真水のシャワーで、髪と体についた塩素や塩分を丁寧に洗い流すことが何よりも重要です。
ダメージを受けた髪をいたわる洗浄と保湿
シャワーを浴びる際には、洗浄力が穏やかでありながら、汚れはきちんと落とせる質の良いシャンプーをお使いになることをお勧めいたします。髪が傷んでいる状態ですので、ゴシゴシと強くこするのではなく、よく泡立てた泡で、頭皮を優しく揉むように洗ってください。そして、シャンプーを洗い流した後は、必ずトリートメントやコンディショナーを使い、失われた水分と油分、栄養分を髪に補給してあげましょう。いつもより少し長めに時間を置いてからすすぐと、より成分が髪に浸透しやすくなります。
髪へのダメージを考えた製品選び
プール後のような、特別なダメージを負った髪には、やはり普段以上にお手入れの品質が求められます。市販されているシャンプーの中には、洗浄力が強すぎて、かえって髪の乾燥を招いてしまうものもございます。髪の状態に合わせた、適切な洗浄力と高い補修力を持つ製品を選ぶことが、夏の終わりの髪の状態を大きく左右します。私どもが理容室で取り扱う専門的な製品には、髪への優しさと高い補修効果を両立させているものが多くございます。お客様の髪質やその日のダメージの状態に合わせて、最適な製品選びのお手伝いをさせていただくことこそ、私ども専門家の役割です。
正しいケアで、夏の髪を守り抜く
プールや海を心から楽しむ日は、整髪料を「つける」ことよりも、その後の「丁寧なケア」にこそ重点を置く。それが、夏の美しい思い出とともに、ご自身の健やかな髪を守り抜くための、最も確実な秘訣です。夏の特別なダメージケアや、ご自身の髪質に合った製品選びについて、何かご不明な点がございましたら、いつでもお気軽に、私どもにご相談くださいませ。