ピアスと整髪料の付き合い方|大切な耳周りを守るための注意点
耳元でさりげなく個性を主張するピアスは、今や男性のおしゃれにおいても、重要なアクセントの一つとなっております。しかしその一方で、日々お使いになる整髪料が、大切なピアスや、その周りのデリケートな肌に何か影響を与えてしまうのではないかと、ご心配に思われたことはございませんでしょうか。特に、ピアスを開けてから間もない時期は、いくつかの点に注意が必要です。正しい知識を持つことが、耳周りの健康を守りながら、髪とピアスのおしゃれを末永く楽しむための大切な鍵となります。
なぜ整髪料の付着に注意が必要なのか
まず、なぜピアスホールへの整髪料の付着に注意を払うべきなのか、その理由からご説明いたします。ワックスやジェル、スプレーといった整髪料には、髪型を整えるための油分や樹脂成分、あるいは香りをつけるための香料などが含まれています。これらの成分が、開けたばかりで、いわば小さな傷口に近い状態であるピアスホールに入り込んでしまうと、それが刺激となり、炎症やかぶれ、化膿といった肌の不調を引き起こす可能性がございます。ホールが完全に安定するまでの数ヶ月間は、皮膚が非常に敏感になっておりますので、最大限の注意を払うことが賢明です。
整髪料をつける際の基本的な予防策
日々の整髪において、整髪料がピアスホールに付着するのを防ぐためには、つけ方を少し工夫することが効果的です。まず、整髪料は、頭頂部や後頭部といった、ピアスから遠い部分からつけ始めるようにしてください。そして、もみあげなどの耳周りの髪は、一番最後に、手に残ったごく少量の整髪料で整える、という手順を習慣にされると良いでしょう。また、手のひら全体で大雑把に整髪料をなじませるのではなく、指先を使い、整えたい部分の髪だけを的確につまむようにしてつけていただくと、意図しない部分への付着を減らすことができます。
もし付着してしまった場合の対処法
どれだけ注意していても、誤って整髪料がピアスホール周辺についてしまうこともあるかもしれません。もし付着してしまった場合は、慌てずに、まずは清潔な綿棒などを水やぬるま湯で湿らせ、ピアスやその周辺を優しく丁寧に拭き取ってください。そして、その日の入浴の際には、シャワーのお湯でよく洗い流し、石鹸やシャンプーの洗浄成分が耳周りに残らないように、念入りにすすぐことが大切です。もし、拭き取った後もかゆみや赤み、痛みといった症状が続くようであれば、ご自身で判断なさらず、速やかに専門の医療機関にご相談いただくのが最も安全です。
耳周りを考えた整髪料選びの視点
ピアスを安全に楽しむためには、お使いになる整髪料そのものの選び方も、非常に重要になります。整髪力や質感だけでなく、ぜひ二つの視点を持ってお選びください。一つは、「肌への優しさ」です。できる限り、天然由来の成分を主としたものや、刺激が少ないとされる成分で構成された製品を選ぶと、万が一付着した際のリスクを減らすことができます。もう一つは、「洗い落としやすさ」です。毎日使うものだからこそ、一日の終わりに、特別な洗浄剤などを使わなくても、通常のシャンプーで簡単かつ完全に洗い流せる製品を選ぶことが、長期的な頭皮と耳周りの健康に繋がります。私どもが理容室で取り扱う専門的な製品には、こうした肌への影響や洗浄性まで深く考慮して開発されたものが多くございます。
正しい知識で、ピアスと髪のおしゃれを両立
整髪料がピアスホールに与える影響へのご心配は、日々の少しの注意と、ご自身に合った製品選びで解消することができます。正しい知識を身につけることで、耳周りの健康を守りながら、ピアスと髪型、両方のおしゃれを心からお楽しみいただければと存じます。整髪料選びや、髪、頭皮に関するお悩みやご不安がございましたら、いつでもお気軽に、私ども専門家にご相談くださいませ。