髪に空気感をまとう、「ふわっと」した髪型を作る整髪料の選び方と使い方
固めすぎず、重くならず、まるで空気を含んだように「ふわっと」軽やか。そんな柔らかな質感の髪型は、見る人に優しく、そして清潔感に満ちた、非常に好ましい印象を与えます。しかし、特にご自身の髪が細い方や柔らかい髪質の方にとっては、その理想的で「ふわっと」した質感を、一日を通して維持することは、至難の業であると感じていらっしゃるかもしれません。「朝に整髪しても、時間が経つとすぐに髪がぺたんこになってしまう」。そのお悩みは、髪を乾かす段階からの丁寧な下準備と、ご自身の髪質に合った「軽い」整髪料を正しく選んで使うことで、解決への道が開けるのです。この記事では、髪がぺたんこになる悩みから解放され、理想の「ふわっと」した髪型をご自宅で実現するための、専門的な整髪料の選び方と使い方について、詳しく解説してまいります。
なぜ、「ふんわり」した髪型は魅力的なのか
そもそも、「ふわっと」した髪型は、なぜこれほどまでに魅力的に映るのでしょうか。それは、髪が持つ柔らかな質感が、その人の印象全体にも良い影響を与えるからです。髪が柔らかく、軽やかに見えることで、その人の雰囲気もまた、親しみやすく、柔和に見えるという効果がございます。また、髪が重くべったりとしていないため、清潔で爽やかな印象を与え、若々しさを演出することにも繋がります。そして、髪に自然な空気感を持たせることは、髪の量を実際よりも多く見せ、ボリュームに関するお悩みを、ごく自然にカバーする効果も期待できるのです。
「ふわっと」を作るための整髪料選びの基本
「ふわっと」した髪型を作るための整髪料選びにおける絶対のルール、それは、言うまでもなく「軽い質感」の製品を選ぶ、ということに尽きます。油分や水分を多く含んだ、重たい質感の整髪料は、それ自体が重力に負けてしまい、髪の立ち上がりを妨げ、ふわっと感の最大の敵となってしまいます。
推奨される整髪料の種類
その条件に最も合致するのが、「マットワックス」や「クレイワックス」といった種類の整髪料です。これらのワックスは、油分が少なく乾いた質感が特徴で、セットする力は持ちながらも非常に軽く、髪の根元を優しく支え、空気感を維持するのに最も適した選択肢の一つです。また、ドライヤーで作った「ふわっと」した形を、重さを加えることなく、そのままの状態で維持するためには、仕上げの「ヘアスプレー」も欠かすことのできない必需品となります。
整髪料の前に、「ふわっと」の土台はドライヤーで作る
ここで、皆様にぜひ知っていただきたい、プロの視点からの最も重要なこつがございます。それは、理想の「ふわっと感」というものは、整髪料の力だけで無理に作るものではなく、ドライヤーで髪を乾かす段階で作り上げた髪の土台を、整髪料でそっと支えてあげることで実現される、ということです。髪を乾かす際には、ボリュームを出したい部分の髪を、本来生えている方向とは逆の方向に優しく持ち上げ、その髪の「根元」に、ドライヤーの風を下から当ててください。そして、髪全体を、ご自身の手でくしゃっと優しく握ったり、指で軽く振ったりしながら、常に髪の間に空気を送り込むようなイメージで乾かすことが、全体のふわっと感に繋がります。
整髪料を使った「ふわっと感」の仕上げ方
ドライヤーで空気感のある土台を作り終えたら、いよいよ整髪料を使って仕上げていきます。整髪料は、米粒から小豆一粒ほどのごく少量を指先に取ります。手のひら全体ではなく、指先と指の間で、透明になるまで薄く伸ばしてください。そして、ドライヤーで作った根元の立ち上がりを決して潰してしまわないよう、髪の表面や中間から毛先を、下から上に優しく散らすように、あるいは髪を軽く握るようにして、つけていきます。根元には直接つけない、ということが、ふわっと感を損なわないための鉄則です。最後に、その美しい形を一日中維持するために、ヘアスプレーを髪から20センチメートル以上離した位置から、髪全体にふんわりと霧のヴェールをかけるように優しくまとわせれば、完成です。
「ふわっと」を操り、柔らかな個性を手に入れる
髪が「ふわっと」せずに、ぺたんこになってしまう原因は、ご自身の髪質だけのせいではなく、日々の髪の乾かし方や、整髪料の選び方、使い方に、改善の余地がある場合がほとんどです。正しい知識と、ご自身の髪に合った整髪料という名の頼もしい相棒を見つけることで、これまで悩みであった髪質を、むしろ「柔らかな質感を最も美しく表現できる」という、あなただけの魅力的な個性に変えることができるのです。もし、ご自身の髪質に本当に合った「ふわっと」させるための整髪料の選び方や、より専門的なドライヤーの技術についてお知りになりたい場合は、ぜひ一度、私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。