髪の広がりを抑える整髪料の選び方、まとまりのある髪を一日中維持する方法
「朝、時間をかけて髪を丁寧に整えたはずなのに、会社や学校に着く頃にはもう髪が広がって、頭全体が大きく見えてしまう」「特に湿気の多い雨の日は、髪がまるで爆発したかのように、全く手に負えなくなってしまう」。そんな、ご自身の髪の「広がり」に関する、非常に根深いお悩みをお持ちの方は、決して少なくないことと存じます。髪が意図せずに広がってしまうと、清潔感が損なわれてしまったり、髪型全体の美しいバランスが崩れてしまったりと、多くの望ましくない問題を引き起こします。しかし、そのお悩みは、ご自身の髪がなぜ広がってしまうのか、その原因を正しく理解し、それに合った整髪料を戦略的に選んで使うことで、大きく改善することが可能なのです。この記事では、髪の広がりを根本から抑え、一日を通してまとまりのある、洗練された髪型を維持するための、整髪料の選び方と専門的な使い方について、詳しく解説してまいります。
なぜ、あなたの髪は広がってしまうのか
効果的な対策を立てるためには、まず、髪が広がってしまう主な原因について知ることが大切です。その原因は、一つではありません。まず、髪が乾燥していたり、日々の熱や化学的な処理でダメージを受けたりしていると、髪の表面を覆って保護しているうろこ状のキューティクルが乱れ、そこから髪の内部の水分が逃げてパサつき、結果として広がりやすくなります。そして、そのような状態の髪は、空気中の余計な水分を吸収しやすいという性質も持っています。湿気の多い日に、特に髪が広がってしまうのは、このためです。また、ご自身の生まれ持った髪質、例えば、髪の量が多い方や、髪一本一本が硬く太い方、あるいはくせによって髪がうねる方も、物理的にボリュームが出やすく、広がりやすいという性質を持っています。
髪の広がりを抑える整髪料選びの三つの鍵
ご自身の髪の広がりを抑えるために、整髪料に求められる重要な要素は、主に三つございます。一つ目は、髪の内部に潤いを補給し、パサつき自体を改善するための「保湿力」。二つ目は、髪の表面を適度な油分で覆うことで、内部の水分が逃げるのを防ぎ、同時に外部の湿気が髪の内部に侵入するのを防ぐ、「コーティング力」。そして三つ目が、整髪料そのものが持つ重みで、髪の浮き上がりや広がりを物理的に抑制する、「適度な重さ」です。
広がらない髪を作る、おすすめの整髪料の種類
上記の三つの鍵となる要素を、高いレベルで満たしてくれる、代表的な整髪料の種類をご紹介いたします。
ヘアオイル
髪の表面を滑らかに覆い、湿気から髪を守りながら、上品な艶とまとまりを与える、髪の広がり対策として非常に効果的な整髪料です。
ヘアクリームやヘアミルク
髪に水分と油分をバランス良く補給し、髪の内側から潤すことで、ごわつきがちな髪をしなやかで、まとまりのある状態へと導いてくれます。べたつきが少なく、自然な仕上がりが特徴です。
ヘアバーム
天然のオイルや蜜蝋などを固めた、半固形状の整髪料です。ヘアオイル以上の重さとまとまりを与える力があり、特に乾燥やダメージによる広がりが強く、手に負えないと感じていらっしゃる髪に適しています。
ヘアグリース
強い艶と、髪をしなやかに、そして力強くまとめる力が特徴です。特に硬い髪質の方や、くせ毛による広がりを、その重みと粘着力で、一日中しっかりと抑えつけたい、という場合に有効です。
広がりを最大限に抑える、プロの整髪手順
髪の広がりを抑えるための、最も重要なこつ。それは、実は整髪料をつける前の、ドライヤーのかけ方にございます。髪を乾かす際には、必ずドライヤーの風を「上から下へ」、つまり、髪の根元から毛先に向かって、髪の表面にあるキューティクルの流れに沿うように当ててください。ご自身の手で軽く髪を下に引っ張りながら乾かすと、さらに広がりが収まりやすくなります。そして、整髪料をつける際には、髪の表面だけにつけるのではなく、まず襟足など髪の内側から手ぐしを通すようになじませ、その後、手のひらに残ったものを髪の表面につける、という順番を意識してください。
髪の広がりを、コントロール可能な個性へ
髪が広がりやすいというお悩みは、その原因を正しく理解し、ご自身の髪質に合った「保湿力」と「適度な重さ」を持つ整髪料を、正しい手順でお使いいただくことで、必ずご自身でコントロールすることが可能になる問題です。髪の豊かなボリュームは、抑えるべき弱点ではなく、上手にコントロールすることで、あなただけの魅力的なシルエットに変えることができる、素晴らしい個性なのです。もし、ご自身の髪が広がる根本的な原因や、それを解決するための最適な整髪料の選び方について、より専門的な助言が必要でしたら、どうぞお気軽に、私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。