「例えば、どんな時に使う?」整髪料の種類と具体的な使用例
髪型を整えようと整髪料を前にした時、「自分のなりたいこの髪型には、例えば、どの種類の整髪料が一番合っているのだろうか」と、ふと手が止まってしまったというご経験はございませんでしょうか。ヘアワックス、ヘアジェル、ヘアグリースなど、世の中には多くの種類の整髪料が存在しますが、それぞれの具体的な使い道や仕上がりの違いを正確に理解し、自信を持って使い分けていらっしゃる方は、意外と少ないのかもしれません。この記事では、そうした皆様の素朴な疑問にお答えするため、「例えば、こんな髪型にしたい時には、この整髪料」というように、具体的な場面や髪型を例に挙げながら、それぞれの整髪料が持つ個性と、その最適な使い方について、髪の専門家である理容師の視点から分かりやすく解説してまいります。
例えば、「無造作で動きのある髪型」にしたいなら
このようなご要望に最も適しているのが、「ヘアワックス」です。ヘアワックスは、髪に軽やかな動きや、立体的な束感を与え、髪型全体を作り込むことを最も得意とする整髪料です。例えば、休日にTシャツとジーンズに合わせるような、作り込みすぎていないカジュアルな髪型にしたい時。あるいは、短い髪の毛先を遊ばせたり、髪のトップにふんわりとした自然なボリューム感を出したりしたい時。そして、一度整髪した後でも、日中に少し形が崩れた際に、ご自身の手ぐしで簡単に手直しをしたい、といった場面。このような場合に、ヘアワックスはその真価を最も発揮してくれます。
例えば、「一日中崩れない、きっちりした髪型」にしたいなら
このようなご要望に最も確実に応えてくれるのが、「ヘアジェル」です。ヘアジェルは、髪を濡れたような質感でパリッと硬く固め、一度作った形を長時間にわたって、強力に維持することを専門とする整髪料です。例えば、大切な商談や会議など、絶対に髪型を崩すことができない、重要なビジネスシーン。あるいは、汗をかくことが予想される夏の暑い日や、湿気が多くて髪が広がりやすい雨の日。そして、清潔感が第一印象を大きく左右する、フォーマルな場に参列する時。こうした場面では、ヘアジェルの持つ絶対的な固定力が、あなたの心強い味方となってくれることでしょう。
例えば、「艶のある、大人びた髪型」にしたいなら
このような、品格のある髪型を目指すのであれば、「ヘアグリース」が最適の選択肢となります。ヘアグリースは、ヘアジェルと同様に強い艶を髪に与えながらも、髪を固めることなく、しなやかにまとめることができる、まさに大人のための整髪料です。例えば、クラシックなスーツスタイルに合わせる、七三分けやオールバックといった、往年の紳士たちのような髪型を再現したい時。あるいは、パーマをかけた髪のウェーブを、パサつかせることなく、艶やかで生き生きとした動きに見せたい時。そして、髪を固めたくはないけれど、ある程度のまとまりと品格が欲しい、といった場面。こうしたご要望に、ヘアグリースは上品な大人の余裕という形で応えてくれます。
例えば、「髪の広がりを抑え、自然にまとめたい」だけなら
このような、ごくシンプルなご要望には、「ヘアクリーム」や「ヘアオイル」が最も適しています。これらの整髪料は、髪を力強くセットするというよりも、髪そのものの質感を整え、潤いを与えることを主目的とした、髪に優しい整髪料です。例えば、強いセットする力は必要なく、ただ髪のパサつきや乾燥による広がりを抑えて、清潔感のある自然なまとまりが欲しいだけの時。あるいは、長めの髪で、髪本来が持つしなやかな毛流れを、そのまま活かしたい場合。こうした、できるだけ素の髪に近い状態でいたいというご要望には、ヘアクリームやヘアオイルが最適です。
あなたの場合の「例えば」にお答えします
ここまで、いくつかの具体的な場面を例に挙げて、整髪料の使い分けについてご説明してまいりました。整髪料は、「例えば」という、ご自身がなりたい髪型や、その日の状況を具体的に想像することで、選ぶべき最適な種類が自ずと見えてくるものです。しかし、今回挙げさせていただいた例は、あくまでも一般的なものであり、本当の最適解は、お客様一人ひとりの髪質や骨格、そして日々の生活習慣によって、さらに細かく変わってまいります。「例えば、私のような硬い髪質の場合は、どのワックスが良いのだろうか」「例えば、この写真のような髪型にするには、どうすれば良いのだろうか」。そんな、あなただけの具体的な「例えば」に対する答えが知りたくなった際には、ぜひ一度、私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。お客様一人ひとりの「例えば」に、プロとしての最高の答えと、最適な製品をご提案させていただきます。