メンズヘアは「後ろ髪」で決まる。360度隙のない、お洒落なバックスタイル講座
鏡に向かって、正面のヘアスタイルを整える。それは毎朝の習慣かもしれません。
では、少し考えてみてください。あなたは、自分の「後ろ髪」が今、どうなっているか正確に把握していますか?
自分では見えない「後ろ髪」や「襟足」は、周りの人からは最もよく見られている部分です。そして、その人の清潔感や美意識、こだわりが最も正直に表れる場所でもあります。伸びっぱなしの襟足や、形の崩れたバックスタイルは、どんなにお洒落な服装も、完璧にセットした前髪も、一瞬で台無しにしてしまいます。
この記事では、真のお洒落を追求する男性のために、理想の「後ろ髪」のデザインから、骨格の悩みをカバーする方法、そしてサロンでのオーダー術まで、バックスタイルに関する全てを徹底的に解説します。
なぜ「後ろ髪」にこだわるべきなのか?
バックスタイルを整えることは、見た目の印象を格上げする上で、計り知れない効果をもたらします。
- 第一印象を決める清潔感きれいに処理された襟足は、清潔感の象徴。Tシャツやスーツの襟元が美しく決まり、それだけで誠実で爽やかな印象を与えます。
- 頭の形を理想的に見せる日本人に多いと言われる「絶壁」などの骨格の悩みも、後ろ髪のカット次第で劇的にカバーできます。後頭部に自然な丸みを持たせることで、頭全体のシルエットが整い、横顔までもが格好良く見えます。
- ヘアスタイル全体の完成度を高めるどんなにトレンドの髪型も、後ろ髪が整っていなければ、それは未完成品です。バックスタイルが全体の完成度を決定づけ、ヘアデザインとしての価値を高めます。
- 揺るぎない自信につながる「後ろから見られても大丈夫」という安心感は、あなたの立ち居振る舞いに自信を与えます。胸を張って堂々と歩く姿は、それだけで人を惹きつけるものです。
【デザイン別】後ろ髪の処理方法とスタイル一覧
後ろ髪のデザインは、大きく分けて3つの方向に分類できます。あなたのなりたいイメージに合わせて選びましょう。
1. 刈り上げるスタイル(清潔感・男らしさ)
襟足をすっきりと刈り上げることで、シャープで男らしい印象に。
- フェード/グラデーション刈り上げ:0mmに近い短さから、なめらかな濃淡で繋げるスタイル。骨格を美しく見せ、清潔感を極めたデザインです。
- ツーブロック:上の髪を被せることで、デザイン性と骨格補正を両立。メリハリの効いたバックスタイルが人気です。
2. 自然に収めるスタイル(ナチュラル・上品)
刈り上げずに、ハサミで柔らかく馴染ませるスタイル。上品で、ビジネスシーンにも最適です。
- グラデーションカット:襟足を短く、上に向かって自然に長さを繋げることで、柔らかい丸みを表現。作り込みすぎない、大人の余裕を感じさせます。
- ナチュラルレイヤー:襟足の生え癖に沿って自然にカット。どんなファッションにも馴染む、究極のベーシックスタイルです。
3. 長さを残すスタイル(個性的・お洒落)
襟足のデザインで、トレンド感や個性を表現するスタイルです。
- ウルフカット:襟足を意図的に長く残し、「くびれ」を作ることで、お洒落なシルエットを創出。ファッション感度の高い層から絶大な支持を得ています。
悩みNo.1「絶壁」は後ろ髪のカットでカバーできる
後頭部の平坦さに悩む方は、ぜひプロのカット技術を頼ってください。絶壁をカバーする秘訣は「錯視効果」にあります。
まず、襟足をすっきりと短く、タイトにカットします。すると、その上にある後頭部の髪が相対的にふんわりと膨らんで見え、自然な丸みがあるように錯覚させることができるのです。さらに、後頭部の一番高さが欲しい部分にレイヤー(段差)を入れ、物理的にもボリュームが出やすいようにカットします。
この、刈り上げる高さやレイヤーを入れる位置を、一人ひとりの骨格に合わせてミリ単位で調整することこそ、プロの理容師・美容師の腕の見せ所です。
見えない部分のスタイリング術|後ろ髪セットのコツ
自宅での再現性を高めるための簡単なアドバイスです。
- ドライヤーが9割:スタイリングの成否は、乾かし方でほぼ決まります。後頭部の髪の根元を指でわしゃわしゃと持ち上げながら、下から温風を当て、ふんわりとしたベースを作りましょう。
- ワックスは内側から:手のひら全体にワックスを薄く伸ばし、シャンプーをするように髪の内側から全体に揉み込みます。表面だけにつけると、ベタっとした重い印象になるので注意が必要です。
- 合わせ鏡で最終チェック:仕上げに、手鏡と洗面台の鏡を使って、後ろや斜めからの見え方を確認する習慣をつけましょう。
理想の後ろ髪を伝える、サロンでのオーダー方法
自分では見えない部分だからこそ、サロンでのイメージ共有が重要になります。
- 写真を見せる(正面+後ろ姿)理想のヘアスタイルの「後ろ姿」が写っている写真を用意するのがベストです。正面の写真とセットで見せることで、全体のバランスがより正確に伝わります。
- 具体的な要望や悩みを言葉で伝える「襟足はV字にすっきりと」「絶壁が気になるので丸みが欲しい」「自然に馴染ませてほしい」など、あなたの言葉でイメージを補足しましょう。
- 最終手段は「おまかせします」信頼できるプロに出会えたなら、「後ろは格好良くしてください」と委ねてみるのも良いでしょう。あなたの骨格や髪質を最大限に活かした、最高のバックスタイルをデザインしてくれます。
まとめ
メンズヘアの品格、清潔感、そして完成度は、その「後ろ髪」に宿ります。
自分では見えない、そして自分では完璧に作れない部分だからこそ、プロの技術が最も輝く場所です。
あなたの後ろ姿は、あなたが思う以上に、周りの人に多くのことを語っています。その背中に、揺るぎない自信と、細部までこだわり抜いたセンスを宿らせませんか?
最高のバックスタイルを、私たちと共にお創りします。