床屋でのヘアスタイルの頼み方|理容師との対話で創る、理想の自分
「どんな髪型にしますか?」床屋や理容室の椅子に座り、理容師からこう尋ねられた時、あなたが本当に望んでいるスタイルを、的確に言葉で伝えることができますか。「なんとなく、こんな感じで…」と曖昧に伝えた結果、イメージと少し違う仕上がりになってしまった、という経験は、多くの男性がお持ちかもしれません。
しかし、ご安心ください。理想のヘアスタイルは、完璧なオーダーの言葉から生まれるのではありません。それは、お客様と理容師との、丁寧な「対話」の中から創り出されるのです。この記事では、その対話を成功させるための、簡単なコツについて詳しく解説します。
最高のオーダーは「伝える」ことから始まる
理容師は、お客様の頭の中にだけある、漠然とした「なりたいイメージ」を形にする専門家です。そのイメージを、いくつかの簡単な方法で伝えてみましょう。
写真:イメージを共有するための、最強のツール
- 出発点として使う
これが最も簡単で、確実な方法です。あなたの理想に近いヘアスタイルの写真をスマートフォンなどに保存し、「こんな雰囲気のスタイルにしたいです」と見せてみましょう。完全に同じ髪型にする、という意味ではなく、あくまでイメージの「出発点」として共有することが大切です。 - 複数枚あると、より良い
いくつか好きなスタイルの写真を見せることで、理容師は、あなたが好むスタイルの共通点(例えば、サイドはすっきりしている、トップには動きがある、など)を読み解き、あなたの好みをより深く理解することができます。
なりたい「印象」を言葉にする
写真がない場合でも、あなたがそのヘアスタイルを通じて、周りにどのような印象を与えたいかを伝えることも、非常に有効です。
- キーワードで伝える
「清潔感のある感じ」「男らしい、精悍な感じ」「優しく、穏やかな感じ」「シャープで、クールな感じ」「若々しく、活動的な感じ」 - プロが、その言葉を翻訳します
お客様の仕事は、この「なりたい印象」というゴールを伝えることです。プロの理容師は、そのゴールを達成するために、どのようなカットや、どのような長さのバランスが最適なのかを、専門家の視点から具体的なヘアスタイルへと「翻訳」します。
あなたの「日常」を伝えることが、成功への近道
見落としがちですが、あなたの普段の生活について伝えることは、満足のいくヘアスタイルを手に入れる上で、非常に重要です。
ライフスタイルと、スタイリングの現実
- 仕事と服装
「普段はスーツを着て仕事をしています」「仕事柄、あまり派手な髪型にはできません」「休日は、カジュアルな服装が多いです」 - 朝の時間
「朝はあまりスタイリングに時間をかけられません」「できれば、乾かすだけで形になるスタイルが良いです」 - 使うスタイリング剤
「普段、ワックスは使いますか?」「ジェルで、カチッと固めることが多いです」「基本的には、何もつけないことが多いです」
隠さずに話そう、あなたの「髪の悩み」
プロの理容師は、あなたの髪の悩みを解決する専門家です。コンプレックスだと感じていることこそ、正直に話してみましょう。
プロは、悩みを解決する専門家
- くせ毛の悩み
「湿気が多い日は、髪が広がってまとまりません」 - 髪質の悩み
「髪が硬くて、横がツンツンと立ってしまいます」「髪が柔らかく、トップがぺたんとしやすいです」 - 生えグセの悩み
「ここのつむじが、どうしても割れてしまいます」 - 白髪やボリュームの悩み
「最近、生え際の白髪が気になってきました」
優れた理容師は、あなたに「質問」をしてくれます
一方的に注文するだけでなく、理容師からの質問に答えることも、カウンセリングの重要な一部です。
良いカウンセリングのサイン
- 丁寧な確認作業
優れた理容師は、お客様の話をじっくりと聞いた上で、「つまり、サイドはこれくらいすっきりとさせて、トップはこういう動きが出る感じですね?」といったように、カットを始める前に、必ずイメージの最終確認をしてくれます。 - プロとしての提案
さらには、「お客様の骨格ですと、写真よりも、もう少しサイドをタイトにした方が、よりシャープに見えて格好良いと思いますが、いかがですか?」といった、プロならではの、より良くなるための提案をしてくれるはずです。
まとめ
床屋で理想のヘアスタイルを注文するために、専門用語を覚える必要は全くありません。一番大切なのは、あなたの「なりたいイメージ」「普段の生活」、そして「髪の悩み」を、恐れずに理容師と共有しようとすることです。
優れた理容師は、お客様との対話を通じて、理想のスタイルを一緒に創り上げていくパートナーです。私たちは、その対話の時間を、何よりも大切にしています。ぜひ、安心して、リラックスした気持ちで、あなたのことを聞かせにきてください。