短髪の男性にこそヘアオイルを。印象を変える使い方と選び方
「髪が短いから、特にヘアケアは必要ない」「短髪にオイルを付けたら、べたついてしまうだけではないか」。短髪の男性とお話ししていると、ヘアオイルに対して、このようなお考えをお持ちの方が少なくないように感じます。しかし、私たち髪の専門家の視点から申し上げますと、その考えとは全く逆に、髪が短いからこそ、ヘアオイルによるお手入れが非常に効果的なのです。ヘアオイルは、単に髪を保湿するだけでなく、短髪の男性の印象を、より清潔で、より洗練されたものへと高める力を持っています。ここでは、その理由と、べたつかせることなく効果を最大限に引き出すための使い方について、詳しく解説いたします。
なぜ短髪にこそヘアオイルがおすすめなのか
髪が短いスタイルに、なぜヘアオイルが有効なのでしょうか。それには、他の髪の長さにはない、短髪ならではの理由があります。
一つ目の理由は、髪の質感を高め、清潔感を格段に向上させるためです。髪が短いと、一本一本の髪のパサつきや乾燥といった質感が、そのまま「手入れが行き届いていない印象」や「疲れた印象」に直結しやすくなります。ヘアオイルで髪に潤いと自然な艶を与えることで、髪そのものが健康的に見え、全体の清潔感が飛躍的に向上します。
二つ目の理由は、紫外線や乾燥から髪と頭皮を守るためです。髪が短い分、頭皮は紫外線やエアコンによる乾燥といった外部からの刺激に、より直接的に晒されることになります。髪をオイルの薄い膜で保護することは、間接的にデリケートな頭皮環境を健やかに保つための、大切な助けとなるのです。
三つ目の理由は、作り込みすぎない、さりげない整髪が可能になるからです。ワックスのように固めることなく、ごく自然な毛流れや、ほんの少しの束感を作りたい場合に、ヘアオイルは最適です。ほんの一滴を使うだけで、何もしない状態よりも格段に整った、さりげなくもお洒落な雰囲気を演出することができます。
短髪に最適なヘアオイルの選び方
短髪の男性がヘアオイルを選ぶ上で、絶対に譲れない条件が、その「質感」です。重たいタイプのオイルを選んでしまうと、髪が根元から寝てしまい、ボリューム感を失わせ、不潔な印象を与えかねません。そのため、さらっとした軽い使用感の「ライトタイプ」のオイルを選ぶことが、失敗しないための最も重要な基準となります。サロンで扱う専門的な製品には、軽い質感でありながら、高い保湿効果や、自然な整髪効果を併せ持った、高機能なものが揃っています。
失敗しないための「一滴」の使い方
短髪の方がヘアオイルを使う上で、最も大切なのは、その使い方、特に「量」です。べたつかせずに効果を実感するための、絶対的なルールをご紹介します。
まず、使用量は「米粒半分」ほどの、ごくごく少量から始めてください。指先にほんの少し付ける程度で十分です。付けすぎは、どのような良いオイルを使っても、失敗の元となります。
次に、手に取ったオイルを、両手のひらから指の間にまで、オイルの液体が完全に見えなくなるくらい、薄く広げます。この「油分の膜」を髪に転写するようなイメージを持ってください。
そして、その手で髪をわしづかみにするのではなく、まずは髪の表面を優しく撫でるようにして、ごく薄い膜を髪全体に纏わせます。その後、指先に残ったオイルを使って、動きを出したい部分の毛先を軽くつまみ、束感を作っていきます。髪の根元には、決してオイルが付かないように意識することが重要です。
まとめ
短髪の男性にこそ、ヘアオイルは髪の質感を高めて清潔感を演出し、さりげない整髪を可能にする、非常におすすめの品です。その成功の鍵は、「軽いタイプのオイル」を「ごく少量」、正しい手順で使うことに尽きます。「短髪だから不要」という思い込みを、「短髪だからこそ効果的」という新しい実感に変えてみませんか。お客様の髪質や頭皮の状態に合わせた最適なオイルと、その一滴が持つ力を最大限に引き出す使い方を、私たち理容師が直接お伝えします。あなたを最高に輝かせるための一滴を、ぜひサロンで見つけてください。