ヘアオイルは乾いた髪にも効果的。正しい使い方と目的を理容師が解説
ヘアオイルをお使いになるお客様から、「濡れた髪に使うのか、乾いた髪に使うのか、どちらが正しいのですか」というご質問をよくいただきます。結論から申し上げますと、ヘアオイルはどちらの場面でもご使用いただくことができ、それぞれに異なった大切な役割があります。特に、朝の整髪時など「乾いた髪」に使うことで得られる効果は、美しい髪型を保つ上で非常に重要です。ここでは、乾いた髪にヘアオイルを使う目的と、その効果を最大限に引き出すための正しい使い方について、理容師の視点から詳しく解説いたします。
乾いた髪にヘアオイルを使う目的
乾いた髪にヘアオイルを使用する主な目的は、「髪の保護」と「質感の向上」の二つです。日中、私たちの髪は紫外線や空気の乾燥、ほこりといった様々な外的刺激に晒されています。朝、整髪の仕上げにヘアオイルを薄く髪になじませることで、オイルが髪の表面を覆い、これらの刺激から髪を守る盾のような役割を果たしてくれます。
また、髪に自然な艶を与え、まとまりを良くする効果も大きな目的の一つです。乾燥によってぱさついたり、広がったりした髪を落ち着かせ、手触りの良い滑らかな状態へと整えます。毛先に束感を与えたり、濡れたような質感を作ったりと、求める髪型を表現するための仕上げとしても非常に有効です。
濡れた髪に使う場合との違い
乾いた髪への使用が「日中の保護と仕上げ」を目的とするのに対し、濡れた髪への使用は「夜の補修と保湿」が主な目的となります。入浴後の濡れた髪は、表面のうろこ状の組織が開いているため、オイルの補修成分が内部まで浸透しやすい状態です。この時に使用することで、一日のダメージを補修し、髪の内部に潤いを閉じ込めることができます。また、ドライヤーの熱から髪を守るという重要な役割も担っています。
このように、「夜、濡れた髪に使うケアが髪の健康の土台を作り」、「朝、乾いた髪に使うケアが日中の髪を守り美しく見せる」と、それぞれの役割は異なります。両方を習慣にすることが、理想的な髪を保つための鍵となります。
乾いた髪への正しい使い方と注意点
乾いた髪にヘアオイルを使う際に最も大切なのは、その「量」です。濡れた髪に使う時よりも、ごく少量にすることを心がけてください。短い髪の方であれば、まずは一滴から試してみるのが良いでしょう。
手に取ったオイルは、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらから指の間まで、しっかりと薄く伸ばします。そして、乾燥や広がりが気になる毛先や、髪の表面を優しくなでるようにしてなじませてください。根元に近い部分に付けてしまうと、時間と共に頭皮の皮脂と混ざり、べたつきや不潔な印象の原因となるため、避けるのが賢明です。量が多すぎると、髪全体が油っぽくなってしまうため、常に「少し足りないかな」と感じる程度を意識することが、失敗しないための秘訣です。
まとめ
ヘアオイルは、乾いた髪に正しく使うことで、日中の様々な刺激から髪を守り、艶やかでまとまりのある髪型を保つための力強い味方となります。夜の補修ケアと朝の保護ケア、この二つを両立させることで、髪はより健やかで美しい状態を維持できます。
ご自身の髪質や、求める仕上がりに最適なオイルの選び方、あるいはより詳細な使い方についてお知りになりたい場合は、ぜひ私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。お客様一人ひとりに合わせた最適なご提案をさせていただきます。