メンズヘアオイルのおすすめとは?理容師が教える本当に合う一本の見つけ方
多くのお客様から、「おすすめのヘアオイルはありますか」とご質問をいただきます。髪のお手入れに関心を持つ方が増え、ご自身に合う一本を探されていることの表れだと感じています。しかし、私達プロの目線から申し上げますと、全ての方にとって完璧な「最高の一本」というものは、残念ながら存在しません。本当におすすめできるものとは、「お客様一人ひとりの髪質や悩みに寄り添い、理想を叶える一本」に他なりません。ここでは、その最高の一本と出会うための考え方について、理容師の視点から解説いたします。
髪の悩み別に見るおすすめのオイルタイプ
まず大切なのは、ご自身の髪がどのような状態にあり、何を求めているかを知ることです。悩みに合わせて、おすすめできるオイルの基本的な性質は異なります。
髪の乾燥や、ダメージによるぱさつきが気になる方には、保湿力に優れたしっとりとした質感のオイルがおすすめです。髪の内部に潤いを届け、それを閉じ込めることで、手触りの良い、落ち着いた状態へと導きます。特に夜、髪を乾かす前に使うことで、日中に受けたダメージを補修する助けとなります。
一方で、髪が細く柔らかい方が重いオイルを使うと、髪がぺたんとしてしまい、不自然な印象になりがちです。そのような髪質の方には、さらっとした軽い質感のオイルがおすすめです。髪のボリューム感を損なうことなく、自然な艶と指通りを与えてくれます。
また、湿気によって髪がうねったり、くせが強くてまとまりにくいとお悩みの方には、髪の水分バランスを整え、表面を適度に覆うことで湿気から守ってくれるタイプのオイルが向いています。
求める仕上がり別に見るおすすめのオイルタイプ
ヘアオイルは髪のお手入れだけでなく、整髪料としても重要な役割を果たします。どのような髪型に仕上げたいかによっても、選ぶべきオイルは変わってきます。
固めすぎず、あくまで自然な艶とまとまりを求める方には、髪へのなじみが良い植物性のオイルなどがおすすめです。髪本来の質感を活かしながら、品の良い仕上がりを演出できます。
近年人気のある、濡れたような質感の髪型を目指すのであれば、艶感と束感を表現しやすい、少し重さのあるオイルが適しています。髪にしっかりと留まり、潤いのある表情を長時間保ってくれます。
理容師が提案する「本当のおすすめ」
このように、髪の悩みや求める仕上がりによって、適したオイルの性質は全く異なります。市販されている製品の評判や人気だけで選んでしまうと、ご自身の髪質に合わず、かえって悩みを大きくしてしまう可能性さえあります。
私たち髪の専門家が考える「本当のおすすめ」とは、お客様の髪を直接この目で見て、実際に触れ、そしてお悩みや理想の髪型について対話を重ねた上で、初めてご提案できるものです。髪質、ダメージの度合い、頭皮の状態、普段のお手入れ方法、そして目指す姿。それら全てを考慮し、数ある高品質なサロン専売品の中から、今のお客様にとって最良の一本を選び出します。それは単に製品を販売するのではなく、お客様の悩みを解決するための最善策をご提案するということです。
まとめ
おすすめのヘアオイルを探す旅は、時に迷いやすいものです。この記事でご紹介した選び方の基準は、その旅の地図のようなものだとお考え下さい。しかし、目的地である「理想の髪」へ最も確実にご案内できるのは、お客様の髪質を最も深く理解する専門家、私たち理容師です。おすすめ探しに迷われた時、あるいはご自身の髪についてもっと知りたいと思われた時は、ぜひお気軽にサロンでご相談ください。お客様だけの「最高の一本」を、一緒に見つけさせていただきます。