自分に合う一本を見つける。理容師が教えるヘアオイルの正しい選び方
今や男性の髪のお手入れにおいても、ヘアオイルは欠かせない存在となりました。しかし、いざ手に取ろうとすると、その種類の多さに「一体どれを選べば良いのだろうか」と戸惑ってしまう方も少なくありません。価格や香りだけで選んでしまい、期待した効果が得られなかったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ご自身にとって最適なヘアオイルを見つけるためには、いくつかの基本的な選び方の基準を知ることが大切です。ここでは、髪の専門家である理容師の視点から、失敗しないヘアオイルの選び方について解説いたします。
まずはご自身の「髪質」を知ることから
ヘアオイル選びの第一歩は、ご自身の髪質を正しく理解することから始まります。髪質によって、適したオイルの質感は大きく異なります。
髪が硬く、量が多くて広がりやすい方は、髪に潤いを与え、しっとりと落ち着かせてくれるような、比較的重さのあるオイルが適しています。油分が髪を柔らかくし、まとまりやすい状態へと導いてくれます。
一方で、髪が細く柔らかい、いわゆる「猫っ毛」の方は、重いオイルを使うと髪がぺたんと潰れてしまい、ボリューム感を損なう原因になります。そのため、付け心地の軽い、さらっとした質感のオイルを選ぶのが良いでしょう。髪の質感を損なわずに、自然な艶を与えることができます。
また、くせやうねりが気になる方は、髪の水分バランスを整える保湿効果の高いオイルがおすすめです。湿気の影響を受けにくくする、ある程度まとまりを与えるタイプのものが適しています。
次に「目的」を明確にする
ご自身の髪質を把握したら、次にそのヘアオイルを「何のために使いたいのか」という目的を明確にしましょう。主な目的は、「髪の補修・保湿」か「整髪時の質感向上」の二つに分けられます。
髪の乾燥やダメージが気になり、それを補修・保湿したいというお手入れが主目的であれば、保湿成分や補修成分が豊富に含まれた製品を選ぶべきです。主に夜、髪を洗った後の濡れた髪に使うことで、その効果を最大限に発揮します。
朝の整髪時に、髪に艶を出したり、まとまりを良くしたり、濡れたような質感を作ったりすることが目的であれば、髪の表面を美しく見せる効果の高いオイルを選びます。目的とする髪型によって、軽い質感のものから重い質感のものまで使い分けが必要になります。
最適な選び方は専門家への相談
ここまで選び方の基本をご説明しましたが、ご自身の髪質を客観的に判断したり、数えきれないほどの製品の中から目的に合った一本を自力で見つけ出したりするのは、決して簡単なことではありません。
そこでお勧めしたいのが、私たち理容師のような髪の専門家に相談するという方法です。私たちは、日々多くのお客様の髪に触れ、その状態を診断しています。お客様の髪質や骨格、ライフスタイル、そして目指す髪型を総合的に理解した上で、数ある製品の中から、本当にその方に必要な一本を的確にご提案することができます。自己判断で試行錯誤を繰り返すよりも、専門家のアドバイスを受けることが、理想の髪を手に入れるための最も確実で、結果的には近道になるのです。
まとめ
ヘアオイルの選び方は、ご自身の「髪質」と「目的」を明確にすることが基本です。しかし、最良の一本と出会うためには、その両方を深く理解し、適切な製品知識を持つ専門家、すなわち行きつけの理容師に相談することが何よりも賢明な選択と言えるでしょう。サロンにお越しの際は、髪型のご要望だけでなく、ぜひヘアオイルの選び方についても、お気軽にご相談ください。