グリースとポマードの違いとは?おすすめの選び方とスタイリング術
メンズヘアスタイリングの世界で、艶やかでクラシックなスタイルを追求するならば、必ず行き着く二つのアイテムがあります。それが「ヘアグリース」と「ポマード」です。この二つは、しばしば同じようなものとして語られることもありますが、その成り立ちや性質には違いがあり、その違いを正しく理解することで、あなたのスタイリングはより深く、そして豊かなものになります。
「自分にはどちらが合っているのだろう?」「おすすめはどっち?」そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。この記事では、グリースとポマードの知られざる関係性から、あなたに合ったおすすめの選び方まで、プロの視点で詳しく解説していきます。
まず理解したい「グリース」と「ポマード」の基本的な違い
この二つの関係性を理解するためには、まず「ポマード」の歴史から知るのが近道です。もともと「ポマード」とは、油分を主成分として髪に艶とまとまりを与える整髪料全般を指す、非常に歴史の長い言葉でした。
油性ポマード(伝統的なポマード)
一般的に「ポマード」と聞いて多くの方がイメージするのが、この伝統的な「油性ポマード」です。植物性の油や鉱物油などをベースに作られており、非常に強い艶と、水を弾くことによる強力な耐水性が特徴です。しかしその反面、シャンプーでは簡単に洗い流すことが難しいという、大きな課題を抱えていました。
水性グリース/水性ポマード(現代の主流)
その油性ポマードの課題を解決するために登場したのが、「水性」の製品です。油性ポマードが持つ艶感やセット力を、水を主成分とすることで再現しつつ、毎日のシャンプーで簡単に洗い流せるという画期的な利便性を実現しました。そして、この「水性のポマード」が、現在私たちが「ヘアグリース」と呼んでいるものと、ほぼ同義の製品となっているのです。メーカーやブランドによって「水性ポマード」と呼ぶか、「水性グリース」と呼ぶかの違いはありますが、その指し示すものはほとんど同じと考えて良いでしょう。
【成分別】おすすめの選び方:水性か、油性か
この違いを理解すると、あなたが選ぶべき最初の分岐点が見えてきます。それは、あなたのライフスタイルや、スタイリングへのこだわりによって決まります。
水性グリース/ポマードがおすすめな方
日常的にスタイリングを楽しみ、夜はシャンプーで手軽にリセットしたい、という現代のほとんどの男性には、この「水性」タイプが断然おすすめです。スタイリング剤の扱いに慣れていない初心者の方にとっても、扱いやすさとケアのしやすさから、まずはこちらを選ぶべきでしょう。
油性ポマードがおすすめな方
汗や湿気に絶対に負けない、究極のキープ力を求める方。あるいは、50年代のロカビリースタイルのような、本物のクラシックな質感を忠実に再現したい方。そして、洗い落とす手間さえも、一つの儀式として楽しめるような、強いこだわりを持つ上級者の方には、この伝統的な「油性」が唯一無二の選択肢となります。
【スタイル別】おすすめの選び方
次に、ご自身が作りたいヘアスタイルから、おすすめのタイプを考えてみましょう。
七三分け・バーバースタイルにおすすめ
きっちりとした面とシャープな毛流れを一日中維持するためには、セット力の強い「ハードタイプ」の水性グリースが基本となります。艶の強さを選ぶことで、フォーマル感やクラシック感を自由にコントロールできます。
パーマスタイルにおすすめ
パーマのウェーブやリッジを、パサつかせずに艶やかに見せたい場合は、髪を固めすぎない「ソフトからミディアムタイプ」で、伸びの良い水性グリースがおすすめです。
あなただけの「おすすめ」は、サロンで見つかる
ここまで、グリースとポマードの違いと、その選び方について解説してきました。しかし、現代では国内外の無数のブランドから、多種多様な特徴を持つ製品が発売されており、その中から独力で最適な一品を見つけ出すのは至難の業です。
本当の意味であなたにおすすめできるのは、私たちプロのスタイリストが、あなたの髪質、骨格、そして求めるスタイルや世界観までを深く理解し、豊富な製品知識の中から選び抜いた、唯一無二の一品です。サロン専売品には、市販品とは一線を画す、上質な艶、優れた操作性、そして髪や頭皮への優しさまでを兼ね備えた、こだわりの製品が揃っています。
まとめ
現代において、「水性グリース」と「水性ポマード」は、ほぼ同じものを指す言葉として捉えて差し支えありません。製品選びは、まず「水性」か「油性」かという、あなたのライフスタイルに関わる大きな選択をし、その上で、ご自身の作りたいスタイルに合ったセット力と艶感の製品を見極めることが重要です。クラシックでありながら常に新しい、奥深いグリースとポマードの世界を、ぜひサロンで体験してみてください。