プロが教えるヘアグリースのやり方|基本セットの完全ガイド
お洒落なメンズヘアスタイルに欠かせないアイテムとなった、ヘアグリース。手には入れてみたものの、そのポテンシャルを最大限に引き出す「やり方」を、あなたはご存じでしょうか。なんとなく自己流で使ってみて、「うまく決まらない」「ベタつくだけになってしまう」と感じている方も少なくないかもしれません。
どんなに優れたスタイリング剤も、正しいやり方を知らなければ、その真価を発揮することはできません。この記事では、初心者の方でも、今日からご自宅でサロンの仕上がりを再現できるよう、プロが実践するヘアグリースの基本的なやり方を、準備段階から仕上げまで、一つひとつの手順を追って徹底的に解説していきます。
正しいやり方の第一歩:スタイリング前の準備
完璧なスタイリングは、グリースを手に取る前の「準備」の段階から始まっています。この工程を丁寧に行うことが、仕上がりの質を大きく左右します。
準備1:髪をしっかりと濡らし、素直な状態に戻す
まずは、髪の根元から全体をしっかりと濡らし、寝癖などをリセットすることから始めましょう。髪を一度リセットし、素直で扱いやすい状態にすることが、美しいスタイリングへのスタートラインです。
準備2:ドライヤーでスタイルの土台を作る
次に、タオルでしっかりと水気を拭き取ったら、ドライヤーを使って乾かしていきます。ここが最も重要な工程です。ただ乾かすのではなく、「完成させたいヘアスタイルの8割を作る」という意識で、ドライヤーを使いこなしてください。ボリュームを出したいトップは根元を立ち上げるように、抑えたいサイドは上から下に風を当てて、作りたい毛流れの方向に髪を導きながら乾かします。この「ドライヤーセット」という土台が、ヘアセットの完成度と持続性を決定づけます。
グリースの基本的なやり方:塗布から馴染ませるまで
髪の土台が整ったら、いよいよグリースを使ったセットに入ります。
手順1:適量を手に取り、手のひらで完全に伸ばす
使用するグリースの量は、まず「小豆一粒大」ほどの少量から始めるのが鉄則です。手に取ったグリースは、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらと指の間までしっかりと使い、透明になるまで擦り合わせます。体温で温め、完全に伸ばすことで、グリースは髪にスムーズに、そして均一に馴染むようになります。
手順2:髪全体にムラなく均一に馴染ませる
しっかりと伸ばしたグリースを、髪全体に均一に馴染ませていきます。髪の表面だけを撫でるように付けるのではなく、髪の内側から指を入れ、根元付近から毛先に向かって、髪全体に空気を含ませるように少し大胆に動かしながら馴染ませるのがプロのやり方です。まずはムラなく行き渡らせることを最優先してください。
理想のスタイルを叶える仕上げのやり方
グリースが髪全体に馴染んだら、最終的な仕上げの工程です。
手順3:全体のシルエットとディテールを整える
まず、手ぐしや手のひら全体を使い、大きなシルエットを整えます。ボリュームを抑えたい部分は優しく撫でつけ、トップに高さを出したい部分は指で根元を持ち上げるように調整します。その後、束感を出したい場合は指先で毛束をつまみ、きっちりとした毛流れを作りたい場合はコームを使うなど、細部を調整してスタイルを完成させます。
あなたに合った「やり方」をサロンで見つける
ここまで、どんなスタイルにも共通する基本的なやり方をご紹介してきました。しかし、お客様一人ひとりの髪質や骨格、そして目指すスタイルによって、最適なドライヤーのかけ方や、使用すべきグリースの種類、そして量は微妙に異なります。
サロンでは、私たちプロのスタイリストが、お客様の髪の状態を正確に見極め、最高のパフォーマンスを発揮するサロン専売品を使いながら、ご自宅で再現できるあなただけの「やり方」を、マンツーマンで丁寧にお伝えすることができます。
まとめ
ヘアグリースを使った正しいヘアセットのやり方は、「ドライヤーでの丁寧な下準備」「手のひらで完全に伸ばしてから、全体に馴染ませる」「最後に形とディテールを整える」という、基本的なステップを踏むことが成功への鍵です。この手順をマスターすれば、どなたでも簡単にお洒落で清潔感のあるヘアスタイルを実現することが可能です。ぜひ、明日からのヘアセットで実践してみてください。