グリースで作る無造作ヘア|ラフな束感と動きを出すセットのコツ
ヘアグリースと聞くと、七三分けやオールバックといった、コームでとかしたような、きっちりと整えられた艶やかなスタイルを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、その一方で「頑張りすぎていない、ラフでお洒落な雰囲気にしたい」というニーズも高まっています。
実は、ヘアグリースはその使い方を少し工夫するだけで、ヘアワックスで作るスタイルとは一味違う、上品でこなれ感のある「無造作ヘア」を簡単に創り出すことができるのです。この記事では、グリースに対する固定観念を覆す、新しいスタイリングの可能性と、その具体的なセット方法について詳しく解説していきます。
なぜグリースで「無造作ヘア」を作るのか
無造作ヘアのスタイリング剤といえば、多くの方がヘアワックスを連想するでしょう。では、あえてグリースを選ぶことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
艶による「計算された」無造作感
ワックスが持つマットでドライな質感とは異なり、グリースがもたらす自然な「艶」は、ラフなスタイルに上品さと清潔感を加えてくれます。これにより、ただセットを怠っているように見えるのではなく、「あえてラフに、お洒落に仕上げている」という、計算された無造作感を演出することができるのです。
パサつきを抑え、清潔感を両立
無造作ヘアは、一歩間違えると髪が傷んでパサついているように見え、不潔な印象を与えかねません。グリースが持つ保湿効果とウェットな質感は、髪のパサつきを効果的に抑え込むため、ラフさの中に、潤いのある清潔感を共存させることが可能です。
無造作ヘアに適したグリースの選び方
理想の無造作ヘアを作るためには、まず製品選びが重要です。髪をハードに固めてしまうと、無造作ヘアに求められる柔らかな動きや質感が損なわれてしまいます。そのため、セット力は比較的穏やかな「ソフトタイプ」や「ミディアムタイプ」のグリースを選ぶのが基本となります。また、トップのふんわり感などを潰してしまわないよう、できるだけ軽やかな使用感で、手のひらでよく伸びるテクスチャーの製品を選ぶことも、非常に重要なポイントです。
グリースで作る、ラフな無造作ヘアのセット方法
それでは、具体的なスタイリングの手順を見ていきましょう。きっちりとしたスタイルを作る時とは、全く異なるアプローチが求められます。
ステップ1:ドライヤーでラフなベースを作る
まず髪全体を濡らした後、ドライヤーを使って、あえて毛流れを整えすぎずにランダムに乾かしていきます。髪の根元をしっかりと立ち上げることを意識しながら、様々な方向から風を当てて、髪にくせ毛のような自由な動きの土台を作っておきます。
ステップ2:グリースは「ごく少量」を徹底する
無造作感を表現する上で、スタイリング剤のつけすぎは最も避けたい失敗です。使用するグリースは、「米粒大」ほどのごく少量を手に取り、手のひらで透明になるまで完全に伸ばしてください。
ステップ3:空気を含ませるように、全体に散らす
準備ができたら、髪の内側から指を入れ、髪の毛をシャンプーするように、あるいは髪全体を優しくクシャっと握り込むようにして、髪全体に空気を含ませながらグリースを「散らす」ようなイメージで馴染ませていきます。
ステップ4:指先で毛束をつまみ、シルエットを整える
仕上げに、指先で毛束をランダムにつまみ、動きを出したい方向へ毛先を遊ばせます。この時、全ての毛束を同じ方向に整えるのではなく、あえてバラバラの方向に向けるのが、リアルな無造作感を出すコツです。トップはふんわりと、襟足は少し抑えるなど、全体のシルエットにメリハリをつけると、よりお洒落なスタイルに仕上がります。
究極の「無造作感」を叶えるサロン専売グリース
洗練された無造作ヘアを作る上で最も重要なのは、セット力、ツヤ感、軽やかさ、そして操作性といった、多くの要素が絶妙なバランスで共存していることです。サロンで私たちが扱うプロ仕様の製品は、まさしくそうした「ただの無造作」ではない、「計算された無造作」を簡単に実現するために、質感や成分が徹底的に研究されています。
まとめ
ヘアグリースは、きっちりとしたクラシックスタイルだけでなく、その選び方と使い方次第で、ラフでお洒落な「無造-作ヘア」を作るための隠れた名手でもあります。「軽いグリースを少量だけ、ラフに散らすように付ける」という基本を守れば、どなたでも簡単に、ワックスとは一味違う、艶のある大人の無造作ヘアを手に入れることができます。ぜひ、あなたのスタイリングの新しい選択肢として、グリースを活用してみてください。