グリースとムースの違いとは?パーマヘアに合う選び方と使い分け
メンズのヘアスタイリング剤には非常に多くの種類があり、それぞれが異なる特徴と得意なスタイルを持っています。中でも、特にパーマをかけている方が、その使い分けに迷われることが多いのが「ヘアグリース」と「ヘアムース(フォーム)」ではないでしょうか。
どちらも髪をセットするためのアイテムですが、そのテクスチャーから仕上がりの質感、そして最適なヘアスタイルまで、実は全く異なる性質を持っています。この記事では、ヘアグリースとヘアムースの明確な違いを比較・解説し、ご自身のスタイルに合わせた最適な選び方と使い分けについてご紹介していきます。
まずは「形状」と「質感」の根本的な違い
この二つのスタイリング剤の最も分かりやすい違いは、容器から出した時の形状と、そのテクスチャーにあります。
ヘアグリースの特徴
ヘアグリースは、一般的にジャータイプの容器に入った、半固形のジェルやクリームのような形状をしています。油分を多く含んだ粘性の高いテクスチャーが特徴で、手のひらに取って、温めながら伸ばして使用します。
ヘアー―ムースの特徴
ヘアムースは、スプレー缶に入っており、ノズルを押すと泡(フォーム)状で出てきます。水分を多く含んだ、非常に軽やかでフワッとした質感が特徴です。髪に馴染ませやすく、スタイリング剤の重さを感じにくいというメリットがあります。
仕上がりとセット力の比較
そのテクスチャーの違いは、そのまま仕上がりの質感とセット力の違いに直結します。
セット力の違い
ヘアグリースは、髪を「面」として捉え、しなやかに、しかし強力にまとめ上げる「セット力」に優れています。一方、ヘアムースのセット力は、主にパーマのウェーブなどを「ふんわりと再現し、その形を軽くキープする」力です。グリースほどの強力なホールド力はありませんが、ごわつくことなく、自然な仕上がりになります。
質感とツヤの違い
仕上がりの質感は、両者の最も大きな違いと言えるでしょう。グリースは、その名の通り「ウェットで強いツヤ」を出すことを最も得意とします。一方のムースは、製品にもよりますが、基本的には乾くとパリッとした質感になるものや、ごく自然なツヤが出るものが多く、グリースのようなはっきりとした濡れ感を出すことはできません。
【スタイル別】グリースとムースの使い分け
これらの違いを踏まえると、どちらのスタイリング剤を選ぶべきか、その使い分けが明確になります。
グリースがおすすめなスタイル
艶のあるタイトなスタイル、例えば七三分けやオールバック、フェードスタイルなどにはグリースが最適です。また、パーマヘアにおいては、全体のウェーブ感よりも、ねじれた束感である「リッジ」をくっきりと見せたい場合に非常に有効です。
ムースがおすすめなスタイル
パーマヘア全体の「ウェーブ感」を、ふんわりと、そして均一に再現したい場合にはムースが最も適しています。また、髪が細く柔らかい軟毛の方が、スタイリング剤の重さで髪が潰れるのを避けつつ、ボリューム感を出したい場合にもおすすめです。
理想の質感を叶える、サロンという選択肢
近年、スタイリング剤の開発は進化を続け、グリースやムースのカテゴリーも非常に多様化しています。例えば、ムースのような軽やかな使用感を持つグリースや、グリースのような高いセット力とツヤを表現できるムースなど、両者の長所を併せ持ったような、高機能な製品も登場しています。
サロン専売品は、まさしくそうした、お客様一人ひとりの繊細なニーズに応えるための、多様なラインナップが揃っています。ご自身の髪質やパーマの種類、そして本当に「なりたい質感」に合ったスタイリング剤を選ぶには、私たちプロのスタイリストに相談していただくのが最も確実な方法です。
まとめ
ヘアグリースとヘアムースの最も大きな違いを簡潔にまとめると、「ウェットでタイトにまとめる」のがグリース、「ふんわりと軽く形作る」のがムース、となります。特にパーマヘアのスタイリングにおいては、その日の気分やファッションに合わせて、この二つを巧みに使い分けることで、表現できるヘアスタイルの幅は格段に広がります。スタイリング剤選びに迷った際は、どうぞお気軽に私たちにご相談ください。