メンズグリースの比較ポイント|自分に合う一品を見つけるための基準
メンズスタイリングの定番アイテムとなったヘアグリース。その人気に伴い、市場には国内外の様々なブランドから、数えきれないほどの製品が送り出されています。いざ自分に合ったものを選ぼうとしても、選択肢が多すぎるあまり、「何を基準に比較すれば良いのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
価格やパッケージのデザイン、あるいはインターネット上の評判だけで選んでしまうと、ご自身の髪質や理想のスタイルに合わず、後悔してしまうことも少なくありません。最適な一品と出会うためには、製品を正しく「比較」するための、いくつかの重要な軸を持つことが不可欠です。この記事では、プロが実践するグリースの比較ポイントについて、詳しく解説していきます。
比較の軸1:「セット力」を比較する
まず、最も基本的で重要な比較の軸となるのが、作ったスタイルを維持する「セット力(ホールド力)」の強さです。
ソフトタイプ vs ハードタイプ
セット力が穏やかなソフトタイプのグリースは、パーマの柔らかな動きを活かしたり、作り込みすぎないナチュラルな毛流れを作ったりするのに適しています。一方で、セット力が強いハードタイプのグリースは、七三分けやオールバックといった、きっちりとしたスタイルを一日中崩さずに維持したい場合に最適です。ご自身の髪質が硬いか柔らかいか、そしてどれくらいのキープ力を求めるかで、どちらのタイプを選ぶべきかを比較検討しましょう。
比較の軸2:「艶(ツヤ)感」を比較する
次に、グリースの個性を最も象徴する「艶感」を比較します。仕上がりの印象を大きく左右するポイントです。
ウェットな艶 vs ナチュラルな艶
製品によって、まるでシャワーを浴びた後のような、濡れた質感を強く表現するウェットなタイプと、ギラつきを抑え、髪が本来持っているかのような上品で自然な光沢を放つナチュラルなタイプがあります。フォーマルな場面で品格を出したいのか、あるいはビジネスシーンで清潔感を出したいのかなど、その日のシチュエーションや与えたい印象によって比較し、使い分けるのが理想的です。
比較の軸3:「成分(水性/油性)」を比較する
日々の使い勝手や、特定の状況への耐性を比較する上で、主成分の違いも重要なポイントとなります。
水性グリース vs 油性グリース
現代の主流である水性グリースは、シャンプーで簡単に洗い流せる手軽さが最大のメリットです。一方で、伝統的な油性グリースは、水を弾く性質から汗や湿気に非常に強いというメリットがあります。日常的な使いやすさを重視するなら水性、絶対に崩したくない特別な日や、強いこだわりを持つなら油性、という視点で比較すると良いでしょう。
比較の軸4:他の整髪料と比較する
グリースというカテゴリー自体の特性を理解するために、他の代表的な整髪料とも比較してみましょう。
グリース vs ワックス vs ジェル
「艶とまとまり」を求めるならグリース、「ドライな質感と無造作な動き」ならワックス、「絶対的な固定力とパリッとした質感」ならジェル、というように、それぞれが得意とする領域が明確に異なります。グリースは、これらの中でも特に、艶としなやかなまとまりを両立できるバランスの取れた整髪料と位置づけられます。
究極の比較は、プロによる「髪質診断」
ここまで、ご自身でグリースを比較するための様々な軸をご紹介してきました。しかし、最終的にどの製品があなたにとって最適なのかを決定づける最も重要な要素、それはお客様一人ひとりの「髪質」「骨格」「生え癖」といった、ご自身では正確な判断が難しいパーソナルな要素です。
私たちプロのスタイリストは、これまで解説してきた全ての比較軸を網羅的に理解した上で、お客様の髪を直接診断し、無数の製品の中から「あなただけの一品」を導き出す専門家です。サロン専売品は、市販品とは比較にならないほど、これらの基準が高いレベルで緻密に設計されています。
まとめ
ヘアグリースを比較する際は、単一の視点ではなく、「セット力」「艶感」「成分」といった複数の軸で、多角的に製品を見極めることが重要です。しかし、情報だけで比較検討するのには限界があります。そのための最も確実で効率的な方法が、サロンでプロのカウンセリングを受けることです。ぜひ一度、私たちにあなただけの最高のグリースを見つけるお手伝いをさせてください。