グリースで禿げて見える原因とは?髪を豊かに見せるセットのコツ
ヘアグリースを使って、艶のあるお洒落なスタイリングに挑戦してみたものの、かえって「髪が少なく見える」「地肌が透けて、禿げて見える気がする」と感じ、使うのをやめてしまった。そんな経験をお持ちではないでしょうか。これは、髪のボリュームに悩む男性にとって、非常に深刻でデリケートな問題です。
しかし、どうかご安心ください。あなたがそう感じてしまったのは、決してグリースのせいではありません。それは、スタイリング剤の選び方と、使い方に、ほんの少しだけ誤解があっただけなのです。この記事では、グリースで髪が薄く見えてしまう原因を解明し、それを逆手にとって、髪を豊かに見せるためのプロのスタイリングテクニックを、詳しく解説していきます。
なぜグリースで「禿げて見える」と感じてしまうのか
まず、なぜグリースを使うと髪が薄く見えてしまうことがあるのでしょうか。その原因を正しく理解することが、解決への第一歩となります。
原因1:ウェットな質感が地肌を透けさせる
これが最も大きな原因です。グリースが持つ濡れたようなウェットな質感は、髪の毛同士を接着させ、太い束を作りやすい性質があります。すると、その束と束の間に隙間ができてしまい、そこから地肌が見えやすくなるため、「髪が薄くなった」と感じてしまうのです。
原因2:グリースの重さでボリュームが失われる
グリースは、製品自体にある程度の重さ(ウェイト)があります。そのため、つけすぎてしまったり、髪が細く柔らかい方が重いタイプの製品を使ったりすると、トップの髪が根元から潰れてしまいます。このボリュームダウンが、全体的に髪が少なく、ぺたんこな印象を与えてしまうのです。
「禿げて見えない」グリースの選び方
髪を豊かに見せるためには、まず製品選びの段階から意識することが重要です。
ツヤ感を抑えた、ナチュラルなタイプを選ぶ
強いウェット感は、地肌を透けさせてしまうリスクを高めます。そのため、ツヤが比較的ナチュラルなタイプや、近年増えているハーフマットな質感に仕上がるグリースを選ぶのが、最も簡単な対策となります。
軽やかな使用感のテクスチャーを選ぶ
トップのボリュームダウンを防ぐためには、できるだけ軽やかな使用感のグリースを選ぶことが絶対条件です。ホイップのように軽いものや、少量でもよく伸びるファイバーが配合されたものなどがおすすめです。
髪を豊かに見せるための、プロのセット方法
ここからが本題です。選び抜いたグリースを使い、髪を豊かに見せるための、具体的なスタイリング手順をご紹介します。
ステップ1:【最重要】ドライヤーで根元に空気を含ませる
髪を薄く見せないためのスタイリングは、このドライヤーでのベース作りで9割が決まります。髪を濡らした後、ドライヤーを使い、髪の根元をしっかりと立ち上げ、ふんわりとした土台を作っておきましょう。つむじ周りなど、特に気になる部分は、髪の流れに逆らうように乾かすと、根元に空気が入り、ボリュームアップします。
ステップ2:グリースは「ごく少量」を徹底する
つけすぎは、ボリュームダウンと地肌の透けを助長する最大の敵です。まずは「米粒大」ほどのごく少量を手に取り、手のひらで透明になるまで完全に伸ばしてください。
ステップ3:根元を避け、毛先に細かな動きを付ける
立ち上げた根元を潰さないよう、グリースは必ず中間から毛先にだけ付けることを徹底します。そして、太い束を作るのではなく、指先で毛束を細かくつまみ、「細い束」をたくさん作ることを意識してください。これにより、髪と髪の隙間が埋まり、地肌が透けるのを防ぎながら、立体感のある豊かなスタイルに見せることができます。
あなたの髪の悩みに寄り添う、サロンという選択
髪を豊かに見せるスタイリングは、ご自身の髪質や生え方、骨格など、多くの要素を考慮して行う、非常に専門的な技術です。サロン専売品の中には、「軽いのにセット力が強い」といった、まさに髪のボリュームに悩む方のために開発されたような、高機能な製品も数多く存在します。私たちプロのスタイリストは、最適な製品選びはもちろんのこと、あなたの髪質に合った「薄く見せない」ドライヤーのかけ方から、日々のケア方法まで、マンツーマンで丁寧に指導させていただく専門家です。
まとめ
グリースを使って「禿げて見える」という悩みは、適切な「製品選び」と「正しいセット方法」で、必ず解決することができます。「ドライヤーで根元を立ち上げ、グリースは毛先に少量だけ、細い束を作るように」という基本を守れば、グリースを使いながらでも、髪を豊かに、そしてお洒落に見せることは十分に可能です。もう一人で悩まず、ぜひ一度、サロンで私たちプロの力を借りて、自信の持てるヘアスタイルを手に入れてみませんか。