トリートメントは地肌につけるべき?髪と頭皮のための、正しい知識
日々のトリートメントケアにおいて、髪全体にしっかりとなじませようとするあまり、髪の根元を越えて、地肌にまでつけてしまっていることはありませんか。良かれと思って行ったその行為が、実はべたつきやかゆみといった、思わぬ頭皮トラブルの原因となっているかもしれません。この記事では、多くの方が疑問に思う、トリートメントと地肌の正しい関係性について、その基本を詳しく解説いたします。
原則として、ヘアトリートメントは地肌を避けるべき理由
まず、最も大切な基本ルールとして、一般的な洗い流すタイプの「ヘアトリートメント」は、地肌につけるべきではありません。なぜなら、髪の毛と地肌とでは、その構造も、必要としているケアも全く異なるからです。
地肌は、顔の皮膚とも繋がっている、れっきとした「肌」です。毛穴が存在し、皮脂を分泌することで、自らの潤いを保っています。一方で、ヘアトリートメントは、ダメージを受けた「髪の毛」を補修し、指通りを良くするために、油分やコーティング成分を豊富に含んでいます。これらの成分が地肌の毛穴に詰まってしまうと、正常な皮脂分泌を妨げ、べたつきやフケ、かゆみ、ニオイといった、様々な頭皮トラブルを引き起こす原因となりかねません。
髪への効果を最大限にする、正しい塗布範囲
ヘアトリートメントの効果を、髪に対して最大限に引き出すための正しい塗布範囲は、「髪の中間から毛先」です。特に、ダメージが蓄積しやすい毛先には重点的に、そして残りを髪の中間部分へと伸ばしていくのが理想的な使い方です。この時、髪の根元、つまり地肌からは数センチ離すことを意識するだけで、頭皮への不要な付着を防ぐことができます。健やかな髪は、健康な地肌という土台から育まれるということを、常に心に留めておくことが大切です。
例外:「地肌用」を目的とした特別なトリートメント
ただし、全てのトリートメントが地肌につけてはいけない、というわけではありません。製品の中には、例外的に「地肌(頭皮)につけること」を目的として開発された、特別なトリートメントも存在します。これらは、「スカルプトリートメント」や「頭皮用トリートメント」と呼ばれ、一般的なヘアトリートメントとはその役割も成分も全く異なります。毛穴を詰まらせにくい処方で作られており、地肌そのものを保湿して乾燥を防いだり、マッサージによって血行を促進したり、皮脂バランスを整えたりと、頭皮環境を健やかに保つことを専門としています。
あなたの地肌が本当に求める、本当のケアとは
髪のダメージケアには、ヘアトリートメントを。そして、地肌の乾燥やべたつきといった悩みには、スカルプトリートメントを。このように、ケアしたい対象に合わせて、製品を正しく使い分けることが、髪と地肌、その両方を健やかに保つための鍵となります。ご自身の地肌がどのような状態で、どのようなケアを必要としているのかを、ご自身だけで判断するのは非常に難しいことです。
私たちヘアサロンの専門家は、お客様の髪だけでなく、地肌の状態までを的確に診断し、あなたにとって本当に必要なケアをご提案することを使命としています。サロンでご提供する「ヘッドスパ」は、まさにこの地肌ケアを専門としたメニューです。プロによる診断と、最適なケアで、健やかな髪が育つ最高の土台作りを、ぜひサロンで始めてみませんか。