【剛毛・短髪メンズ】ワックス選びと使い方。その髪、もう爆発させないプロのセット術
髪が硬く、太く、そして量も多い…。
そんな、力強い「剛毛」の髪質を持つあなたは、短髪スタイルでのワックスセットに、日々、苦戦していませんか?
「どんなに強いワックスを使っても、時間が経つと髪が浮いてきてしまう」
「サイドが膨らんで、頭が大きく見えてしまう」
「ワックスを付けても、髪が動かず、ただベタつくだけ…」
その悩み、非常によくわかります。しかし、その力強い髪質は、決して扱いにくいだけの短所ではありません。正しくコントロールする方法さえ知れば、他の髪質では決して表現できない、力強い立ち上がりや、シャープな束感を創り出すことができる**「最強の武器」**になるのです。
この記事では、そんな剛毛の短髪を自由自在に操るための、「ワックスの正しい選び方」と「プロが実践するセット術」を、徹底的に解説します。
なぜ剛毛のセットは難しいのか?まずは“相手”を知る
剛毛のスタイリングが難しいのには、明確な理由があります。
- 強い反発力: 髪一本一本に強いハリとコシがあるため、ワックスで曲げようとしても、元の真っ直ぐな状態に戻ろうとする力が非常に強いのです。
- 圧倒的な毛量: 髪が密集しているため、内側から外側へと押し出す力が働き、どうしても全体のシルエットが横に広がりやすくなります。
つまり、並大抵のワックスのセット力では、この髪の持つ「反発力」と「ボリューム」に、いとも簡単に負けてしまうのです。だからこそ、剛毛を制するための、特別なワックス選びと付け方が必要不可欠になります。
【剛毛の相棒】最強のハードワックスを見極める
あなたの戦いを勝利に導く、最高の相棒(ワックス)を見つけましょう。
絶対条件1:「ハード」以上のセット力
まず大前提として、ファイバータイプ、クリームタイプといった種類の前に、**「ハード」あるいは「スーパーハード」**と表記されている、最もセット力の強いカテゴリから選ぶことが必須です。
絶対条件2:「質感」で選ぶ
ハードタイプの中でも、特におすすめなのが以下の2つです。
- クレイ(マット)タイプ:【最もおすすめ】油分が少なく、ドライでマットな質感が特徴。髪同士を面でしっかりと固め、ホールドする力が非常に強いです。重さで髪が潰れにくく、剛毛のボリュームを抑えつつ、ラフで力強い動きを出すのに最適です。
- ジェルワックス/グリース:強いツヤ感を出しながら、強力に髪を固めたい、あるいは抑えつけたい場合に有効です。サイドをビシッとタイトに抑えたり、七三分けやオールバックのような、クラシックなスタイルに仕上げたりするのに適しています。
軽いファイバーワックスや、セット力の弱いクリームワックスでは、剛毛の力に負けてしまう可能性が高いため、まずは上記のタイプから試してみるのが良いでしょう。
【完全版】剛毛をねじ伏せる!プロのワックスセット術
ここがこの記事の核心です。力でねじ伏せるのではなく、技術でコントロールしましょう。
準備:ドライヤーで“徹底的に”骨格を作る
剛毛のスタイリングは、このドライヤーの工程が全てと言っても過言ではありません。ハードワックスは、ドライヤーで作った「骨格」に、「強力な鎧」を着せるようなものです。
- 抑えたいサイド: 手のひらで、髪の根元を頭皮に押し付けながら(潰しながら)、ドライヤーの温風を当てて、完全に乾かします。
- 動かしたいトップ: 髪の根元を、指で持ち上げたり、擦ったりしながら乾かし、しっかりと立ち上がりのクセをつけておきます。
STEP 1:量はいつもより“少しだけ”多めに
毛量が多い分、通常の髪質の人よりは少し多め(小豆一粒大〜)が必要になります。ただし、付けすぎると重さの原因になるので、あくまで「少しだけ」多く、という意識が重要です。
STEP 2:手のひらで“これでもか”と、しっかり伸ばす
硬めのワックスが多いため、体温でしっかりと溶かし、完全に透明な膜になるまで、手のひらと指の間によく伸ばしてください。
STEP 3:根元に“叩き込む”ように、そして“抑え込む”ように
まず、動かしたいトップ部分の髪の内側、根元を狙って、下から持ち上げるようにワックスを擦り込み、土台をしっかりと固めます。
次に、抑えたいサイドは、ワックスを付けた手のひらで、上からプレスするように撫でつけ、浮きを抑えます。
STEP 4:最後に“つまみながら”毛束を創る
全体にワックスが馴染んだら、最後に指先に残ったワックスで、毛束を少しひねるようにつまみ、シャープな動きや、全体のシルエットを微調整して完成です。
ワックスだけでは限界…そんな時のための「プロの仕掛け」
ここまでセット術をご紹介しましたが、「それでも、どうしても髪が浮いてしまう…」という方もいるでしょう。その悩み、私たちプロの技術で、根本から解決できます。
- カットによる、緻密な「毛量調整」剛毛を扱いやすくする最大の鍵は、実はプロによるカットにあります。私たちは、ただすきバサミで梳くのではなく、お客様の骨格や髪の生え方を見極め、表面のツヤは残しつつ、髪の内側でボリュームの原因となっている部分だけを、的確に取り除くことで、髪そのものを扱いやすく変えていきます。
- 究極の解決策「パーマ」どうしても浮いてしまうサイドの髪を、根元から抑え込む**「ダウンパーマ」。あるいは、硬くてゴワゴワした髪質そのものを、柔らかく扱いやすい質感へと変える「ニュアンスパーマ」**。これらのパーマ技術は、あなたの毎朝のワックスセットを、信じられないほど楽なものに変えてくれます。
まとめ
あなたのその力強い剛毛は、決して悩みではなく、他の人にはない「個性」であり、使い方次第で「武器」にもなります。
その力をコントロールするには、まずクレイタイプなどの強力なハードワックスを選び、そして、ドライヤーで形を作り、根元に叩き込むように付ける、という正しいテクニックをマスターすることが重要です。
しかし、その全ての土台となり、日々のスタイリングを根本から楽にするのは、あなたの髪質を完璧に理解し、コントロールする、プロの理容師による「緻密なカット」と「的確なパーマ提案」に他なりません。
もう、毎朝、言うことを聞かない髪と格闘するのは終わりにしませんか?
その力強い個性を、誰もが羨む「かっこよさ」に変えるお手伝いを、ぜひ私たちにお任せください。