トリートメントの「洗い残し」が招くトラブルとは?髪と肌を守る、正しいすすぎ方
髪のダメージを補修し、なめらかな指通りと潤いを与えてくれる、ヘアケアの必需品「トリートメント」。その効果を実感するために、日々の習慣として取り入れている方も多いかと存じます。しかし、良かれと思って行っているそのケアが、もし、不十分な「洗い流し」によって、かえって髪や肌のトラブルを引き起こしているとしたら、本末転倒です。ここでは、意外と見過ごされがちな、トリートメントの「洗い残し」がもたらすリスクと、その効果だけを享受するための、プロフェッショナルなすすぎの技術について詳しく解説いたします。
なぜ、「洗い残し」は起きてしまうのか
トリートメントの洗い残しが起こる原因は、非常にシンプルです。その多くは、すすぎにかける「時間」の不足や、洗い流す際の「意識」の欠如にあります。髪に成分を浸透させたいという思いから、あえて少しぬめり感を残した方が良い、と誤解されている方もいらっしゃるかもしれません。また、髪そのものにばかり意識が向き、頭皮や生え際、そして背中といった、トリートメントが流れ落ちていく部分へのすすぎが、おろそかになってしまうことも少なくありません。
「洗い残し」が引き起こす、髪と肌への影響
トリートメント剤が、髪や肌に必要以上に残留してしまうと、様々なトラブルの引き金となる可能性があります。
髪への影響:べたつきと、質感の悪化
トリートメントに含まれる油分やコンディショニング成分が髪に過剰に残ると、乾かした後も、髪が重く、べたついた質感になってしまいます。根元がふんわりと立ち上がらず、せっかくのヘアスタイルが台無しになるだけでなく、髪がホコリなどを吸着しやすくなり、かえって不潔な印象を与えてしまうこともあります。
頭皮への影響:かゆみやフケ、毛穴詰まり
本来、髪の毛のために設計されているトリートメントが、頭皮に長時間残留すると、毛穴を塞いでしまい、かゆみや炎症、そして、べたっとした脂性のフケといった、深刻な頭皮トラブルの原因となり得ます。
肌への影響:背中や顔の、肌荒れの原因に
そして、特に注意したいのが、頭皮以外の肌への影響です。トリートメントを洗い流す際、その成分は、首すじや背中、そして顔のフェイスラインを伝って流れていきます。この時にすすぎが不十分だと、油分を多く含むトリートメント成分が肌の毛穴を塞ぎ、多くの方が悩まされる「背中ニキビ」や、生え際の吹き出物の、直接的な原因となるのです。
トラブルを防ぐ、プロフェッショナルな「すすぎ」の技術
では、洗い残しを防ぎ、トリートメントの効果だけを髪に届けるためには、どのように洗い流せば良いのでしょうか。
すすぎの目安は「ぬめり」が消えるまで
まず、最も大切な目安は、髪の表面に残る、特有の「ぬめり感」です。このぬめり感が、髪表面の余分な成分のサインです。指で髪を優しくなでるようにしながら、このぬめり感がなくなり、髪の芯に、しっとりとした潤いだけが感じられる状態になるまで、ぬるま湯で、時間をかけて丁寧にすすぎましょう。
髪の根元から、指を通して洗い流す
すすぐ際は、ただシャワーを当てるだけでなく、髪の根元から毛先に向かって、ご自身の指を、目の粗いコームのように、優しく通しながら洗い流すと、より効果的です。
生え際、襟足、そして背中までを意識する
髪だけでなく、トリートメントが付着した可能性のある、顔の生え際や耳の後ろ、襟足、そして首すじや背中といった部分も、シャワーで意識的に洗い流す習慣をつけましょう。洗髪とトリートメントを終えた後に、身体を洗うという順番を徹底することも、肌トラブルを防ぐ上で非常に有効です。
正しい「終わり方」が、最高のケアを完成させる
トリートメントという、髪への栄養補給の効果は、その後の、正しい「すすぎ」というデトックスの工程を経て、初めて完成します。高品質なトリートメントは、髪に必要な成分は内部にしっかりとどまり、不要な成分はスムーズに洗い流せるよう、緻密に処方設計されています。あなたのヘアケアを、最高の形で締めくくるために。ぜひ一度、私達にご相談ください。