なめらかな指通りを叶えるシャンプー選び|髪の質感が変わる、プロの視点
シャンプーで髪を洗っている時、あるいは乾かした後の髪に手を入れた時。するん、と、何の抵抗もなく指が滑らかに通り抜けていく感覚は、それだけで髪が健やかであることの証であり、非常に心地よいものです。しかし、その一方で、「洗っている最中に髪が絡まる」「乾かしても、どこか手触りがごわつく」といった、「指通り」の悪さに、日々の小さなストレスを感じている方も少なくないのではないでしょうか。そのお悩みは、毎日のシャンプー選びを見直すことで、解決へと導くことができるかもしれません。
「指通り」の良し悪しを決める、髪のキューティクルとは
そもそも、髪の「指通り」の良し悪しは、何によって決まるのでしょうか。その鍵を握っているのが、髪の最も外側を覆っている「キューティクル」という組織です。キューティクルは、魚のうろこのように、何枚もの薄い層が根元から毛先に向かって規則正しく重なり合うことで、髪の内部を守り、表面にツヤとなめらかさを与えています。健康な髪では、このキューティクルが整然と閉じているため、指がスムーズに通り抜けていくのです。しかし、ヘアカラーやパーマ、ドライヤーの熱、あるいは洗浄力の強すぎるシャンプーといった日々のダメージが蓄積すると、このキューティクルが剥がれたり、逆立ったりしてしまいます。この表面の乱れこそが、髪のごわつきや引っかかり、すなわち「指通りの悪さ」の直接的な原因となります。
なめらかな指通りを実現する、シャンプー選びの条件
一度乱れてしまったキューティクルを整え、誰もが憧れるなめらかな指通りを取り戻すためには、シャンプー選びに、明確な目的意識を持つことが重要です。
髪を傷つけずに洗う、マイルドな洗浄成分
指通りを改善するための大前提は、日々の洗浄で、これ以上キューティクルにダメージを与えないことです。髪や頭皮への負担が少なく、うるおいを守りながら穏やかに洗い上げる「アミノ酸系」などのマイルドな洗浄成分を主としたシャンプーを選びましょう。髪への優しさを第一に考えることが、すこやかな髪への第一歩です。
キューティクルを補修し、表面を整える成分
傷つき、剥がれてしまったキューティクルを補修し、髪の表面を滑らかな状態へと導いてくれるケア成分にも注目しましょう。髪の内部構造を補強するケラチンや、キューティクルのリフトアップを抑えるシルクといった補修成分、あるいは、髪一本一本を薄いヴェールで包み込み、質感を向上させる保湿成分などが、その代表格です。
シリコンの役割と、ノンシリコンという選択
シリコンは、髪の表面をコーティングし、即座に優れた指通りを実現する、非常に有効な成分です。ダメージが深刻で、まずは手触りを良くしたい、という方には適しています。一方で、高品質なノンシリコンシャンプーは、シリコンのコーティングに頼るのではなく、上記でご紹介したような補修・保湿成分の働きによって、髪そのもののコンディションを内側から整え、素髪の持つ、自然で美しい指通りを目指す、というアプローチを取ります。
シャンプー後のケアで、指通りはさらに変わる
シャンプー選びと合わせて、その後のケアにも少しだけ意識を向けることで、髪の質感はさらに向上します。
トリートメントによる、キューティクルの集中ケア
シャンプー後の、栄養を受け入れやすい状態になった髪に、トリートメントで集中的にケア成分を補給することは、キューティクルを整え、なめらかな状態を維持するために非常に効果的です。
ドライヤーの風の当て方一つで、質感が向上
髪を乾かす際は、必ず、根元から毛先に向かって、キューティクルの流れに沿うようにドライヤーの風を当てましょう。この一手間が、キューティクルをきれいに閉じさせ、見違えるようなツヤとなめらかな指通りを生み出します。
触れるたびに心地よい、自分史上最高の髪へ
なめらかな指通りは、見た目の美しさだけでなく、日々の心地よさや、自信にも繋がります。ご自身の髪がなぜ指通りが悪いのか、その原因を的確に把握し、最適なケア成分が配合されたシャンプーを選ぶこと。それが、理想の質感への最短距離です。私達、髪の専門家は、お客様一人ひとりのキューティクルの状態を的確に診断し、あなた史上最高の指通りを叶えるためのお手伝いをさせていただきます。