ドライヤーの冷風とワックスの関係性|スタイルを一日中キープするプロの技
ご自宅でヘアスタイリングをする際、皆様は、ドライヤーに搭載されている「冷風」機能を、有効に活用できていらっしゃるでしょうか。「髪を乾かすのは温風」というイメージが強いため、冷風機能は、ほとんど使ったことがない、という方も多いかもしれません。しかし、実はこの冷風こそが、ワックスで創り上げたヘアスタイルを、一日中崩れない、強固なものへと昇華させるための、プロが使う「秘密兵器」なのです。この記事では、ドライヤーの冷風とワックスの、知られざる関係性について詳しく解説いたします。
なぜ、スタイリングに「冷風」が不可欠なのか
スタイリングにおいて、冷風がなぜそれほどまでに重要な役割を果たすのか。その答えは、髪の毛が持つ、基本的な性質に隠されています。
髪の毛は、タンパク質でできており、「熱が加えられると柔らかく、形がつきやすくなり、そして、冷める瞬間にその形が固定される」という、形状記憶に近い性質を持っています。プロのスタイリストは、この性質を完璧に利用し、ドライヤーの「温風で形を創り、冷風で形を固定する」というプロセスを、無意識のうちに、そして正確に実践しているのです。温風だけでスタイリングを終えてしまうと、髪の形が完全に固定されないまま、すぐに重力や湿気の影響を受けてしまい、スタイルが崩れる原因となります。
プロが実践する、「冷風」を操る正しいタイミング
それでは、具体的に、どのタイミングで、どのように冷風を使えば良いのでしょうか。その最適なタイミングは、ワックスをつける前の「ドライヤーでのベース作り」の段階にあります。
1.温風で、髪型の「土台」を創り上げる
まず、髪を濡らした状態から、ドライヤーの温風を使い、なりたいヘアスタイルの土台を創り上げていきます。トップの根元を立ち上げたり、サイドの膨らみを抑えたり、前髪の毛流れを整えたりと、髪型の骨格を、この段階で8割方完成させてください。
2.「冷風」に切り替え、創った形を記憶させる
全体の形が決まったら、いよいよ冷風の出番です。例えば、トップの根元を立ち上げたのであれば、その形を指や手ぐしでキープしたまま、根元に10秒ほど、冷風を当てて熱を冷まします。サイドを抑えたのであれば、手のひらで髪を押さえつけながら、同様に冷風を当てます。この「温めて、冷やす」という一手間が、髪に強い形状記憶効果をもたらし、ワックスをつけなくても、ある程度スタイルが維持できるほどの、強固な土台を創り上げてくれるのです。
冷風で創った土台を、ワックスで「仕上げる」
ドライヤーの温風と冷風を駆使して、完璧な土台が完成した状態で、初めてワックスを手に取ります。ワックスの役割は、この強固な土台の上に、「束感」や「動き」といった質感を加え、スタイルをさらに高いレベルで、そして一日中完璧にキープすることです。土台がしっかりとしているため、ワックスはごく少量で済み、ベタついたり、重くなったりする失敗も、未然に防ぐことができます。
最高の技術は、最高の「土台」と「道具」から
これまで、ドライヤーの冷風がいかに重要であるかを解説してまいりました。このプロの技術を、ご自宅でより高いレベルで実現させてくれるのが、高品質なスタイリング剤です。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、ドライヤーで創った繊細なシルエットや空気感を損なうことなく、狙った質感だけを的確に表現できるように、処方が徹底的に研究されています。
お客様一人ひとりの髪質や骨格に合わせて、そもそもスタイリングがしやすいように緻密に計算されたベースカットと、それを最大限に活かすための、ドライヤー技術、そして最高のワックス。その全てをご提供させていただくことこそ、私達の役割です。ぜひ一度、その違いをサロンでご体感ください。