ワックスで横髪を抑える方法|膨らみを解消するプロの技術
ヘアスタイル全体のシルエットを美しく、そしてバランス良く見せる上で、実は最も重要なパーツの一つが「横髪(サイドの髪)」です。トップにどれだけ完璧な束感を創り、前髪を理想通りに流しても、横髪が膨らんでしまっていては、頭が大きく見えてしまい、全体の印象が台無しになってしまいます。「ワックスをつけても、時間が経つと横髪が浮いてきてしまう」というこのお悩みは、髪質や骨格を問わず、非常に多くの方が抱えています。この記事では、膨らみがちな横髪を、ワックスを使って一日中タイトに抑えるための、プロが実践する具体的なテクニックを詳しく解説いたします。
なぜ、あなたの「横髪」は膨らんでしまうのか
横髪が膨らんでしまう原因は、主に二つ考えられます。一つは、日本人の骨格に多いとされる、側頭部、いわゆる「ハチ」が張っていること。もう一つは、髪が伸びてくる過程で、根元が立ち上がろうとする、髪本来の生え癖です。多くの方が、この膨らみをワックスの力だけで無理に抑え込もうとして、髪がベタつくだけで、根本的な解決に至らない、という失敗を繰り返してしまっています。
プロが実践する、「横髪」を完璧に抑えるスタイリング術
横髪を完璧に、そして一日中タイトに抑えるための秘訣は、ワックスをつける前の「準備段階」にこそ隠されています。ワックスは、あくまでその状態をキープするための、最後の仕上げなのです。
1.主役は「ドライヤー」。熱と風で、根元を矯正する
横髪をタイトに抑えるための、最も重要な工程が「ドライヤー」です。髪は、熱が加えられて、冷める瞬間に形が記憶されるという性質を持っています。この原理を最大限に活用します。
まず、スタイリングを始める前に、サイドの髪を根元からしっかりと濡らします。その後、抑えたい部分の髪の根元に、ドライヤーの温風を上から下へと当てます。ここでのポイントは、ドライヤーを持っていない方の手のひらで、髪をピタッと頭皮に押さえつけながら風を当てることです。髪の根元が熱で柔らかくなったら、手のひらで押さえつけたまま、ドライヤーの風を冷風に切り替えます。10秒ほど冷風を当てることで、根元が下向きに矯正された状態で形が記憶され、膨らみにくい強固な土台が完成します。
2.ワックスの選び方と、正しい付け方
ドライヤーで完璧な土台を作ったら、次はその状態をキープするためのワックス選びと、その付け方が鍵となります。サイドを抑える目的の場合、適度な油分とセット力があり、髪をしっとりとまとめ上げる「クリームタイプ」や「ジェルワックス」、あるいは「グリース」などが適しています。
ワックスを手のひらによく伸ばしたら、ドライヤーで創った毛流れに逆らわず、髪の表面を上から下へと撫でつけるようにして、薄く均一に塗布します。この時、根元からワックスをつけすぎたり、下から上へ持ち上げるようにつけたりすると、せっかく抑えた根元が再び立ち上がってしまうため、絶対に避けてください。
根本的な解決策としての「ヘアカット」
これまでにご紹介したテクニックは非常に効果的ですが、そもそもサイドが膨らみやすい骨格や髪質の場合、日々のスタイリングをさらに簡単にするための根本的な解決策は、サイドを抑えやすいように計算されたベースカットにあります。
例えば、内側の髪を短く刈り上げる「ツーブロック」のスタイルは、サイドのボリュームを物理的になくすため、最も効果的な方法の一つです。私達プロのスタイリストは、お客様一人ひとりの骨格や髪質を見極め、膨らみを抑えつつも全体のバランスが最も美しく見えるようなカットデザインをご提案いたします。
そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から最適な一品を選び出し、ご自宅で簡単に再現できるプロの技術を直接お伝えすること。それこそが、私達の役割です。サイドの膨らみに関するお悩みは、ぜひ一度、私達にご相談ください。