ワックスの「ホールド力」とは?スタイルを維持する力の正体
ヘアワックスを選ぶ際に、必ずと言っていいほど目にする「セット力」や「ホールド力」といった言葉。これらの言葉が、なんとなく「髪型を固める力」を指していることは理解していても、その正確な意味や、ご自身のスタイルにどの程度の力が必要なのかを、深く考えたことはないかもしれません。特に「ホールド力」は、創り上げたスタイルを一日中、美しいまま維持するために、極めて重要な性能です。この記事では、ワックスにおける「ホールド力」の本当の意味と、その選び方について詳しく解説いたします。
ワックスにおける「ホールド力」の本当の意味
まず、ヘアワックスにおける「ホールド力」とは、ワックスやドライヤーによって創り上げたヘアスタイルを、時間が経っても崩れないように維持・保持する力のことを指します。しばしば「キープ力」という言葉と、ほぼ同じ意味で使われます。
よく似た言葉に「セット力」がありますが、こちらは、髪を思い通りの形に創り上げる「操作性」と、その形を維持する「ホールド力」を総合した、より広い意味で使われることが一般的です。つまり、ホールド力は、セット力という大きな枠組みの中に含まれる、スタイルの「持続性」に特化した性能、とご理解ください。
「ホールド力」の強さを決めるワックスのタイプ
ワックスのホールド力は、その製品のタイプによって大きく異なります。どのようなタイプのワックスが、特に高いホールド力を備えているのでしょうか。
最も高いホールド力を誇る「クレイワックス」「マットワックス」
一般的に、最も高いホールド力を発揮するのが、ツヤを抑えたドライな質感に仕上がるクレイワックスやマットワックスです。これらのワックスは、主成分であるクレイ(泥)などが、髪の余分な油分や湿気を吸収し、力強く髪を固め、創り上げたスタイルをがっちりと固定します。髪が硬くて太い方や、ベリーショートで髪を立ち上げるスタイルなど、絶対に崩したくない場面で、その真価を発揮します。
穏やかなホールド力を持つ「クリームワックス」「ヘアバーム」
一方で、クリームワックスやヘアバームといった、ナチュラルな仕上がりを得意とするスタイリング剤は、ホールド力は比較的穏やかです。これらは、スタイルを強力に維持するというよりも、髪の広がりを抑え、自然なまとまりや毛流れを創り出すことを目的としています。
高い「ホールド力」を最大限に引き出す、プロのスタイリング術
ホールド力の高いワックスを選んだとしても、その使い方を間違えてしまっては、性能を最大限に引き出すことはできません。
1.ドライヤーで髪型の「土台」を創る
まず、ワックスをつける前のドライヤーの段階で、なりたいヘアスタイルの8割を完成させてください。ワックスのホールド力は、このドライヤーで創った髪の立ち上がりや毛流れといった「土台」を、維持するために使われます。
2.ヘアスプレーで、さらにホールド力を高める
ワックスで全体の形を整えた後、最後の仕上げとして、キープ力の高いヘアスプレーを髪全体に軽く吹きかけることで、スタイルのホールド力は劇的に向上します。スプレーの樹脂成分がスタイル全体をコーティングし、湿気や風といった外部の刺激から髪型を守ってくれます。
あなたに最適な「ホールド力」をサロンで見つけませんか
これまでホールド力について解説してまいりましたが、プロが求める「本物」のホールド力とは、単に硬く固まることではありません。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、強力なホールド力を持ちながらも、驚くほど軽やかで、髪が重くなりません。そして、時間が経ってもベタつくことなく、それでいてシャンプーの際にはスムーズに洗い流せる。こうした、相反する要素を極めて高いレベルで両立していることこそ、プロが選び続ける理由です。
お客様の髪質と理想のスタイルを、一日中最高の状態で維持するための一品を、私達が責任を持ってお選びいたします。ぜひ一度、その違いをご体感ください。