ヘアワックスの正しい保存方法|品質を長持ちさせるための基礎知識
お気に入りのヘアワックスを、最後まで最高のコンディションで使い切りたい。それは、スタイリング剤を愛用する、すべての方が抱く願いかと存じます。しかし、多くの方が、ワックスの「選び方」や「使い方」にはこだわっても、購入した後の「保存方法」については、意外と無頓着であるのが現状です。実は、ワックスの保存方法一つで、その品質や使用感は大きく変わってしまいます。この記事では、ヘアワックスの性能を損なうことなく、長持ちさせるための正しい保存方法について、詳しく解説いたします。
なぜワックスの「保存方法」が重要なのか
ヘアワックスは、ロウ成分やオイル、水分、そして様々なスタイリング成分が、絶妙なバランスで配合されている、非常にデリケートな製品です。不適切な環境下で保存してしまうと、このバランスが崩れ、様々な品質の劣化を引き起こしてしまいます。例えば、成分が分離してしまったり、乾燥して硬くなったり、あるいは油分が酸化して不快な匂いを発生させたり。こうした劣化は、ワックス本来のセット力を損なうだけでなく、髪や頭皮への負担となる可能性も否定できません。正しい保存方法を実践することは、スタイリングの質を高め、製品を安全に使い切るための、重要な習慣なのです。
ワックスの品質を損なう、避けるべき三つの環境
それでは、ワックスを保存する上で、具体的にどのような環境を避けるべきなのでしょうか。
1.直射日光と高温になる場所
まず、最も避けるべきなのが、直射日光が当たる場所や、高温になる場所です。窓際や、夏場の車内などは、その代表例です。ワックスは熱に弱く、高温に晒されると、中のロウ成分やオイルが溶けて、成分が分離してしまうことがあります。一度分離してしまうと、元の均一な状態に戻すことは困難です。また、高温や紫外線は、成分の酸化を促進させ、製品の劣化を早める大きな原因となります。
2.浴室などの高温多湿な場所
お風呂場や、湿気の多い洗面台などにワックスを置いている方も多いかもしれませんが、これも避けるべき保存環境です。高い湿度は、容器内に雑菌やカビが繁殖する原因となり得ます。衛生的で安全な状態を保つためにも、湿度の高い場所での保管は避けましょう。
3.蓋の開けっ放し
使用後に、うっかり蓋を開けっ放しにしてしまうことも、品質を損なう大きな原因です。ワックスが長時間空気に触れることで、水分の蒸発による乾燥や、酸化による劣化が進行します。また、空気中のホコリや雑菌が混入する原因ともなります。
ヘアワックスの「最適な保存場所」とは
ワックスを保存するための最適な場所、それは、一言で言えば「冷暗所」です。つまり、直射日光が当たらず、温度変化が少なく、湿度の低い、涼しい場所。具体的には、ご自身の部屋の棚や引き出しの中、あるいは、洗面台の鏡の裏にある収納スペースなどが、最適な保存場所と言えるでしょう。
基本的な習慣こそが、品質を保つ秘訣
これまで、ワックスの保存方法について解説してまいりましたが、その基本は、非常にシンプルです。それは、「使用後は、必ずすぐに、そして、きちんと蓋を閉め、適切な場所に戻す」という、日々の基本的な習慣を徹底すること。この小さな心掛けが、あなたのお気に入りのワックスを、最後まで最高の状態で保つための、最も効果的な方法なのです。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、その品質が長期間安定して維持されるように、基材となる成分の選定や、容器の密閉性にまで、徹底したこだわりを持って開発されています。製品の正しい保存方法など、ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に、髪の専門家である私達にご相談ください。