ワックスでセットした髪が「へたる」方へ|一日中スタイルを維持するプロの技術
朝、時間をかけて髪を立ち上げ、完璧にセットしたはずのヘアスタイルが、午後になると力なく「へたる」、あるいはペタッと潰れてしまう。そんな、がっかりした経験はございませんでしょうか。スタイルの持続性に関するこのお悩みは、特に髪が柔らかい方や、湿気の多い季節に、多くの方が抱える共通の課題です。この記事では、ワックスでセットした髪がへたってしまう根本的な原因を解明し、一日中理想のスタイルを維持するための、プロが実践する具体的な解決策について詳しく解説いたします。
なぜ、あなたのヘアスタイルは「へたる」のか
セットした髪がへたってしまう原因は、一つだけではありません。「スタイリング剤の選択」「スタイリングの方法」そして「外部環境の影響」という、三つの要素が関係しています。しかし、その中でも、最も大きな原因は、ワックスをつける前の「準備段階」、すなわち、スタイルの土台作りに潜んでいることがほとんどです。
最大の原因:ワックスだけでスタイルを支えようとしている
多くの方が陥りがちなのが、ワックスのセット力だけに頼って、ヘアスタイルを維持しようとすることです。ワックスは、あくまでドライヤーなどで創り上げた髪型の土台をキープし、質感を加えるための仕上げ剤です。土台そのものが脆弱であれば、どんなに強力なワックスを使ったとしても、時間と共に重力や湿気に負け、スタイルは必ずへたってしまいます。
プロが実践する、「へたらない」スタイルの作り方
それでは、プロはどのようにして、風にも湿気にも負けない、一日中へたらない強固なスタイルを創り上げているのでしょうか。その秘訣は、ワックスをつける前の「ドライヤー」と、最後の「仕上げ」にあります。
1.ドライヤーで髪の「根元」に立ち上がりのクセをつける
スタイルの持続性を左右する、最も重要な工程が「ドライヤー」です。髪を乾かす際に、なりたいヘアスタイルの毛流れとは逆の方向から根元に温風を当てて立ち上げ、その後、本来の毛流れの方向に風を当てて整えます。そして、形が決まったら、冷風を当ててスタイルを固定します。この「温めて、冷やす」というプロセスによって、髪の根元に力強い立ち上がりのクセが記憶され、スタイルがへたりにくい、強固な土台が完成します。
2.「軽い」のに「セット力が高い」ワックスを選ぶ
創り上げた土台を維持するためには、ワックス選びも重要です。髪がへたりやすい方は、油分が多く重たいワックスを避け、ドライな質感で軽く、それでいてセット力が高いマットワックスやクレイワックスを選ぶことをおすすめします。これらのワックスは、髪に余計な重さを与えることなく、スタイルを力強く支えてくれます。
3.最後の仕上げに「ヘアスプレー」を活用する
そして、スタイルを絶対にへたらせたくない、という日のためのプロの最終兵器が「ヘアスプレー」です。ワックスで全体の形を整えた後、最後の仕上げとして、キープ力の高いヘアスプレーを髪全体に軽く吹きかけます。スプレーの樹脂成分が、創り上げたスタイル全体をコーティングし、湿気や汗の侵入から髪を守り、物理的にスタイルを固定してくれます。
最高のスタイルは、最高の「土台」と「道具」から
これまで、髪がへたるのを防ぐための方法をご紹介してまいりました。しかし、その大前提として、お客様一人ひとりの髪質や骨格に合わせて、根元が立ち上がりやすく、ボリュームが出やすいように緻密に計算されたベースカットが施されていなければ、日々のスタイリングは難しいものになってしまいます。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単にスタイリングできるよう、カットの段階からデザインを創り上げます。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から、軽さ”と”強力なキープ力”を両立した最適なワックスを選び出し、プロの技術を直接お伝えさせていただきます。
もう、午後の鏡に映る自分に、がっかりする必要はございません。ぜひ一度、その違いをサロンでご体感ください。