ワックスをつけたまま寝るのはNG?髪と頭皮が一晩で受ける影響
一日の活動を終え、ベッドに入ろうとする時、「今日は疲れたから、ワックスをつけたまま寝てしまおう」と、髪を洗わずに眠ってしまった、あるいは、そうしたいと思った経験はございませんでしょうか。しかし、その一晩の選択が、あなたの髪と頭皮の健康に、どのような影響を及ぼすかを、深く考えたことはありますか。この記事では、ワックスをつけたまま寝ることが、なぜ推奨されないのか、その科学的な理由と、健やかな髪を維持するための正しい夜の習慣について詳しく解説いたします。
なぜ、ワックスをつけたまま「寝る」のが良くないのか
結論から申し上げますと、ヘアワックスをつけたまま寝ることは、髪と頭皮の健康にとって、多くのデメリットをもたらすため、絶対に避けるべき習慣です。その最大の理由は、スタイリング剤が、日中の様々な汚れと共に、睡眠中の髪と頭皮の健やかな休息と再生を妨げてしまうからです。
睡眠中の頭皮:一日の汚れが引き起こすトラブル
日中の活動で、髪についたワックスは、ご自身の皮脂や汗だけでなく、空気中に浮遊するホコリや花粉、排気ガスといった、目に見えない無数の汚れを吸着しています。いわば、ワックスは汚れを捕まえる粘着テープのような役割を果たしてしまっているのです。
その汚れたワックスが頭皮に残ったままの状態で、体温と枕によって温められた環境で長時間過ごすことは、雑菌にとって絶好の繁殖機会を与えているのと同じです。これが、毛穴の詰まりや炎症を引き起こし、フケやかゆみ、ニキビといった頭皮トラブルの直接的な原因となります。頭皮も顔の肌と同様に、一日の終わりには清潔な状態にリセットし、休息させてあげることが不可欠です。
睡眠中の髪:摩擦による物理的ダメージ
ワックスがついた状態の髪は、何もつけていない素髪の状態に比べて、一本一本が硬く、ゴワついています。その状態で枕に頭を乗せ、何時間も寝返りを打つと、髪と枕との間で、通常よりもはるかに大きな摩擦が生じます。この過度な摩擦が、髪の表面を覆うキューティクルを傷つけ、剥がれさせてしまうのです。この日々のダメージの蓄積が、枝毛や切れ毛といった、髪の傷みに直結していきます。
「夜の洗髪」は、最高のヘアケアである
健やかな髪と頭皮を保つための最も効果的で、そして基本的な習慣は、一日の終わりに、その日の汚れをその日のうちに、完璧に洗い流すことです。夜に洗髪を行うことは、単にワックスを落とすというだけでなく、頭皮の血行を促進し、髪の成長に必要な清潔な環境を整えるという、最高のヘアケアでもあるのです。そして、清潔な髪で朝を迎えれば、翌日のスタイリングが、より一層スムーズで、美しい仕上がりになることは言うまでもありません。
スタイリングとケアを両立する「サロン」という選択
日中のスタイリングを存分に楽しみ、そして夜には、髪と頭皮に負担をかけることなく、優しくリセットする。この理想的なサイクルを実現するためには、スタイリング剤自体の品質も大きく影響してきます。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、優れたスタイリング性能はもちろんのこと、日々の洗髪で髪や頭皮に負担をかけないよう、「洗い流しやすさ」までを緻密に計算して開発されている製品が豊富にございます。
最高のスタイルと、健やかな髪。その両方を手に入れたいと願う方は、ぜひ一度、髪の専門家である私達にご相談ください。