ワックスで創る「センター分け」|お洒落なスタイルに仕上げるプロの技術
メンズヘアスタイルの定番として、今や完全に定着した「センター分け」。ナチュラルでありながら、知性や色気を感じさせるこの髪型は、多くのお洒落な方々が取り入れています。しかし、ご自身で挑戦してみたものの、「ただ真ん中で分けただけになってしまう」「トップがペタッと潰れて、お洒落に見えない」といったお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、ワックスを使って、まるでサロンで仕上げたような洗練されたセンター分けスタイルを創り出すための、具体的な方法と秘訣について詳しく解説いたします。
センター分けが「お洒落に見えない」最大の理由
ご自宅でのセンター分けスタイルが上手くいかない最大の理由は、ワックスの力だけで髪型を創ろうとしている点にあります。特にセンター分けという髪型は、トップの自然な「立ち上がり(ボリューム)」と、顔周りに流れる「毛流れ」が命です。これらは、ワックスをつける前の**「ドライヤー」**の工程で、その土台が創られていなければ、決して美しく再現することはできません。ワックスは、あくまでドライヤーで創った形をサポートするための仕上げ剤なのです。
成功の鍵を握るドライヤーでのベース作り
洗練されたセンター分けを創るための、最も重要なプロセスがドライヤーです。髪の根元の方向性をコントロールし、必要な場所にボリュームを与えるための、プロが実践するテクニックをご紹介します。
1.まず、全ての髪を「前」に向かって乾かす
スタイリングを成功させるために、まずは髪全体を根元からしっかりと濡らし、一度リセットします。その後、ドライヤーの風を後ろから当て、全ての髪が顔の方向に向かって流れるように、手ぐしで前に向かって乾かしていきます。この工程が、生え癖をリセットし、トップに自然なボリュームを生み出すための土台となります。
2.分け目を作り、根元に「立ち上がり」をつける
全体の髪が8割ほど乾いたら、指やコームで分けたい位置に分け目を作ります。そして、その分け目の左右の髪の根元に、下からドライヤーの温風を送り込み、指で根元を少し持ち上げるようにして立ち上がりをつけます。根元が十分に温まったら、その状態をキープしたまま、ドライヤーを冷風に切り替えて熱を冷まします。これにより、根元の立ち上がりが形状記憶され、トップが潰れない力強いベースが完成します。
センター分けに最適なワックスの選び方と付け方
完璧な土台が出来上がったら、いよいよワックスで質感を加えていきます。センター分けスタイルは、固めすぎない、あくまで自然な仕上がりが求められます。
ナチュラルな質感のワックスを選ぶ
セット力が強すぎるハードワックスや、ツヤが出すぎるグリースなどは、センター分けの持つナチュラルな魅力を損なってしまう可能性があります。おすすめは、固めすぎずに自然な毛流れとまとまりを創り出せる**「クリームタイプ」や「ソフトワックス」、あるいは髪に潤いを与える「ヘアバーム」**などです。
ワックスは「中間から毛先」に、ごく少量を
手に取るワックスの量は、小豆一粒大のごく少量で十分です。手のひら、指の間まで透明になるまでしっかりと伸ばしたら、ドライヤーで創った根元の立ち上がりを潰さないように、髪の中間から毛先を中心に、手ぐしを通すように優しく馴染ませます。前髪は、指先に残った僅かなワックスで、束感と毛流れを整える程度に留めるのが、お洒落に仕上げるためのコツです。
最高のスタイルは「カット」と「プロのアドバイス」から
これまでにご紹介したテクニックを実践すれば、ご自宅でのスタイリングの質は格段に向上するはずです。しかし、そもそもお客様一人ひとりの髪質や骨格に合わせた**「センター分けがしやすいカット」**が施されていなければ、日々のスタイリングの難易度は上がってしまいます。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単に理想のスタイルを再現できるよう、緻密に計算してカットを施します。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な**「サロン専売品」**の中から最適な一品を選び出し、目の前で実践しながら、マンツーマンで正しいスタイリング方法を丁寧にお伝えさせていただきます。
もう、ただ分けただけのスタイルで終わらせないために。本物の技術と品質を、ぜひ一度サロンでご体感ください。