【理容師が伝授】いつもの洗髪を格上げする7つのコツ。今日からできるプロの技
毎日当たり前のように行っている洗髪。その時間を「ただの作業」として、何となく終わらせてしまってはいませんか。実は、ほんの少しの「コツ」を意識していただくだけで、いつものシャンプーが頭皮と髪を深くいたわる上質なケアの時間に変わり、洗い上がりの爽快感や髪のまとまりも格段に向上するのです。
今回は、お客様の髪に日々向き合っている私たち理容師が、施術の際に常に実践しているプロならではの洗髪のコツを、ご家庭でも取り入れやすい形で惜しみなくご紹介いたします。
コツ① 予洗いは「頭皮を温める」意識で
シャンプー前の予洗いは、単に髪を濡らすためだけに行うのではありません。その最大の目的は「頭皮の毛穴を開かせ、汚れを浮き上がらせる」ことにあります。指の腹で頭皮を優しくマッサージしながら、38度前後のぬるま湯を頭皮全体に丁寧に行き渡らせてください。最低でも1分以上、いつもより少しだけ長く時間をかける意識を持つだけで、その後のシャンプーの効果が劇的に変わることをご実感いただけるはずです。
コツ② シャンプーは「空気を含ませる」ように泡立てる
シャンプー剤を手のひらで泡立てる際、少量のぬるま湯を数回に分けて加えながら、指先で空気をたっぷりと巻き込むように混ぜ合わせるのがプロのコツです。こうして作られた弾力のあるクリーミーな泡は、洗浄成分が効率よく働くための最高の状態であると同時に、髪への摩擦を最小限に抑えるクッションの役割も果たしてくれます。
コツ③ 洗う順番は「襟足から頭頂部へ」
多くの方が無意識に頭頂部から洗い始めますが、実は皮脂の分泌が多く、汚れが溜まりやすい襟足や耳の後ろ、後頭部から洗い始めるのが効果的です。下から上へ、そして顔周りへと向かって洗うことで、毛穴に詰まった汚れを効率的にかき出し、頭皮全体の血行を促進するマッサージ効果も高まります。
コツ④ 指は「ジグザグ」に動かす
ただ円を描くように指を動かすのではなく、指の腹を頭皮にしっかりと密着させたまま、小刻みにジグザグと動かすことを意識してみてください。この細やかな動きが、ご自身では落としにくい毛穴の奥の皮脂汚れにしっかりとアプローチし、頭皮に心地よい刺激を与え、血行を促進するための重要なテクニックです。
コツ⑤ すすぎは「シャワーヘッドを頭皮に近づける」
シャンプーのすすぎ残しは、頭皮トラブルの大きな原因となります。上からお湯をかけるだけでは、髪の表面を流れるだけで頭皮の洗浄成分はなかなか落ちません。髪を手でかき分け、シャワーヘッドを頭皮に近づけるようにしながら、頭皮そのものにお湯をしっかりと当てる意識を持つことが、完璧なすすぎのための大切なコツです。
コツ⑥ トリートメント前の「ひとしぼり」
髪がびしょ濡れの状態でトリートメントを付けても、水分で成分が薄まってしまい、その効果は半減してしまいます。シャンプーを丁寧にすすいだ後、髪を優しく手で握るようにして水気を軽く絞ってください。この「ひとしぼり」という一手間を加えるだけで、トリートメント成分が髪の内部へ格段に浸透しやすくなります。
コツ⑦ ドライヤーは「振りながら」冷風で締める
ドライヤーの熱によるダメージを防ぐため、常にドライヤー本体を左右に振りながら、髪から20cmほど離れた位置から風を当てることが基本のコツです。そして、全体の8割ほどが乾いたら、最後に仕上げとして冷風に切り替え、髪全体に風を送ってみてください。開いたままだったキューティクルがキュッと引き締まり、驚くほど髪にツヤが生まれます。
コツを極めたプロの技を、ぜひサロンで
今回ご紹介したコツを少し意識していただくだけで、日々の洗髪がより効果的で心地よいものになることと存じます。しかし、これらのコツの全てをご自身の後頭部に至るまで完璧に実践するのは、やはり至難の業かもしれません。
私たち理容師は、これらのコツを無意識のレベルで、お客様一人ひとりの頭皮や髪の状態に合わせて力加減や時間を調整しながら、最高の技術をご提供しています。ご自身へのご褒美として、あるいは日々の疲れを癒やすために、プロの技術の粋を集めた「本物の洗髪」を体験してみませんか。誠実な技術で、最高の爽快感とリラクゼーションをお約束いたします。