毛染め特有の匂い!原因は?施術後も快適に過ごすためのプロの知識と対策
ヘアカラーによって理想の髪色を手に入れた満足感とともに、施術中やご自宅に帰られた後にふと感じる、ツンとした特有の「匂い」が気になったご経験はございませんか。この匂いの正体は何なのか、髪や身体に悪い影響はないのだろうかと、漠然とした不安や疑問を感じていらっしゃる方も少なくないかもしれません。
美しいヘアスタイルは、心からリラックスできる快適な時間があってこそ、より一層楽しめるものです。今回は、多くの方が気にされるヘアカラーの匂いの原因から、プロフェッショナルが実践する匂いを抑えるための工夫まで、詳しく解説してまいります。
ヘアカラーの匂い、その主な原因とは
ヘアカラーの施術中に感じる、あのツンとした刺激的な匂いの主な原因は、薬剤に含まれる「アルカリ剤」によるものです。一般的にはアンモニアなどが使用されるこの成分は、ヘアカラーにおいて非常に重要な役割を担っています。
髪の毛は、うろこ状のキューティクルで表面が覆われています。アルカリ剤には、このキューティクルを一時的に開かせ、染料を髪の内部にまで浸透しやすくする働きがあります。この工程がなければ、髪を明るくしたり、色を内部にしっかりと定着させたりすることはできません。つまり、あの特有の匂いは、美しい髪色を実現するために必要な化学反応の過程で発生するものなのです。匂いが強いからといって、一概にダメージが強いというわけではなく、大切なのはお客様の髪質や目的に合った適切な薬剤を、専門家が正しく見極めることです。
ご自宅でできる、施術後の匂いを和らげるケア
施術後の髪に匂いが残ってしまった場合でも、ご自宅での少しの工夫で和らげることが可能です。匂いの元となるのは髪に残留したアルカリ成分ですので、これを中和し、除去することが最も効果的な対策となります。
例えば、施術後数日間のシャンプーの際に、洗浄力の優しいシャンプーで頭皮を中心に丁寧に洗い、しっかりとすすぐことを心がけてください。また、髪が濡れている間は匂いを感じやすいため、お風呂上がりは自然乾燥させずに、ドライヤーで根元から完全に乾かしきることも大切なポイントです。それでも匂いが気になる場合は、香りの良いヘアオイルや、香りが強すぎないヘアコロンなどを毛先中心に軽くつけることで、快適にお過ごしいただけます。
プロフェッショナルが行う「匂い」への配慮
私達がサロンで使用する薬剤は、お客様に少しでも快適な時間をご提供できるよう、日々進化を続けています。現在では、様々なメーカーから、アルカリ剤の配合を工夫することで、あのツンとした刺激臭を大幅に軽減した低臭タイプのカラー剤が開発されています。
私達プロの理容師は、カウンセリングを通じてお客様の髪質やご希望を伺うのはもちろんのこと、「匂いが苦手で…」といったお悩みにも真摯に耳を傾け、数ある選択肢の中から最適な薬剤を選定いたします。さらに、施術の最後には、髪や頭皮に残留したアルカリ成分や薬剤を、専用の処理剤を用いて徹底的に除去する「後処理」という重要な工程を行います。この一手間が、ご自宅に帰られた後の匂いを抑えるだけでなく、髪へのダメージを最小限に留め、美しい色持ちを実現することにも繋がるのです。
快適なヘアカラー体験のために、専門家にご相談ください
ヘアカラーに伴う匂いは、ある程度は避けられない現象ではありますが、正しい知識と適切なケア、そしてプロフェッショナルによる専門的な技術によって、その不快感を大幅に軽減することが可能です。
私達が目指すのは、ただ美しいヘアスタイルをご提供するだけではありません。施術中からご自宅に戻られた後まで、全ての時間をお客様に心から快適に過ごしていただくこと。そのために、色の仕上がりに関することだけでなく、匂いや刺激といった些細な不安にも、誠心誠意お応えしたいと考えております。どうぞご遠慮なく、カウンセリングの際にあなたのお声をお聞かせください。