毛染めの色、どう落とす?髪や肌についてしまった時の正しい対処法
手軽に印象を変えられるヘアカラーは、今や男性のおしゃれに欠かせないものとなりました。しかし、ご自身で染めたり、サロンで施術を受けたりする中で、「想像していた色と少し違う仕上がりになった」「うっかり染料が肌についてしまった」といった経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
予期せぬ事態が起きたとき、慌てて自己流で対処してしまうと、かえって状況を悪化させてしまうこともあります。この記事では、ヘアカラー剤が髪や肌についてしまった場合の、正しい「取り方」と適切な対処法について詳しく解説いたします。
まずは落ち着いて、どこに付着しましたか
ヘアカラーに関する「落としたい」というお悩みは、その状況によって対処法が大きく異なります。一つは、顔や手、耳といった「肌」に染料が付着してしまった場合。もう一つは、染めた後の「髪の色」そのものを落としたい、あるいは修正したい場合です。
どちらの状況であるかによって、ご自身で対処できる範囲と、専門家へご相談いただくべき範囲が変わってまいります。それぞれのケースについて、順を追って見ていきましょう。
肌についてしまった場合の落とし方
ご自宅でのセルフカラーなどで、染料が肌についてしまうことはよくあるケースです。肌についた染料は、時間が経つほど色素が沈着し、落ちにくくなる性質があります。そのため、気づいた時点ですぐに拭き取ることが何よりも重要です。
もし時間が経ってしまった場合は、クレンジングオイルをコットンなどに含ませ、優しくくるくると馴染ませるように拭き取ってみてください。油性の成分が染料を浮き上がらせてくれます。その後、石鹸や洗顔料で洗い流しましょう。ただし、肌は非常にデリケートですので、ダメージを与えないよう決して強くこすらないでください。一度で落ちなくても、肌のターンオーバーと共に数日で自然に薄れていきますので、無理な対処は禁物です。
髪に染まった色を落とす「脱染」について
次に、染めた髪の色が希望通りでなかったり、暗く染めすぎたりした場合の対処法です。この場合、「脱染剤」と呼ばれる専用の薬剤を用いて、髪の内部に入り込んだ人工的な色素を取り除く施術が必要となります。これは、髪のメラニン色素まで分解する「脱色(ブリーチ)」とは区別される、より専門的な技術です。
例えば、「黒染め」をした髪を、再び明るい色にしたいといったご要望の際には、この脱染の工程が不可欠となります。しかし、この施術には高度な知識と技術が求められます。
ご自宅でのセルフカラーオフの危険性
近年では、市販のカラーリムーバー(脱染剤)も販売されており、ご自身での対処を考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご自宅で脱染を行うことには、いくつかの大きなリスクが伴います。
髪の状態は、見ただけではわからないダメージを蓄積していることが多く、専門家による的確な診断なしに強い薬剤を使用すると、深刻なダメージや切れ毛の原因となり得ます。また、ご自身では見えにくい後頭部などに塗りムラが生じ、まだら模様になってしまう失敗も少なくありません。結果として、修正のためにさらに時間と費用がかかってしまうケースもございます。
サロンでの脱染をおすすめする理由
髪の色を安全かつ綺麗に落としたいと考えるなら、信頼できるサロンの専門家にご相談いただくのが最も確実な方法です。プロの理容師は、まずお客様の髪の履歴(過去のカラーやパーマの経緯)を丁寧にお伺いし、現在の髪の状態を正確に診断します。
その診断結果に基づき、数ある薬剤の中から最も負担の少ないものを選択し、ダメージを最小限に抑えながら色素を取り除いていきます。均一で美しい仕上がりはもちろんのこと、脱染後のデリケートな髪の状態を踏まえた上で、その先のカラープランまで含めてご提案できるのが、プロフェッショナルならではの強みです。
髪の悩みは信頼できる専門家へ
ヘアカラーに関するお悩みは、時に深刻なコンプレックスにも繋がりかねません。特に、一度髪に入れた色を取り除くという繊細な施術は、髪の健康を末永く維持するためにも、どうぞ専門家にお任せください。
お客様一人ひとりの髪と真摯に向き合い、現状のお悩みを解決するだけでなく、未来のヘアスタイルまで見据えた最善のご提案をさせていただくことこそ、私達の務めであると考えております。どのような些細なことでも、まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。