メンズ毛染めの王道「茶色」の魅力。誠実な理容師が語る、似合うブラウンの選び方
ヘアカラーを初めてご検討される方が、まず最初に思い浮かべる色。そして、多くの男性が一度はご経験されるであろう、最も身近で、最も安心感のある髪色。それこそが、いつの時代も変わることなく愛され続ける「茶色(ブラウン系カラー)」ではないでしょうか。しかし、その「茶色」という、たった一言の言葉の中には、実は無限とも言えるほどの多彩な表情と、非常に奥深い魅力が隠されていることを、皆様はご存知でございましょうか。今回は、ヘアカラーの王道である茶色の尽きない魅力と、数ある選択肢の中から、あなただけの「本当に似合うブラウン」を見つけ出すための、プロの視点からの考え方について詳しく解説させていただきます。
なぜ「茶色」は、いつの時代も男性に選ばれるのか
ブラウン系のヘアカラーが、流行の移り変わりが激しい現代においても、常に男性から絶大な支持を集め続けるのには、明確な理由がございます。その最大の魅力は、ブラウンという色が持つ、温かみのある「親しみやすさ」と、誰からも愛される「好感度の高さ」にあります。表情を柔らかく見せ、誠実な印象を与えてくれるため、大切なビジネスの場から、休日のリラックスしたプライベートの時間まで、あらゆるシーンに自然に溶け込むことができるのです。また、真っ黒な髪よりも、少しだけ明るい茶色にすることで、髪全体に軽やかさと透明感が生まれ、頑張りすぎない、自然な形での「垢抜け感」を演出できるのも、ブラウンカラーが持つ大きな力です。
明るさと色味で変わる、ブラウンカラーの無限の表情
「茶色」と一言で申しましても、その色の明るさ(トーン)と、含まれる色味のニュアンスによって、その表情は千変万化いたします。例えば、色の明るさという軸で見てみますと、地毛に限りなく近い、落ち着いた「ダークブラウン」は、髪色の規定が厳しい職場でも許容されやすい、上品で知的な印象を与えます。一方で、快活で若々しい印象の「ライトブラウン」は、カジュアルなスタイルとの相性が抜群です。
さらに、そこにどのような「色味」を加えるかによって、その個性はさらに広がります。ブラウンに灰色(アッシュ)のくすみ感を加えることで、日本人特有の赤みを抑えた、クールで都会的な「アッシュブラウン」に。あるいは、赤系の色味を少し加えることで、華やかさと遊び心を感じさせる「レッドブラウン」にと、その表現の可能性は無限に広がっているのです。
あなただけの「似合う茶色」を見つける、プロの視点
では、この無限の選択肢の中から、どのようにしてご自身に最も似合う茶色を見つければ良いのでしょうか。私たちプロは、単にお客様のご希望の色見本を拝見するだけではございません。お客様が本来お持ちの肌の色や、瞳の色、そして普段お召しになるお洋服の色合いまでを総合的に考慮し、その方の魅力を最大限に引き立てる、いわば「パーソナルなブラウン」を導き出します。クールで知的な印象の方には、赤みを抑えた寒色系のブラウンを、優しく温和な印象の方には、少し暖かみのあるブラウンを、といったように、お客様の内面までもが輝き出すような、オーダーメイドの色をご提案させていただくこと。それこそが、プロの仕事の真髄なのです。
ほとんどの場合、ブリーチは必要ありません
ブラウン系のヘアカラーが持つ、もう一つの大きな魅力は、多くの場合、髪の色素を抜く「ブリーチ」をしなくても、美しい色合いを表現できるという点にございます。髪へのダメージを最小限に抑えながら、確実なイメージチェンジをお楽しみいただくことができるため、髪の健康を大切にされたいとお考えの方にも、心からお勧めできる選択肢です。もちろん、ミルクティーブラウンのような、非常に明るく透明感のある特殊なブラウンを目指される場合には、ブリーチが必要となるケースもございます。
「いつもの茶色」から、「こだわりのブラウン」へ
「茶色」は、誰にでも似合う、懐の深い王道の色であると同時に、その人の個性を最も深く、そして繊細に表現することができる、非常に奥深い色でもあります。ご自身で何となく選んでこられた「いつもの茶色」から、私たちプロの知識と技術によって選び抜かれた、あなた様のためだけの「こだわりのブラウン」へと、ステップアップされてみてはいかがでしょうか。あなたのための、最高のブラウンが、ここにございます。ぜひ、その特別な色に、出会いにいらしてください。