散髪屋に行く時のワックスどうする?プロが教える正解とスタイリング術
メンズのヘアスタイルを理想通りに完成させる上で、今や欠かすことのできないスタイリング剤、ヘアワックス。しかしそのワックスが、いざ散髪屋(理容室)へ行こうと思った矢先に、「このまま付けて行っても良いのだろうか?」という、ささやかな悩みの種になってしまうことはございませんか。今回は、多くの方が一度は抱いたことのあるそんな素朴な疑問にお答えすると共に、あなたのヘアスタイルを明日からさらに格上げする、プロの視点からのワックスの選び方、使い方を徹底的に解説いたします。
【結論】ワックスをつけたままのご来店、全く問題ありません
まず、皆様が最も気になっているであろう疑問に結論からお答えします。ヘアワックスをつけたままご来店いただくことについては、全く何の問題もございません。どうぞ、お気兼ねなくそのままの状態でお越しください。私たちが使用するプロ用のシャンプーは、どのような種類のスタイリング剤でも、髪や頭皮に負担をかけることなく、すっきりと洗い流すことができるように設計されています。むしろ、ワックスがついていることで、お客様が普段どのようなスタイリングをされているのか(毛束を細かく作るのがお好きなのか、自然な毛流れを重視されているのか、など)が私たち理容師に伝わり、カウンセリングの際の貴重なヒントになることさえあるのです。
理容室で体験する、プロのスタイリング
私たちは、ハサミやバリカンを使ったカットという「素材作り」と同じくらい、カットの後に行うワックスを使った「仕上げ(スタイリング)」の時間を大切にしています。それは、カットによって創り上げたデザインの魅力を最大限に引き出すための、最後の重要な工程だからです。お客様の髪質やその日のヘアスタイルに合わせ、数あるワックスの中から最適な一品を選び出し、理想の質感とシルエットを創り上げていく。この仕上げの時間は、お客様がご自宅でご自身の髪をスタイリングする際の、いわば「マンツーマンの集中レッスン」の時間でもあります。
髪質と髪型で選ぶ、最適なワックスの見つけ方
数え切れないほどの種類があるワックスの中から、ご自身に最適なものを見つけるのは簡単なことではありません。ワックス選びの基本的な考え方は、ご自身の「髪質」と、なりたい「質感」で絞り込んでいくことです。例えば、硬くしっかりとした髪質の方にはセット力の強いハードタイプ、逆に柔らかく細い髪質の方には軽やかな動きが出せるファイバータイプが適しています。また、濡れたようなツヤ感が欲しい場合はグリースやジェル、自然でマットな風合いに仕上げたい場合はクレイタイプのワックスが最適です。最も確実なのは、ご自身の髪を最も深く理解している、担当の理容師に直接相談してみることでしょう。
明日から使える、スタイリングの基本テクニック
プロのスタイリングをご自宅で再現するためには、いくつかの基本的なコツがございます。まず、ワックスを手のひらに取る量は、付けすぎを防ぐために「小豆一粒大」から始めるのが鉄則です。そして、そのワックスが透明になるまで、指の間までしっかりと均一に伸ばします。髪に付ける際は、根元にべったりと付かないように注意しながら、ボリュームを出したい後頭部やトップといった、髪全体のシルエットを作る部分から馴染ませていくのが失敗しにくい順番です。最後に、手に残ったわずかなワックスで、前髪の毛先を整えます。私たちは、カット後の仕上げの際に、こうした具体的なテクニックを、お客様の髪を使いながら丁寧にお伝えすることを大切にしています。
ワックスに関するあらゆる疑問やお悩みは、ぜひ私たち散髪屋、理容室にお任せください。私たちの仕事は、サロンでの一日をお客様に格好良くお過ごしいただくことだけではありません。お客様の明日からの毎日が、ご自身の手によってさらに格好良くなるためのお手伝いをさせていただくことこそ、私たちの最大の喜びなのです。