クロップスタイルは「くし」一本で変わる。プロが教えるスタイリング術
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クロップスタイルのスタイリングは、手ぐしでラフに仕上げるのも魅力的ですが、「くし(コーム)」を一本加えるだけで、その仕上がりの質は格段に向上し、より洗練されたプロフェッショナルな印象を創り出すことができます。この記事では、クロップスタイルに最適なコームの種類から、くしを使った具体的なスタイリング方法、そしてそれを最大限に活かすためのカットのポイントまで、プロの視点で詳しく解説します。
Contents
なぜクロップスタイルに「くし」を使うのか
手軽な手ぐしでのセットと、くしを使ったセットでは、仕上がりにどのような違いが生まれるのでしょうか。
手ぐしとの決定的な違い
- 均一で整然とした毛流れ
手ぐしでは表現することが難しい、一本一本が整然と並んだ、均一で美しい毛流れを作ることができます。これは、スタイルに規律と品格を与えます。 - 面の美しさを引き出す
髪の表面が滑らかに整うことで、スタイリング剤が持つツヤ感を最大限に引き出すことができます。光を美しく反射する、面の整った仕上がりは、くしならではのものです。 - シャープで明確な分け目
七三分けなどのサイドパートスタイルにおいて、分け目をシャープで直線的に作ることができます。これにより、スタイル全体が引き締まり、知的な印象になります。
くしが活きるスタイル
- クラシカルなバーバースタイル
ジェルやグリース、ポマードといった、ツヤ感のあるスタイリング剤を使ったクラシカルなスタイルには、くしが不可欠です。伝統的で、男らしいスタイルが完成します。 - フォーマルなシーン
ビジネスシーンや冠婚葬祭など、きっちりとした清潔感が求められる場面で、くしを使ったスタイリングは大きな力を発揮します。
スタイル別・おすすめの「くし」の種類
目指すスタイルによって、使うべきくしの種類も変わってきます。
用途に合わせたコーム選び
- メッシュコーム
歯が粗く、等間隔に並んでいるのが特徴です。ざっくりとした大きな毛束感を作りたい時に便利で、特にフェード部分からトップへの繋がりを強調するようなスタイリングと相性抜群です。 - バーバーコーム(カッティングコーム)
片側が粗く、もう片側が細かい歯になっている、最もベーシックなタイプのくしです。目が細かい部分を使い、髪をとかしながら毛流れを整えたり、シャープな分け目を作ったりするのに適しています。 - テールコーム
持ち手の先端が、細長く尖っているタイプのくしです。この持ち手部分を使い、分け目を正確に、そして直線的に取るのに特化しています。
くしを使った基本的なスタイリング手順
いくつかのポイントを押さえるだけで、誰でもプロのような仕上がりを手に入れることができます。
準備とベース作り
- 髪を濡らしてドライヤーでベースを作る
まずは髪全体をしっかりと濡らし、寝癖などをリセットします。その後、自分が作りたい毛流れの方向にドライヤーの風を当てながら乾かし、スタイルの土台を作ります。 - スタイリング剤を髪全体に馴染ませる
ジェルやグリースといったスタイリング剤を適量手に取り、まずは手ぐしで髪の根元から全体に、均一にしっかりと馴染ませます。
くしで細部を仕上げる
- 毛流れを整える
コームを使い、髪の根元に軽く差し込み、毛先に向かって一定の方向にとかしつけ、美しい毛流れを整えます。この時、少し頭皮にコームの歯を当てながらとかすと、根元からしっかりと流れが作れます。 - 分け目を作る
テールコームの持ち手部分などを使い、分け目のラインを決めます。そこを起点にして、左右それぞれの方向に髪をとかし、シャープなパートラインを完成させます。 - 全体のシルエットを調整
最後にコームの背(歯のない部分)などを使って、トップのボリューム感を軽く押さえたり、全体のシルエットを微調整したりします。
くしを使ったセットがうまくいかない時は
硬い髪質などで、くしを使っても思い通りに髪が流れないという悩みも少なくありません。
考えられる原因とプロによる対策
- 髪質による問題
特に硬い直毛の方は、髪自体の弾力が強く、くしでとかしてもすぐに元の状態に戻ってしまうことがあります。この場合、理容室の「アイロンパーマ」で、あらかじめ後ろに流れる癖をつけてあげるのが最も効果的です。 - カット自体の問題
そもそも髪が流れやすいように、毛量や毛先の質感が調整されていなければ、いくらくしを使ってもきれいな毛流れを作ることは困難です。
理想を叶えるためのオーダーのコツ
- 「くしでセットしたい」と明確に伝える
カウンセリングの際に、「普段、くしを使ってジェルできっちりとセットすることが多いです」と、ご自身のスタイリング習慣を伝えることが非常に重要です。 - 毛流れを計算したカットを依頼する
腕の良い理容師は、その一言で「このお客様は、くしでとかした時に自然に流れるようなカットが必要だな」と理解します。あなたの生え癖や髪質を考慮し、仕上がりを逆算してカットしてくれるプロに任せましょう。
「くし」を使いこなし、ワンランク上のクロップスタイルへ
くしは、クロップスタイルをより緻密で、より洗練されたものへと昇華させるための強力なツールです。そして、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、くしでセットすることを前提とした、計算され尽くしたプロのカット技術が不可欠となります。ぜひ、信頼できる理容師に相談し、細部までこだわり抜いた、ワンランク上のスタイルを手に入れてみてはいかがでしょうか。
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