理容室のシャンプー台|伝統の「前向き」と癒しの「後ろ向き」その違いとは
理容室で過ごす時間の中で、カットやシェービングと並んで、お客様の満足度を大きく左右するのがシャンプーのひとときです。そして、その心地よさを支える重要な設備が「シャンプー台」です。理容室のシャンプー台というと、鏡の前でかがむようにして髪を洗う、少し懐かしい光景を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし近年、そのスタイルは多様化し、サロンごとにお客様への想いを込めた様々なシャンプー台が選ばれるようになりました。この記事では、理容室のシャンプー台の変遷と、そこに込められたこだわりについてご紹介いたします。
伝統的な「フロントシャンプー(前向き)」の魅力
古くから多くの理容室で採用されてきたのが、シャンプーボールに向かって前屈みになる「フロントシャンプー」のスタイルです。カットをしていた椅子に座ったまま、あるいは少し移動するだけで洗髪できるという合理性から、長年にわたり日本の理容文化のスタンダードとして定着してきました。このスタイルの大きな魅力は、顔にお湯がかかりにくく、襟足や生え際までしっかりと洗い上げることができるため、格別のさっぱりとした爽快感が得られる点にあります。施術時間が比較的短く済むこともあり、今なおこの伝統的なスタイルを好まれるお客様も少なくありません。
癒しを追求する「バックシャンプー(後ろ向き)」の普及
一方で、お客様により深いリラクゼーションをご提供したいという想いから、近年では美容室で主流となっている、仰向けで施術を受ける「バックシャンプー」を導入する理容室が急速に増えています。身体を倒すとシートが完全にフラットになるタイプや、首を優しく支える柔らかなネックピローを備えたタイプなど、その形状は様々です。このスタイルの最大のメリットは、首や腰といった身体への負担が少なく、お客様が心からリラックスした状態でシャンプーを受けられる点にあります。目を閉じて身を委ねれば、シャンプーの時間が極上の癒しの時間へと変わります。
サロンがシャンプー台に込める「おもてなしの心」
サロンがどちらのタイプのシャンプー台を選ぶかということには、お客様にどのような時間をお過ごしいただきたいかという、理容師の「おもてなしの心」が色濃く反映されています。伝統的な爽快感を大切にし、テキパキとした心地よさを提供したいと考えるのか。あるいは、日常の喧騒を忘れ、深いリラクゼーションを味わっていただきたいと願うのか。シャンプー台という一つの設備にも、そのサロンの哲学やこだわりが込められているのです。お客様の快適性を第一に考え、時代のニーズに合わせて最適な設備への投資を惜しまない姿勢は、誠実な理容室の証とも言えるでしょう。
ご自身の好みに合わせてサロンを選ぶという選択
これまで、理容室を選ぶ際にシャンプー台の種類を意識されたことはあまりなかったかもしれません。しかし、「今日はさっぱりと短時間で済ませたいから、フロントシャンプーの理容室へ」「じっくりと頭皮のマッサージも受けたいから、バックシャンプーのある理容室へ」というように、その日の気分やご自身の好みに合わせてサロンを選ぶという、新しい探し方をしてみるのも一興です。
最高のひとときは、最高の設備から
どれほど優れたシャンプー技術も、それを支える快適な設備があってこそ、その価値を最大限に発揮することができます。私達はお客様に最高の満足をご提供するため、技術の研鑽はもちろんのこと、お客様が直接触れる設備の一つひとつにも心を配っております。お客様に心からリラックスしていただけるよう、快適性を追求したシャンプー台をご用意して、皆様のお越しを心よりお待ちしております。