パーマによる「根元折れ」の原因と直し方。プロが解説する失敗回避術
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パーマをかけて、理想のヘアスタイルを手に入れたはずが、ふと髪の根元を見てみると、カクっと不自然な形で折れ曲がっている。そんな、パーマの失敗の中でも特に厄介で、スタイリングの邪魔になる「根元折れ」に悩んでいませんか。この現象はなぜ起こるのか、そして一度折れてしまった根元は、もう元に戻らないのでしょうか。今回は、その原因と正しい対処法、そしてそもそも根元折れを起こさないための、プロの技術について詳しく解説します。
Contents
パーマで「根元折れ」が起こる、その原因とは?
パーマによる根元折れは、自然に発生するものではありません。その原因のほとんどは、パーマをかける際の、施術のプロセスに潜む、技術的なミスによって引き起こされます。
施術のプロセスに潜む、技術的なミス
- ロッドの巻き方が、不適切である
パーマをかける際に、髪を巻きつけるロッドが、頭皮に対して適切な角度で引き出されていなかったり、根元にかかる力加減(テンション)が強すぎたりすると、髪の根元が「へ」の字に折れた状態で薬剤が作用してしまいます。これが、根元折れの最も多い原因です。 - ロッドを固定する、ゴムのかけ方がきつすぎる
ロッドを髪に固定するために使われる輪ゴムが、根元部分の髪を強く圧迫してしまっている場合も、そのゴムの跡が、そのまま折れ目として髪に記憶されてしまいます。 - 薬剤の塗布が、不適切である
根元につける必要のない薬剤が根元に付着してしまったり、あるいは、お客様の髪質に対して強すぎる薬剤が根元部分で過剰に反応してしまったりすることも、不自然な折れの原因となります。 - 結論として、多くは「技術的な失敗」
これらの原因のほとんどは、施術者の経験不足や、お客様一人ひとりの髪質や髪の生え方(生えグセ)を正確に見極められていない、といった技術的な要因に起因すると考えられます。
折れてしまった根元の、NG行動と正しい対処法
一度折れてしまった根元は、非常にデリケートで、かつ頑固なクセとなっています。焦って自己流で対処しようとすると、事態をさらに悪化させてしまう可能性があります。
慌てて自分で直そうとしない
- NG行動
ストレートアイロンで、無理やり伸ばす
折れている根元を、高温のストレートアイロンで無理やりプレスして、真っ直ぐにしようとするのは、絶対にやめましょう。薬剤と熱によって、その部分の髪は深刻なダメージを受け、プチっと切れてしまう「切れ毛」の直接的な原因となります。 - 対処法1
まずは、施術したサロンに相談する
これが、まず最初に行うべき最善の策です。多くのサロンには、施術後1週間から10日程度の「技術保証期間(お直し期間)」が設けられています。まずは、施術を担当したサロンに連絡し、髪の状態を見てもらった上で、無料での修正(かけ直し)が可能かどうかを相談しましょう。 - 対処法2
時間が解決するのを待つ
髪は1ヶ月に約1cm伸びます。数ヶ月経てば、根元が折れてしまった部分は、自然にカットされ、いずれはなくなっていきます。それまでの期間、スタイリング剤などでごまかしながら、時間が解決するのを待つ、というのも一つの選択肢です。 - 対処法3
信頼できる、別のプロに相談する
施術したサロンに不信感がある場合は、修正技術に定評のある、信頼できる別の理容室などに相談しましょう。プロであれば、髪の状態を正確に診断し、最善の修正方法を提案してくれます。
そもそも「根元折れさせない」。理容室のプロの基本技術
パーマにおける根元折れは、あってはならない技術的な失敗です。プロの理容師は、この失敗を防ぐための、基礎的かつ最も重要な技術を、徹底して叩き込まれています。
髪と頭皮への、ミリ単位の配慮
- 髪の生え方を、正確に診断する
プロは、パーマを巻き始める前に、お客様の髪が、どの毛穴から、どの方向に向かって生えているかという「毛流」や「生えグセ」を、完璧に把握します。 - 根元を守る、緻密なワインディング技術
この診断結果に基づき、頭皮に対してロッドを適切な角度(オンベース、オフベースなど)で、そして、髪に負担のかからない最適な力加減で巻きつけていきます。また、ゴムのかけ方も、髪を圧迫せず、かつロッドがずれない、絶妙な位置と強さで行います。 - 薬剤を、ミリ単位でコントロールする
根元には薬剤をつけない、あるいは根元用の保護剤を塗布するなど、薬剤が根元で過剰に反応して、ダメージや折れの原因とならないように、ミリ単位で精密にコントロールします。 - 男性の短髪を知り尽くした技術
特に、髪が短く、根元部分の仕上がりがスタイル全体を大きく左右するメンズのショートスタイルにおいて、この根元への細心の配慮は、スタイルの完成度を決定づける、非常に重要な要素です。
まとめ
パーマによる根元折れは、そのほとんどが、施術者の技術的なミスによって引き起こされる、本来であれば避けるべき失敗です。一度折れてしまった根元を、ご自身で修正するのは非常に危険であり、まずは施術したサロンか、あるいは信頼できる別のプロに相談することが不可欠です。そして、最も重要なのは、そもそも根元折れのような基本的な失敗を起こさない、お客様一人ひとりの髪質や生えグセを正確に診断し、ミリ単位の技術で丁寧に応えてくれる、経験豊富な理容師を選ぶことです。
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