パーマをかけたら髪が茶色くなる?その原因とダメージを抑えるプロの技術
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「パーマをかけたら、染めてもいないのに、なんだか地毛の黒髪が少し茶色くなった気がする」。そんな経験をした、あるいは、そんな話を聞いたことがある男性は少なくないのではないでしょうか。黒髪のはずが、光に当たると少し明るく、茶色っぽく見えるこの現象。これはあなたの気のせいではありません。パーマの施術工程で起こる、自然な化学反応の一つなのです。今回は、その原因と、髪への影響を最小限に抑えるためのプロの技術について詳しく解説します。
Contents
髪が茶色くなる、その原因はパーマ液の化学反応
パーマをかけるとなぜ髪の色が少し明るくなるのか。その答えは、パーマ液が髪の内部で引き起こす化学反応にあります。
髪の内部で、一体何が起きているのか
- 1剤に含まれる「アルカリ剤」の働き
パーマの工程で最初に使用する1剤には、髪の表面を覆うキューティクルを開き、薬剤を内部に浸透しやすくするための「アルカリ剤」という成分が含まれています。これが、パーマをかける上で非常に重要な役割を果たします。 - 地毛の色素「メラニン」への影響
実は、このアルカリ剤には、髪を構成するタンパク質の結合を緩める働きと同時に、髪の黒色の元である「メラニン色素」を、わずかに分解する作用、つまり、ごく軽い脱色作用があるのです。 - 結果として、髪が少し明るくなる
この作用によって、黒髪のメラニン色素が少しだけ壊され、元々の髪色よりもワントーン明るい、茶色みがかった色に見えることがあります。これは、パーマの薬剤が、髪の内部で正常に働いた「証」でもあるのです。
この現象は、防ぐことができるのか?
この色の変化は、パーマの仕組み上、ある程度は避けられない側面もあります。しかし、その変化の度合いや、それに伴う髪へのダメージは、施術の方法によって大きくコントロールすることが可能です。
髪色の変化を、最小限に抑えるために
- セルフパーマがもたらすリスク
ご自宅でかけるセルフパーマは、注意が必要です。市販のパーマ液は、どのような髪質の人でもある程度しっかりとかかるように、薬剤のパワーが強めに設定されている傾向があります。そのため、必要以上にメラニン色素が分解され、色が抜けすぎてしまったり、髪に深刻なダメージを与えてしまったりするリスクが高まります。 - 施術後のヘアケアの重要性
パーマ後の髪は、ダメージを受け、乾燥しやすい状態です。パサついて傷んだ髪は、光が乱反射するため、より色が抜けたように、そして明るく見えがちです。施術後に、トリートメントなどでしっかりと保湿ケアを行い、髪のコンディションを整えることも、美しい髪色を保つ上では重要です。
プロが実践する、ダメージと色のコントロール技術
信頼できる理容室のプロは、パーマによる髪色の変化と、それに伴うダメージを最小限に抑えるための、専門的な知識と技術を持っています。
全てを計算した、オーダーメイドの施術
- 施術前の、的確な毛髪診断
プロの理容師は、施術を始める前に、まずお客様の髪質、健康状態、そして地毛の色素の強さなどを正確に診断します。これにより、どのくらいの強さの薬剤を使えば、どの程度色が抜ける可能性があるかを、ある程度予測することができます。 - 髪質に合わせた、最適なパーマ液の選定
プロが扱うパーマ液には、様々な種類があります。髪への負担と、色の変化を最小限に抑えたいお客様には、アルカリ度数の低い、髪に優しい薬剤(コスメパーマや酸性パーマなど)を選定します。この薬剤の「見極め」こそ、プロの技術の真骨頂です。 - ダメージの原因を髪に残さない、徹底した「後処理」
パーマの施術後、髪や頭皮には、ダメージを進行させる原因となるアルカリ成分などが残留しています。プロは、専用の処理剤を使って、これらの有害物質を完全に除去し、髪を健康な状態である「弱酸性」に戻します。この工程が、その後のダメージと、過度な色の変化を防ぐための鍵となります。 - わずかな変化を、デザインとして活かす提案
ほんのりと髪が明るくなることを、逆に「メリット」として捉えることもできます。地毛の真っ黒よりも、少しだけ茶色みがかることで、髪の質感が柔らかく見え、パーマの動きがより際立つ、という効果もあります。プロは、こうしたわずかな色の変化までを計算し、よりおしゃれなスタイルとしてデザインに組み込む提案も行います。
まとめ
パーマをかけた後に、髪が少し茶色くなるのは、パーマ液のアルカリ成分が、地毛のメラニン色素をわずかに分解するために起こる、自然な化学反応です。しかし、その色の変化の度合いや、それに伴う髪へのダメージは、施術の方法によって大きく変わってきます。髪への負担を最小限に抑え、髪色とカールの両方を、最高の状態で楽しみたいのであれば、髪と薬剤を熟知したプロの理容師に任せるのが、最も賢明な選択です。
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