白髪染めの黒染め失敗に「脱染剤」。セルフ修正のリスクとプロの技
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白髪を隠そうとご自宅で白髪染めをしたら、思った以上に真っ黒になってしまい、不自然な印象になってしまった。そんなセルフカラーの典型的な失敗に、頭を抱えている男性は少なくありません。この濃すぎる色をなんとかしたい、と調べていくうちに行き着くのが「脱染剤」という言葉です。しかし、その正体と正しい使い方を理解せず、安易に自己判断で使用すると、事態をさらに悪化させてしまう危険性があります。
Contents
「脱染剤」とは?ブリーチ(脱色剤)との違い
まず、黒染めをリセットするために使われる薬剤には、大きく分けて「脱染剤」と「脱色剤(ブリーチ)」があり、この二つは役割が全く異なります。
役割が全く異なる2つの薬剤
- 脱染剤(カラーリムーバー)
役割
髪の内部に入り込んで定着してしまった「人工的な染料(白髪染めなどの酸化染料)」だけを分解し、髪の外部へ排出させる働きを持つ薬剤です。
効果
元々の地毛の色素(メラニン色素)にはほとんど作用しないため、髪へのダメージをブリーチよりも抑えながら、黒染めをする前の、ご自身が本来持っていた髪の明るさに近づけることができます。 - 脱色剤(ブリーチ)
役割
「人工的な染料」と、髪が元々持っている「地毛の色素(メラニン色素)」の両方を分解し、髪の色そのものを抜いて明るくする、非常に強力な薬剤です。
効果
髪を金髪のようなハイトーンにすることができますが、その分、髪へのダメージは脱染剤よりも大きくなります。
なぜセルフでの脱染は絶対に避けるべきなのか
「黒染めの染料だけを落とせるなら」と、市販の脱染剤を使って自分で修正を試みようと考える方もいるかもしれません。しかし、脱染剤の扱いはプロでも慎重を要する、非常に難易度の高い技術です。
失敗がさらなる失敗を呼ぶ悪循環
- 深刻な色ムラのリスク
脱染剤は、染料が濃く入っている部分とそうでない部分、髪のダメージレベルによって、色の抜け方が全く異なります。セルフで行うと、根元だけが明るくなり、毛先は黒いままといった、まだら模様の修正が困難な状態になるリスクが非常に高いです。 - 不自然な赤み・オレンジみの発生
日本の多くの白髪染め(黒染め)には、赤系の染料が多く含まれています。そのため、脱染剤で黒の色素を抜くと、多くの場合、この赤みやオレンジみが強く残ってしまいます。この不自然な色をきれいに補正するには、専門的な色彩知識が不可欠です。 - 髪への深刻なダメージ
ブリーチよりはマイルドとはいえ、脱染剤も髪に負担をかける化学薬品です。使用方法や放置時間を誤ると、髪がゴワゴワになったり、最悪の場合、チリチリに傷んでしまったりする危険性があります。 - その後のカラーリングへの悪影響
脱染後の髪は、キューティクルが開き、色が非常に不安定な状態です。すぐに次のカラーを自己流で行うと、色が思ったより暗く沈み込んだり、逆に全く色が入らなかったりと、さらなる失敗を招きかねません。
理容室だからできる、安全で確実な「色直し」
白髪染めの失敗は、プロの技術にかかれば、安全かつ確実にリセットし、さらに理想の髪色へと導くことが可能です。
失敗をリセットし、理想の色へ
- 的確な毛髪診断
プロの理容師は、まず、どの部分に、どのくらいの濃さの色素が残留しているかを正確に診断します。同時に、髪のダメージレベルを見極め、脱染剤を使用することが可能かどうかを慎重に判断します。 - 髪の状態に合わせた薬剤選定と塗布技術
お客様の髪の状態に合わせて、最適な強さの脱染剤を選定します。そして、色の抜け具合を常に目で確認しながら、薬剤を塗布する場所や時間をミリ単位でコントロールする、繊細な技術で施術を進めます。 - 脱染後の完璧なカラープランニング
脱染後に現れるであろう赤みやオレンジみを予測し、それを完全に打ち消すための補色(アッシュやマットなど)を調合して、次のカラーリングを行います。ただ色を抜くだけでなく、「その後の理想の色」までを見据えて施術するのがプロの仕事です。 - 徹底したダメージケア
ダメージを伴う施術だからこそ、施術中や施術後に、サロンでしか扱えない高濃度なトリートメントで集中的に栄養を補給します。これにより、ダメージを最小限に抑え、美しい髪質を保ちます。
まとめ
白髪染めの黒染め失敗をリセットするための「脱染剤」は、ブリーチとは役割が異なる、非常に専門的な薬剤です。その扱いは極めて難しく、セルフでの使用は、深刻な色ムラやダメージのリスクを伴うため、絶対に避けるべきです。黒染めの失敗は、プロの技術であれば安全かつ確実に修正し、そこからさらに理想の髪色へと導くことが可能です。自己流で修正を試みて事態を悪化させる前に、ぜひ一度、髪と色の専門家である理容師にご相談ください。
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