白髪染めに「脱色」は必要?理想の色を叶えるプロのブリーチ技術
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白髪染めは、白髪に色を入れて隠すもの。では、なぜそこに「脱色」という、髪の色を抜く工程が必要になるのでしょうか。実は、白髪染めにおいて「脱色(ブリーチ)」は、単に白髪を隠すという目的を超え、より自由で、よりおしゃれなヘアカラーを楽しむための非常に重要なステップなのです。その役割と、髪への負担を抑えながら行うためのプロの技術について解説します。
Contents
白髪染めにおける「脱色(ブリーチ)」の役割とは
通常の暗い色に染める白髪染めでも、実は黒髪の色素をわずかに脱色しながら、白髪と黒髪の両方に色を入れることで、全体の色を均一に見せています。しかし、ここで言う「脱色」が主役となるのは、特に明るいハイトーンカラーを目指す場合です。
黒髪と白髪のキャンバスを整える
- 目的は「ベースカラーの均一化」
白髪と黒髪が混在した状態は、いわば白と黒のまだら模様のキャンバスです。この上から、特にシルバーやアッシュ、ベージュといった淡く透明感のある色を乗せても、きれいに発色しません。そこで、まずブリーチを使って残っている「黒髪」の色素を抜き、髪全体の明るさを「白髪」の明るさに近づけます。まだらなキャンバスを、一度均一な明るいキャンバスに整える。これが、白髪のある髪にブリーチを行う最大の目的です。 - 美しい色を発色させるための下準備
均一に明るくなったベースの上から、改めてシルバーやアッシュといった希望の色を乗せる(ダブルカラー)ことで、初めてそのカラー剤が持つ本来の美しい色味を、濁りなくクリアに表現することができるのです。
脱色を伴う白髪染めのメリットとデメリット
脱色(ブリーチ)を取り入れることで、白髪染めの可能性は大きく広がります。しかし、その一方で、向き合わなければならないデメリットも存在します。
デザインの自由度と、向き合うべきダメージ
- メリット
カラーの選択肢が無限に広がる
これまで暗い色で隠すしかなかった白髪染めから解放され、ファッションカラーと同じように、あらゆる明るい色や透明感のある色に挑戦できます。
伸びてくる白髪が全く目立たない
ベースの髪色が明るいため、根元から新しい白髪が生えてきても色の差が少なく、メンテナンスが非常に楽になります。
白髪を活かしたおしゃれなスタイルが手に入る
白髪をネガティブなものと捉えず、「白髪ぼかしハイライト」のように、デザインの一部としてポジティブに活かすことができます。 - デメリット
髪と頭皮への大きなダメージ
脱色(ブリーチ)は、数あるヘア施術の中で、最も髪と頭皮に負担をかける行為です。適切な知識と技術、そして丁寧なケアを行わないと、深刻なパサつきや切れ毛、頭皮トラブルの原因となります。
セルフでは極めて危険
市販のブリーチ剤をご自身でコントロールするのは、ほぼ不可能です。取り返しのつかない色ムラや、髪が溶けてしまうといった深刻なダメージにつながるリスクが非常に高いため、絶対に避けるべきです。
ダメージを最小限に。理容室のプロフェッショナルな脱色技術
デメリットである「ダメージ」をいかに最小限に抑え、髪の体力を守りながら美しい仕上がりを実現するか。そこに、プロの理容師の知識と技術が集約されています。
髪の体力を守りながら、美しく
- 施術前の的確なダメージ診断
プロは、まずお客様の髪がブリーチに耐えられる健康状態にあるかを、触診や視診で正確に診断します。髪の体力がないと判断した場合は、無理な施術は行わず、まずは髪の状態を改善するためのケアを提案することもあります。 - ダメージを大幅に削減する「ケアブリーチ」の使用
サロンでは、髪の内部結合を補強する成分が配合された「ケアブリーチ」という特殊な薬剤を使用することができます。これにより、従来のブリーチに比べて、ダメージを大幅に削減しながら髪を明るくすることが可能です。 - 頭皮を徹底的に保護する塗布技術
ブリーチ剤が頭皮に極力つかないように根元ギリギリから塗布する「ゼロテクニック」や、施術前に頭皮全体を専用の保護オイルでコーティングするなど、頭皮への刺激を最小限に抑えるための工夫を凝らします。 - ダメージの原因を残さない徹底したアフターケア
ブリーチとカラー後の非常にデリケートな髪と頭皮には、ダメージの原因となる残留アルカリなどを除去する専門的な「後処理」が不可欠です。さらに、高濃度の栄養を補給する集中トリートメントを行い、その日のダメージをその日のうちにリセットします。
まとめ
白髪染めにおける「脱色」は、黒髪と白髪のベースを均一に整え、ハイトーンカラーや白髪ぼかしといった、おしゃれで自由なヘアスタイルを実現するために不可欠な工程です。しかし、それは髪への負担が最も大きい施術でもあるため、ダメージを最小限に抑えるプロの知識と技術、そして徹底したケアが絶対条件となります。白髪があるからと、なりたい髪色を諦めていませんか。髪の健康を守りながら、あなたの理想を叶えるのがプロの仕事です。
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