白髪染めとおしゃれ染めの違いは?混ぜてもOK?プロが教えるメンズカラーの正解
「白髪も気になるけど、おしゃれ染めのように明るい色や好きな色を楽しみたい」。そう考えたとき、「白髪染めとおしゃれ染めを混ぜればいいのでは?」という疑問が浮かぶかもしれません。しかし、その安易な判断は、深刻な失敗に繋がる可能性があります。
この記事では、白髪染めとおしゃれ染めの根本的な違いと、白髪を活かしながらおしゃれなカラーを実現するための、プロの正しいアプローチについて詳しく解説します。
根本的に違う!「白髪染め」と「おしゃれ染め」の役割
まず、ドラッグストアなどで隣に並んでいることも多いこの二つのカラー剤が、実は全く異なる目的と仕組みでできていることを理解しましょう。
薬剤の設計思想を理解する
- 白髪染め(グレイカラー)
色素が全くない白髪の芯まで、しっかりと濃いブラウンの色素を届けて染める「染色力」を最優先に設計されています。そのため、黒髪を明るくする力(脱色力)は、おしゃれ染めに比べて弱い傾向にあります。 - おしゃれ染め(ファッションカラー)
黒髪に含まれるメラニン色素を脱色しながら(明るくしながら)、同時にアッシュやベージュといった希望の色味を入れる「脱色力」と「発色」を重視して設計されています。その分、色素がない白髪をしっかりと染める力はほとんどありません。
絶対にNG!セルフで「混ぜる」ことの危険性
目的も性質も全く違う二つの薬剤を、専門的な知識なく混ぜ合わせる行為は、非常に危険です。
なぜ自分で混ぜてはいけないのか
- 深刻な染まりムラ
白髪は染まらずに黒髪だけが明るくなったり、逆に白髪だけが奇抜な色に染まったりと、まだらで悲惨な結果になる可能性が非常に高いです。 - 髪への大きなダメージ
異なる性質の薬剤が予期せぬ化学反応を起こし、髪に深刻なダメージを与えてしまうリスクがあります。髪がゴワゴワになったり、最悪の場合、チリチリに傷んでしまったりする可能性もゼロではありません。 - 狙った色にならない
化学反応が不安定になり、パッケージの色とは全く違う、緑や赤といった予期しない色に染まってしまうこともあります。
プロが可能にする「白髪染め」と「おしゃれ染め」の両立
「では、白髪があるとおしゃれな色は諦めるしかないのか?」というと、決してそんなことはありません。プロの理容師は、お客様の髪の状態に合わせて、両方の薬剤のメリットを最大限に引き出す「調合」という技術を持っています。
「混ぜる」のではなく「調合」するプロの技術
- ミリグラム単位の精密な計算
プロは、お客様の白髪の割合、髪質、ダメージレベル、そしてなりたい色に合わせて、白髪染めの持つ「染色力」とおしゃれ染めの持つ「明るさ・色味」を、複数の薬剤を精密に計算して組み合わせます。これは、ご自身で「1対1で混ぜる」のとは全く次元の違う、あなただけの色を創り出すオーダーメイドの技術です。 - 根元と毛先の塗り分け
新しく生えてきた白髪の多い根元には白髪染めの比率を多く、すでに染まっているダメージしやすい毛先には、おしゃれ染めとトリートメントを混ぜて色味と栄養を補給する、といったように、髪の場所によって薬剤を使い分ける高度な技術で、ダメージを最小限に抑えながら均一な色に仕上げます。
最新技術「白髪ぼかしハイライト」
そもそも「白髪を全部染める」という発想から脱却したのが、この最新技術です。おしゃれ染めを使って黒髪にハイライトを入れ、白髪をそのハイライトに紛れ込ませて「ぼかす」ことで、ダメージを抑えつつ、驚くほど自然で立体的なスタイルを実現します。
大人のカラーは、メンズヘアのプロに相談を
白髪と付き合いながらおしゃれを楽しむなら、ぜひメンズヘアの専門家である理容師にご相談ください。
理容室でカラーをするメリット
- カットとのトータルデザイン
おしゃれ染めのような明るく繊細なカラーも、清潔感のあるショートスタイルやツーブロックと組み合わせることで、ビジネスシーンにも馴染む品のあるスタイルに仕上がります。プロは、カラーとカットをトータルでデザインします。 - ダメージケアと頭皮ケア
カラーによる髪と頭皮への負担は避けられません。サロン専用のトリートメントや理容室ならではのヘッドスパで徹底的にケアし、長期的な髪と頭皮の健康を守ります。
まとめ
白髪染めとおしゃれ染めは、目的が全く異なる薬剤であり、ご自身で混ぜて使用するのは絶対に避けてください。しかし、プロの技術を頼れば、両方のメリットを活かした、あなただけのオーダーメイドカラーを楽しむことが可能です。
白髪を隠すだけのカラーから、自分を表現するデザインカラーへ。ぜひ一度、メンズカラーを熟知したプロの理容師に、あなたの「なりたい」イメージをご相談ください。