【剛毛の男性へ】グリースを制する者は、スタイリングを制す。プロが教える、選び方と使い方
硬く、多く、そして広がりやすい。そんな「剛毛」の髪質を、ワックスでセットしようとしてもすぐに元に戻ってしまい、ジェルで固めるとガチガチになりすぎて不自然に見える。そんなスタイリング剤選びの迷路に、迷い込んではいませんか。その両者の悩みを解決し、剛毛の髪を、しなやかに、そして美しくまとめ上げるための、いわば「最終兵器」とも言えるスタイリング剤。それこそが、「グリース」です。この記事では、剛毛の男性がグリースを最強の味方につけるための、その魅力と正しい使い方について、プロの理容師が詳しく解説してまいります。
なぜ「グリース」は、剛毛の最強のパートナーとなり得るのか
グリースが、扱いにくい剛毛の髪質にとって、なぜこれほどまでに優れたスタイリング剤となり得るのか。その理由は、グリースが持つ三つの大きなメリットに集約されます。
1. 圧倒的な「まとまり」と「抑え込み」
グリースの主成分である油分と水分は、剛毛の最大の悩みであるパサつきと広がりを完璧に、そして効果的に抑え込みます。髪に適度な重さを与え、一日中タイトでまとまりのある、スマートなスタイルを創り出すことが可能です。
2. 品のある、美しい「ツヤ感」
ワックスでは表現することが難しい、濡れたような美しいツヤ感。これが、グリースが持つ最大の魅力の一つです。このツヤは、ヘアスタイルに清潔感と大人の色気を演出し、髪そのものを健康的に見せてくれる効果がございます。
3. 柔軟な「ホールド力」と「再整髪性」
ジェルのようにガチガチに固まることなく、しなやかでありながら、しっかりとしたセット力を持ちます。そして何よりも素晴らしいのが、一度セットした後でも、手ぐしで簡単に手直し(再整髪)が可能であるという点です。風でスタイルが乱れても、すぐに元の美しい状態に戻すことができます。
グリースの能力を120%引き出す、プロのスタイリング術
その素晴らしいポテンシャルを最大限に引き出すためには、いくつかの簡単なコツがございます。
付け方の鉄則:「手のひらで溶かし、根元から」
まず、適量のグリースを指で取ったら、それを両手のひらで、体温を使って完全に透明になるまで、しっかりと溶かすように伸ばしてください。このひと手間が、ムラなく仕上げるための最も重要な工程です。そして、髪の表面から付けるのではなく、髪の内側、根元に近い部分から、全体にまんべんなく馴染ませていきます。特にボリュームを抑えたいサイドは、根元からしっかりと押さえつけるように付けるのが効果的です。
コーム(櫛)を使いこなす
全体のシルエットを創る際は、手ぐしだけでなく、ぜひコーム(櫛)を使ってみてください。コームを使うことで、髪の毛一本一本にまでグリースが行き渡り、より均一で、美しい毛流れと完璧なシルエットを創り出すことができます。
グリースで輝く、剛毛のための王道ヘアスタイル
グリースは、特にクラシカルで、男らしいヘアスタイルと最高の相性を見せます。例えば、知的で誠実な印象を与える「七三分け」や「サイドパート」。剛毛の力強い毛流れを活かし、潔く後ろに流す「オールバック」。また、パーマをかけた髪に用いれば、ウェーブやカールをパサつかせることなく、くっきりと濡れたような質感で表現し、色気のあるスタイルを演出することも可能です。
最高のグリーススタイルは、最高の「カット」から生まれる
どんなに優れたグリースを、正しい方法で使ったとしても、その土台となるヘアカットが整っていなければ、その魅力は半減してしまいます。グリースを付けた時に、美しい毛流れが生まれ、髪がタイトに収まるように、お客様一人ひとりの髪質と骨格を見極め、毛量や質感を緻密に調整すること。特に、サイドを滑らかに刈り上げるフェードカットなどのスタイルと組み合わせることで、グリースの魅力は、まさに最大限に発揮されます。私たち誠実な理容師は、お客様がご自宅で最高のグリーススタイルを再現できるよう、その全ての土台を創り上げる、髪の専門家です。
剛毛の悩みは、グリースという強力なパートナーを得ることで、揺るぎない自信とスタイルへと変わります。ぜひ一度、私たちプロが創り出す、究極のグリーススタイルをご体験ください。