【剛毛で毛量が多い男性へ】ヘアオイルでボリュームは抑えられる。プロが教える、正しい選び方と使い方
硬く、多く、そして、どうにもならないほど膨らむ髪。その圧倒的なボリュームを、毎朝ただ力ずくでスタイリング剤でねじ伏せるような、そんな戦いを繰り広げてはいませんか。その手に負えないと思われた髪質こそ、実は「ヘアオイル」という、たった一滴の力を正しく借りることで、驚くほどしなやかに、そしてスマートにまとまる可能性を秘めているのです。この記事では、剛毛で毛量の多い男性が、ヘアオイルを最強の味方につけるための、正しい選び方と使い方を、プロの理容師が徹底的に解説いたします。
なぜ「剛毛で毛量が多い」髪に、ヘアオイルが救世主となるのか
ヘアオイルが、剛毛かつ毛量の多い髪に対して絶大な効果を発揮するのには、明確な理由がございます。まず、オイルが髪一本一本を薄い油膜でコーティングすることで、髪が広がる主な原因である「乾燥」と「湿気」の不要な出入りをシャットアウトします。さらに、オイル自体が持つ適度な「重さ」が、物理的に髪のボリュームを落ち着かせ、スタイリングしやすい状態へと導いてくれるのです。また、ごわつきがちな髪に潤いと美しいツヤを与え、手触りを柔らかく、見た目の印象を格段に向上させてくれる効果も、大きな魅力の一つです。
失敗しないヘアオイル選び。注目すべきは「重さ」と「成分」
その効果を最大限に引き出すためには、製品選びが非常に重要です。ヘアオイルには、サラサラとした軽い質感のものから、とろりとした重い質感のものまで様々ですが、剛毛かつ毛量の多い髪の強いボリュームをしっかりとコントロールするためには、迷わず「しっとり」や「高保湿」と記載された、「重め」の質感のオイルをお選びください。また、保湿力や補修効果の高いアルガンオイルやシアバター、ホホバオイルといった植物由来の成分が豊富に含まれている製品は、硬い髪をしなやかにする上で、特に高い効果が期待できます。
毛量が多くても大丈夫。ベタつかせない、プロの付け方
「オイルを使うと、ベタベタしそうで不安だ」というお声もよくお伺いします。ベタつきの最大の原因は、「付けすぎ」と「付けムラ」です。毛量が多い方こそ、以下のプロのテクニックをぜひ実践してみてください。
最適なタイミングと量の見極め方
オイルを付ける最も効果的なタイミングは、お風呂上がりのタオルドライ後、髪がまだ濡れている状態です。毛量が多いと、つい多めに付けたくなりますが、まずは1プッシュを手のひらに取り、もし足りなければ半プッシュずつ足していく、という慎重なアプローチが、ベタつきを防ぐ最大のコツです。
内側まで届かせる「ブロッキング」という技法
オイルを手のひら全体、指の間までしっかりと伸ばしたら、まず髪を上下、あるいは左右に分け、髪の「内側」の部分からオイルを馴染ませます。その後、残りの表面の髪を下ろし、同じように馴染ませていきます。この「ブロッキング」というひと手間を加えることで、毛量の多い髪でも、内部までムラなくオイルを行き渡らせることができます。付ける際は、乾燥しやすい毛先から中間にかけてを中心に、根元には付けないようにご注意ください。
オイルの効果を最大限に引き出すのは「カット」です
ヘアオイルは、お客様ご自身でできるケアとして非常に素晴らしいアイテムです。しかし、その一滴の効果を120%引き出すためには、全ての土台となる「ヘアカット」が適切でなければ、その力は半減してしまいます。お客様の骨格と髪質を見極め、デザインとして美しく、かつ物理的にボリュームをコントロールする「毛量調整カット」。それこそが、プロの理容師にしかできない、最も根本的な解決策です。私たち誠実な理容師は、お客様に最適なオイルをご提案できるだけでなく、そのオイルが最小限の量で最大限の効果を発揮するような、ヘアスタイルの土台を創り出す専門家です。
その手に負えないほどのボリュームは、正しいケアとプロの技術によって、必ずや、洗練された魅力的なスタイルへと変わります。ぜひ一度、その可能性を、私たちにご相談ください。