【剛毛で膨らむ髪の男性へ】もう悩まない。プロが教えるボリュームコントロール術
朝、時間をかけてスタイリング剤でしっかり抑えたはずなのに、午後にはサイドが膨らんで、頭が大きく見えてしまう。特に湿気の多い日には、もはや収拾がつかない。髪が硬くて多い「剛毛」の髪質をお持ちの男性にとって、この「膨らむ髪」との戦いは、日々の大きな悩みの種ではないでしょうか。その尽きることのない悩みを、ご自身の髪質のせいだと諦めてしまうのは、まだ早計です。髪が膨らむ原因を正しく理解し、適切な対策を講じれば、そのボリュームは必ずコントロールすることが可能になります。この記事では、プロの理容師が、膨らむ剛毛をスマートにまとめるための、完全対策ガイドを詳しく解説いたします。
なぜ、あなたの髪は膨らんでしまうのか。そのメカニズムとは
剛毛の髪が膨らんでしまうのには、いくつかの複合的な原因がございます。一つ目は、髪一本一本が持つ強い「反発力」です。剛毛は、髪が太く硬いため、特にサイドの髪は、曲げられても元に戻ろうとする力が強く働き、地肌から垂直に近い角度で生えようとします。この内側からの力が、スタイル全体を外側へと押し広げ、膨らみの直接的な原因となっているのです。二つ目の原因は、「乾燥」と「湿気」による水分のアンバランスです。剛毛は内部が乾燥しやすく、乾燥した髪は空気中の水分を過剰に吸収して膨張するという性質を持っています。これが、雨の日などに特に髪が膨らみやすくなる理由です。
日々のヘアケアで、膨らまない髪の土台を作る
毎日のヘアケア習慣を見直すことは、膨らみを抑えるための最も基本的な土台作りとなります。まず、シャンプーやトリートメントは、髪の乾燥を防ぎ、しなやかさを与える「保湿成分」が豊富に含まれた、しっとり系の製品をお選びください。そして、お風呂上がりには、ドライヤーの熱や外部の湿気から髪を守るために、「洗い流さないトリートメント」を必ず使用する習慣をつけましょう。特にオイルタイプやクリームタイプのものは、髪の表面を効果的にコーティングし、水分の不要な出入りを防いでくれるため、膨らみ対策には非常に有効です。
膨らみを抑え込む、プロ直伝のドライヤーテクニック
日々のケアの中で、最も効果的に膨らみをコントロールできるのが、ドライヤーをかける工程です。髪を乾かす際は、まず根元からしっかりと乾かすことを徹底してください。そして、最も膨らみが気になるサイド(ハチ周り)の部分は、ドライヤーの温風を必ず「上から下へ」と当てながら、もう片方の手のひらで、髪を頭皮にピタッと押さえつけるようにして乾かします。この「ボリュームを潰しながら乾かす」という意識が、翌朝のシルエットを大きく左右するのです。最後に、髪全体に冷風を当てることで、抑え込んだ形が記憶され、一日中、膨らみにくい状態をキープすることができます。
膨らみを一日中コントロールするスタイリング術
スタイリング剤を選ぶ際は、髪に適度な重さを与え、しっかりと抑え込む力のあるグリースやジェル、ポマードなどが最適です。軽い質感のワックスは、剛毛の反発力に負けてしまい、かえって膨らみを助長してしまう場合もございます。スタイリング剤を付ける際は、表面だけでなく、髪の内側から全体に均一に馴染ませ、ボリュームの発生源を根本から抑えることが、美しいスタイルを一日中維持するための秘訣です。
髪型を変えれば、膨らむ悩みは過去のものに
日々の努力と合わせて、最も確実な解決策は、膨らみにくい髪型に変えることです。その筆頭が「ツーブロック」や「フェードカット」です。膨らむ原因であるサイドの髪を物理的に、そしてデザインとして美しく取り除くことで、悩みの大部分は解消されます。また、硬い髪にパーマをかけ、コントロール不能な膨らみを、計算された「動き」や「デザイン」へと変えてしまうというアプローチも、非常にお洒落で効果的な方法です。
膨らみを「デザイン」に変える、それがプロのカット技術です
これまで様々な対策をご紹介してまいりましたが、お客様一人ひとりの骨格、髪の生えグセ、そして膨らみやすい箇所を完璧に見極め、それを抑える、あるいは活かすようにデザインする「カット技術」こそが、全ての悩みを解決する上での基盤となります。私たち誠実な理容師は、お客様がご自宅で、簡単に、そしてストレスなくスタイリングができるようなヘアスタイルを創り出す専門家です。その尽きることのない髪の膨らみのお悩み、ぜひ一度、私たちにご相談ください。