【剛毛で広がる髪に】ヘアオイルという選択。正しい選び方と使い方で、まとまるツヤ髪へ
硬くて多く、そして乾燥によって広がりやすい「剛毛」。その力強い髪質を、どうすればしなやかに、そして美しくまとめることができるのか。そんなお悩みを抱える男性に、私たちが今、最もお勧めしたいヘアケアアイテムが「ヘアオイル」です。一見、女性向けのアイテムのように思われるかもしれませんが、実はこの一滴のオイルこそが、剛毛の広がりを抑え、洗練されたツヤ髪へと導くための、非常に強力な味方となるのです。この記事では、剛毛の男性のためのヘアオイルの正しい選び方と使い方について、プロの理容師が徹底的に解説いたします。
なぜ「ヘアオイル」が剛毛の広がりに効くのか
ヘアオイルが剛毛の広がりに対して絶大な効果を発揮するのには、明確な理由がございます。その最大の役割は、オイルが髪一本一本を、目には見えない薄い油膜でコーティングしてくれることにあります。このコーティングは、髪の内部から水分が蒸発してしまうのを防ぐ「蓋」の役割と、空気中の余計な湿気が髪に侵入するのを防ぐ「バリア」の役割を同時に果たします。これにより、剛毛の広がる最大の原因である「乾燥」と「湿気」の両方から髪を守り、一日中まとまりのある状態をキープすることができるのです。さらに、油分を補うことで、パサつきがちな髪にしっとりとした潤いと、健康的で美しいツヤを与えてくれる効果もございます。
剛毛のためのヘアオイル選び、2つのポイント
ヘアオイルと一言で言っても、その種類は様々です。剛毛の広がりを効果的に抑えるためには、以下の二つのポイントを意識して製品をお選びください。
ポイント1:「質感(重さ)」で選ぶ
ヘアオイルには、サラサラとした軽い使用感のタイプと、とろりとした重めの使用感のタイプがございます。剛毛の持つ強い反発力と広がりをしっかりと抑え込むためには、ある程度の重さがあり、髪をしっとりとまとめてくれる「重め」の質感のオイルが適しています。「高保湿タイプ」などと記載されている製品を選ぶのも良いでしょう。
ポイント2:「成分」で選ぶ
製品の成分にもぜひご注目ください。例えば、保湿力に優れたアルガンオイルや、人間の皮脂に近い構造で髪に馴染みやすいホホバオイル、高い補修効果を持つシアバターなど、天然由来の植物性オイルが豊富に含まれているものは、髪に優しく、高いケア効果が期待できます。
効果を最大限に引き出す、正しいヘアオイルの使い方
最高の製品を選んでも、使い方を間違えてしまうとその効果は半減してしまいます。プロが実践する、正しい使い方をぜひマスターしてください。
最適なタイミングは「ドライヤーの前」
ヘアオイルを付ける最も効果的なタイミングは、お風呂上がりのタオルドライ後、髪がまだ濡れている状態です。このタイミングで付けることで、その後のドライヤーの熱から髪を保護し、乾かした後のまとまりとツヤが格段に向上します。
付け方の黄金ルール
まず、オイルは適量を手のひらに取ります。最初は1プッシュから始め、足りなければ少しずつ足していく、という意識がベタつきを防ぐコツです。そして、そのオイルを両手のひら、指の間まで、透明になるまでしっかりと伸ばしてください。このひと手間を惜しまないことが、ムラなく仕上げるための最大の秘訣です。付ける際は、最も乾燥しやすい毛先から始め、次に髪の中間へ、そして最後に手に残ったごくわずかな量を髪の表面や前髪に撫でるようにして馴染ませます。根元に直接付けるのは避けましょう。
最高のオイルも、最高の「カット」があってこそ活きる
ヘアオイルは、お客様ご自身でできるヘアケアとして、非常に素晴らしい効果を発揮します。しかし、その効果を100%、いえ、120%引き出すためには、全ての土台となる「ヘアカット」が完璧に整っていることが不可欠です。髪が広がる原因となっている部分の毛量を的確に調整し、オイルを付けた際に髪が自然にまとまるような質感に整える。それは、お客様一人ひとりの骨格と髪質を熟知した、プロの理容師にしかできない繊細な技術です。私たち誠実な理容師は、お客様の髪に最適なヘアオイルをご提案できるだけでなく、その一滴が最も輝くヘアスタイルをデザインする専門家です。ぜひ一度、そのお悩みをご相談ください。