【メンズ剛毛】もう悩まない!プロが教えるヘアセットの全手順と扱いやすい髪型の作り方
はじめに
硬くて多く、そしてなかなか言うことを聞いてくれない「剛毛」。毎朝のヘアセットに時間がかかりすぎたり、せっかくセットしてもすぐに崩れてしまったりと、ご自身の髪質にうんざりしてはいませんか。実は、いくつかの基本的な手順と、ほんの少しのコツを押さえるだけで、あなたの力強い剛毛は驚くほど扱いやすく、そして思い通りのスタイルにセットすることが可能になるのです。この記事では、プロの理容師が実践する、その全手順を詳しく解説いたします。
剛毛メンズのヘアセット、成功の鍵は「準備」にある
多くの方が、スタイリング剤を付けることからヘアセットを始めてしまいがちですが、実はその前の「準備段階」こそが、成功への最も重要な鍵を握っています。
準備1:一度、髪をしっかりと濡らす
寝癖がついたままの乾いた髪に、いくらスタイリング剤を付けても、髪は根本から言うことを聞いてはくれません。髪は、濡れている状態から乾く瞬間に形が決まるという性質(水素結合)を持っています。まずは、髪の根元までしっかりと濡らし、一度リセットすることが、ヘアセットの絶対的なスタートラインです。
準備2:タオルドライは優しく、丁寧に
髪を濡らした後は、タオルで優しく水分を取り除きます。この時、ゴシゴシと強く擦ってしまうと、髪表面のキューティクルが傷つき、パサつきや広がりの原因となります。頭皮をマッサージするように水分を拭き取り、髪の毛はタオルで挟んで、優しくポンポンと叩くようにして、水滴が垂れない程度まで拭き取りましょう。
プロが実践する、ヘアセットの基本手順
準備が整ったら、いよいよヘアセットの本番です。この手順を守るだけで、仕上がりは劇的に変わります。
手順1:ドライヤーで「髪の骨格」を作る
ヘアセットの成否の8割は、ドライヤーで決まると言っても過言ではありません。スタイリング剤は、ドライヤーで作った「髪の骨格」をキープするための補助的な役割です。抑えたいサイドやハチ周りは、ドライヤーの風を上から当て、手のひらで軽く押さえつけながら乾かします。逆に、ボリュームを出したいトップは、髪の根元を下から持ち上げるようにして乾かし、ふんわりとした土台を作りましょう。
手順2:最適な「スタイリング剤」を選ぶ
ご自身の剛毛という髪質と、なりたいヘアスタイルに合わせて、最適なスタイリング剤を選びます。ツヤ感を出してビシッと固めたいなら「グリース」や「ジェル」。無造作な動きや束感を出したいなら、セット力の強い「ハードワックス」などが適しています。
手順3:「付け方」で仕上がりは変わる
スタイリング剤は、決して髪の表面だけを撫でるように付けてはいけません。少量を手のひらで透明になるまでしっかりと伸ばしたら、髪の内側、根元から、髪全体に空気を含ませるように馴染ませます。最後に、指先に残ったスタイリング剤で、毛束をつまんだり、全体のシルエットを整えたりして仕上げます。
なぜ、それでも「セットが難しい」と感じるのか?
ここまでの手順を実践すれば、あなたのヘアセットの技術は格段に向上するはずです。しかし、それでもなお「扱いにくい」と感じる場合、その原因は、あなたの技術ではなく、ヘアスタイル(ヘアカット)そのものにある可能性が非常に高いと言えます。セットしにくいようにカットされた髪を、スタイリング技術だけで毎日カバーし続けるのは、限界があるのです。
究極の時短テクニックは「セットしやすい髪型」にすること
私たちプロフェッショナルの仕事とは、お客様に高度なセット技術を要求することではありません。お客様の髪質と骨格を深く理解し、そもそも「セットが楽になる」「少量のスタイリング剤で簡単に決まる」ように、緻密な毛量調整や質感調整をカットによって施すことこそが、最も重要な役割だと考えています。
鍵を握るのは、あなたの毎朝を考える「誠実な理容師」
サロンで格好良く仕上げるのは、プロとして当然のことです。本当に大切なのは、お客様がご自宅に帰り、翌朝、ご自身で鏡の前に立った時に、そのスタイルを簡単に再現できるかどうかです。ここで重要になるのが、「誠実な理容師」の存在です。誠実な理容師は、カット技術はもちろんのこと、お客様のライフスタイルやスタイリングの得意・不得意までを考慮し、その人に合った最適なセット方法まで、惜しみなく丁寧にレクチャーしてくれる、あなたの日常に寄り添うパートナーなのです。
まとめ
剛毛のヘアセットは、正しい手順と知識を身につければ、必ず上達します。しかし、その毎朝の努力を、もっと簡単で、もっと楽しいものに変える鍵は、信頼できるプロによる「最高のカット」という土台作りにあるのです。悩みの種だったヘアセットの時間が、自信を持って一日をスタートできる、最高の時間へと変わる。そんな毎日を、ぜひ私たちと一緒に手に入れてみませんか。